地域活性化特別枠

草の根技術協力(地域活性化特別枠)事業概要

I.事業の概要
1.対象国名 モンゴル国
2.事業名 塵肺症および石綿(アスベスト)曝露による呼吸器疾患の早期診断能力の向上プロジェクト
3.事業の背景と必要性 モンゴルの主要産業は鋼業と畜産業であるが、鉱山で働く労働者の労働環境は劣悪といわれている。様々な粉じんを吸入することによる塵肺症の発生率は高いと予想されるものの、モンゴルの公式機関で把握されている塵肺症は1975年から2015年の間に1,770人にすぎず、適切な診断がなされていない恐れがある。また、モンゴルでは、石綿(アスベスト)の使用が制限されていないため、電力プラントなどの工業部門や一般家庭でアスベストが広く用いられている。アスベスト曝露により引き起こされる代表的な悪性腫瘍である中皮腫に関する統計を踏まえて推計するとモンゴル国内で200例以上の中皮腫が発生しているはずだが、2013年時点で確定的な中皮腫と診断された例は未だない(実施団体調べ)。
以上のことから、モンゴルにおいては塵肺症とアスベスト曝露による呼吸器疾患の診断能力に課題があると推察され、これら疾患に係る知識の向上・普及、及び診断能力の向上が求められている。そのため、広島県が特定非営利活動法人総合遠隔医療支援機構を実施団体として指定して本案件を提案し、実施することとなった。
4.プロジェクト目標 モンゴルの対象地域における対象疾患の画像診断および病理診断を担う放射線診断医および病理診断医の診断能力が向上する
5.対象地域 ウランバートル及び、エルデネト、バガヌール及びダルハンの鉱業地域
6.受益者層(ターゲットグループ) 直接受益者:対象呼吸器疾患の診断に関わる放射線診断医、放射線科技師、病理診断医、病理検査技師
間接受益者:対象地域の対象呼吸器疾患の患者
7.生み出すべきアウトプット及び活動 <アウトプット>
1.対象呼吸器疾患の専門的診断ができる放射線診断医が増える
2.対象呼吸器疾患の専門的診断ができる病理診断医が増える
3.高品質な画像が撮像できる放射線科技師が増える
4.免疫染色を含む適切な病理組織標本が作成できる病理検査技師が増える
5.モンゴルの対象地域における医療機関の放射線画像診断ネットワークができる
6.遠隔診断システムを用いて、日本とモンゴルの間の放射線画像診断のコンサルテーション体制をつくる
7.遠隔診断システムを用いて、日本とモンゴルの間の病理診断のコンサルテーション体制をつくる
8.対象地域の医療機関における対象疾患の患者のデータベースをつくる
<主な活動>
・放射線診断医、放射線科技師、病理診断医、病理検査技師を対象として研修を行い、対象呼吸器疾患に関する知識の向上を目指す
・日本とモンゴルの国立第三病院、国立病理センター等の関連医療機関をネットワークで繋ぎ、遠隔診断システムを用いて日本人専門家からコンサルテーションを受けられるシステムを整備する
・コンサルテーションを通じて、対象呼吸器疾患に関する診断能力向上を図る
・遠隔診断システムを円滑に運用できるよう対象呼吸器疾患の患者データベースを作成する
8.実施期間 2018年6月~2021年5月(3年0ヵ月)
9.事業費概算額 52,026千円
10.事業の実施体制 広島県が指定する特定非営利活動法人総合遠隔医療支援機構が実施団体となり、広島県が本邦研修や広報等の面でサポートを行う。
モンゴル国内においては、放射線関連は国立第三病院、病理関連は国立病理センターをメインのカウンターパートとする。
II.応募団体の概要
1.団体名(提案自治体名) 特定非営利活動法人 総合遠隔医療支援機構(広島県)
2.対象国との関係、協力実績 実施団体理事長は、モンゴル国において塵肺症及びアスベスト暴露による呼吸器疾患に関する研修、指導を行った実績があり、それらを通じて診断能力向上に係る技術協力ニーズを把握した。