第10回:フィジーで理学療法士の評価能力向上とチーム医療の推進に取り組んでいます!公益社団法人 沖縄県理学療法士協会 比嘉 つな岐さん

【画像】第10回は、フィジーで理学療法士の評価能力向上とチーム医療の推進に取り組む、公益社団法人 沖縄県理学療法士協会の比嘉つな岐さんに筆を執っていただきました。

Q1. 所属団体とフィジーでの事業概要を教えてください!

団体/組織名 公益社団法人 沖縄県理学療法士協会
主な活動国・地域 フィジー・スバ
団体が目指していること フィジーにおいて適切な評価に基づいた治療計画を策定できる理学療法士が育成され、チーム医療が実践されるようになること
事業名 「フィジー・沖縄リハアイランドプロジェクト」
事業概要 理学療法士の評価能力向上とチーム医療の推進を支援するために、医師、看護師、理学療法士(計5名)を沖縄に招き、計2回研修を行なっています。また専門家派遣として計7回、フィジーを訪問し、研修成果の確認やワークショップの開催を行うことで、フィジー医療の底上げに繋がるよう支援しています。

Q2. 国際協力に関わるようになったきっかけ、理由を教えてください!

幼い頃から海外に興味があり、語学や他の国の文化を学びたいと感じていました。大人になって理学療法士になりましたが、同職の先輩が青年海外協力隊として活動してきたことをきっかけに、更に海外への興味が深まりました。海外で語学や文化を学びながら、理学療法士としての経験を活かし途上国支援が出来るのはいい機会だと感じ、2006年から2年間、青年海外協力隊(以下、JOCV)としてフィジーで活動しました。

Q3. フィジーで事業をはじめたきっかけや対象地域、対象者を選んだ経緯・背景を教えてください!

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フィジーにて訪問リハビリテーションの調査(現地看護師と)

2006年から、沖縄JICAと当時の沖縄県理学療法士協会(以下OPTA)会長との間にはJOCVの募集広告等で連携関係がありました。私は当時からOPTAの会員だったのですが、ある日、フィジーで活動中の私の元にJICA沖縄から情報を得たOPTA会長より連絡が入りました。メールやり取りを通してフィジー理学療法士の現状について情報交換を行っていたところ、研修生受け入れ事業の可能性を探ることを目的にOPTAからフィジーへ視察が来ることになりました。視察の結果、事業ニーズがあると判断され、草の根技術協力事業を開始することが決まりました。初めての草の根技術協力事業が終了した後、フィジー側からフェーズ2としてプロジェクトを継続できないかと依頼を受けました。その後、私が再び短期JOCVとしてフィジーで活動し、フィジーの現状をさらに深く把握し、現地と調整をした結果、再び草の根技術協力事業を開始することが決まりました。第1フェーズではフィジー国全体を対象として研修生を沖縄に招いていましたが、第2フェーズでは多くの理学療法士が配属されている首都のCWM病院にフォーカスを当て、研修の成果を中心地から地方に拡散出来るよう支援していくことに決めました。

Q4. 事業に関わる上で、一番気を配っていること/気を付けていることはなんですか?

信頼関係を築くことに一番気を配っています。信頼を得て始めて、彼らが何を必要としているのか、何が問題となっているのかを把握し、協力を得ることが出来ると思います。活動が一時的なものになっていないか、押しつけになっていないかを常に考え、上司のみでなく現場で働く理学療法士全員の意見を聞きながら、より良い支援が出来るよう、しっかりコミュニケーションをとることを心がけています。

Q5. これまでに一番困った/苦労したことはなんですか?また、どのように乗り越えましたか?

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第一回沖縄研修の様子

プロジェクトを開始するにあたっては、準備すべきことやフィジーやJICAと連絡を取り合って決めなければならないことが多々ありました。フィジー側から合意のサインを得るのに時間がかかり、事業開始が遅れてしまうこともありました。沖縄で研修生を受け入れる際には、仕事・育児の合間で準備を進めるのがとても大変でしたが、OPTA国際支援部のみなさんと仕事を分担しながら進めることが出来ました。
私個人の意見や知識のみでは、フィジー全体の理学療法士にアドバイスができなかったときも、OPTA会員のみなさんの協力を得て、それぞれの専門分野を活かし支援することが出来ました。またチーム医療促進の為にも沖縄の医師の協力を得て知識を共有する事が出来ました。

Q6. では、一番嬉しかった/やりがいを感じたことはなんですか?

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CWM病院スタッフとの集合写真

リハビリテーションは理学療法士のみではなく、医師・看護師・ソーシャルワーカー等がチームとして医療サービスを行い、患者さんが元の状態に回復できるよう支援を行います。このプロジェクトを開始した後、現地の人たちが自発的に家族を交えたカンファレンスを開き、各職種より患者さんの現状を報告し合い、退院に関して意見交換をしている現場に立ち会えました。こうしたカンファレンスはフィジーではこれまで開かれたことのなかったので、研修員それぞれが意欲を持ち、目標を達成出来るよう努力する姿を見られたことがとても嬉しかったです。

Q7. 事業を進めていく中で、現地の人々にはどのような変化が見られますか?
今後重要になると思われること、今後の抱負を教えてください!

フィジーではこれまで、患者さんそれぞれに対する理学療法評価が不十分であり、適切な理学療法計画がなされていませんでした。ところが、この事業で研修員が作成したリハビリテーション計画書が利用されるようになり、また週1回ケースカンファレンスを開き、理学療法士・看護師・ソーシャルワーカーが集まり患者さんの現状報告、治療や退院の方向性について意見交換がもたれるようになっています。今後も理学療法士の評価能力の向上と、チーム医療の推進に繋がるよう支援したいと思います。また病院のみならずコミュニティーにおいても医療が十分に提供出来るよう支援していきたいと思います。

Q8. 最後に…国際協力で「なぞかけ」を作ってください!

虹色!

その理由は?!

国際協力も虹のように多くの協力内容、人材、支援の仕方があるから

ありがとうございました!