地域活性化特別枠

草の根技術協力(地域活性化特別枠)事業概要

I.事業の概要
1.国名 ベトナム社会主義共和国
2.事業名 中山間地域における農業活性化による農家生計向上プロジェクト
3.事業の背景と必要性 ソンラ市はベトナム北西部の山岳地帯に位置し、労働人口の約80%が農業に従事する農業地帯である。ベトナム国内でも開発が遅れた地域として位置づけられており、ベトナム政府は2001年にソンラ市にタイバック大学を設立し、ベトナム北西部の発展に必要な人材育成を図っているが、2007年から2008年にかけて実施した開発調査「ベトナム北西部山岳地域農村生活環境改善マスタープラン策定調査」では、以下の分析結果が示されている。
1)山岳地域という地形的特性及び人口増加の影響を受け、一世帯当たりの耕地面積は減少傾向にあり、今後の持続的な地域振興を考えればより効率的で付加価値のある農林業育成が求められている。
2)高地ゆえに他地域と差別化した作物を生産するポテンシャルがありつつも、技術的な障壁などからそれらのポテンシャルを十分に活かしきれていない。
上記の分析結果を踏まえ、JICAは2011年から2015年にかけてタイバック大学農林学部の教員強化を目的とした技術協力プロジェクト「北西部山岳地域農村開発プロジェクト」を実施した。同プロジェクトは教員の教育、研究の能力向上に大きな成果を上げたが、得られた研究成果を十分に地域に貢献させるまでには至らなかったため、プロジェクトに参画していた専門家が所属するNPO法人国際農民参加型技術ネットワーク(以下「IFPaT」という)がタイバック大学と共同して、プロジェクトの成果を活用した農民の生計・生活向上を目的とした実践普及活動を実施している。
IFPaTの拠点である茨城県は、ベトナム人農業実習生の受入をはじめベトナムとの農業協力を推進している。また、同県の笠間市は地域創生事業を通じた市の国際化を推進しており、同じ中山間地を有する地域としてソンラ省への協力を実施する方針が出されている。特に中山間地としての特徴ある農産物に付加価値をつけることができる生産技術を発展させると共に、消費者ニーズに対応した流通販売システムを構築することで、従来の一次産品を高価な産品として販売し、農村の収入を増加させることは地域振興に必要な活動であり、本活動は両地域のグローバル化に貢献する。
4.プロジェクト目標 ソンラ市周辺地域における中山間農村の生活・生計向上を目的として、ローカル農業資源を活用した付加価値のある農業システムを構築し、地域の特徴ある農産品販売を活性化する。
5.対象地域 ベトナム、ソンラ省ソンラ市(Tham village, Tay Hung Village)
6.受益者層(人数規模) Tham village(384人84世帯)Tay Hung Village(328人、65世帯)
7.活動及び期待されるアウトプット <アウトプット>
1.農村の生計向上について村人が必要性を理解する。
2.生産基盤として灌漑システムによる端境期の栽培が導入される。
3.消費者のニーズを考慮した付加価値のある農産物が生産される。
4.農産加工、ブランド化を対象とした流通、販売システムが改善される。
<活動>
1-1. ソンラ市近郊の農村開発における生計向上の重要性についてのワークショップを開催する。
2-1.農民グループによる水利用栽培計画が作成される。
2-2.灌漑施設の工事計画が作成され、灌漑工事が実施される。
2-3.点滴灌漑等により野菜栽培が実施される。
3-1.ベタガケ、雨よけ栽培等の簡易施設栽培技術が移転される。
3-2.施設栽培技術が農民グループで実践される。
3-3.高品質野菜の生産の体制が検討され、減農薬野菜栽培が実践される。
4-1.農産物の付加価値化に適正な方法を確定する。
4-2.農産加工技術が移転される。
4-3.生産した特徴ある生産物について、ブランド化に対応できるシステムを構築する。
4-4.生産した生産物を農民グループとして消費者に直接販売するシステムを作る。
8.実施期間 2016年3月〜2018年3月
9. 事業費概算額 49,262千円
10.事業の実施体制 笠間市が提案団体となり、IFPaTが実施団体として活動する。
「越」側はソンラ省、ソンラ市と協力してタイバック大学が実施機関となる。
II.実施団体の概要
1.提案自治体名 茨城県笠間市
2.対象国との関係、協力実績 茨城県とベトナム農村開発省との交流の覚書締結。JICA研修員の受け入れ。
専門家の派遣。青年海外協力隊の派遣。