第12回:ホンジュラス共和国で妊産婦と5歳未満児の健康向上に取り組んでいます!AMDA社会開発機構 山田 留美子さん

【画像】第12回は、ホンジュラス共和国で妊産婦と5歳未満児の健康向上に取り組む、特定非営利活動法人AMDA社会開発機構の山田 留美子さんに筆を執っていただきました。

Q1. 所属団体とホンジュラス共和国での事業概要を教えてください!

団体/組織名 特定非営利活動法人 AMDA社会開発機構
主な活動国・地域 ホンジュラス共和国 エル・パライソ県 テクシグア市、ヤウユペ市、バド・アンチョ市
団体が目指していること 妊産婦と5歳未満児の健康向上。そのために、妊婦さんの医療機関での健診・出産を推進し、村で妊産婦と子供たちの緊急時に備えること。
事業名 エル・パライソ県南部3市における母と子のプライマリーヘルスケア向上プロジェクト
事業概要 上記目標を達成するために、対象地保健所スタッフの研修、妊婦さん夫婦と幼児の父母を対象としたパパママクラブの実施、伝統的産婆、村の緊急搬送委員会、コミュニティ薬局ボランティアの育成、対象3市の連携向上のための会合などを実施しています。

Q2. 国際協力に関わるようになったきっかけ、理由を教えてください!

学生時代、国際電話のオペレーターのアルバイトをしていました。当時は、国際電話はオペレーター同士でコミュニケーションを取ってつなぎ合う方式が一般的で、そのなかで、いつも優しく対応してくれるタイのオペレーターに惹かれ、初めての海外旅行にタイを選びました。今ではバンコクの様相もずいぶん変わったと思いますが、バブルの勢いを残していた日本に対し、そこで目にした貧困が衝撃的で国際協力に関わりたいと思うようになりました。

Q3. ホンジュラス共和国で事業をはじめたきっかけや対象地域、対象者を選んだ経緯・背景を教えてください!

AMDA社会開発機構(AMDA-MINDS)は1998年にホンジュラス全土に甚大な被害をもたらした、ハリケーンミッチの緊急救援以来(当時アムダ)、継続して、特に東部にあるエル・パライソ県で母子保健事業を実施してきました。その事業は、対象地の母子死亡の減少、施設分娩の増加などの成果をもたらし、その成果を認めた県の保健事務所長から、是非、県の中でも特に貧しく、母子死亡も多い、エル・パライソ県南部で事業を実施してほしいとの依頼があり、立案しました。事業の対象としては、直接妊婦さん夫婦、幼児の父母の他に、地域全体で問題に取り組むため、対象地の医療保健従事者、伝統的産婆、そして村の中から緊急搬送委員会、コミュニティ薬局ボランティア希望者を募り、育成しました。

Q4. 事業に関わる上で、一番気を配っていること/気を付けていることはなんですか?

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コミュニティ薬局モニタリング(薬品が正しく管理されているか、会計処理や薬の処方が正しくされているかなどを確認している。)

事業では、実際に村に入って、日常的に村の人と接するのはAMDA-MINDSのホンジュラス人スタッフです。まずは彼らが意義を感じて、熱意をもって取り組んでくれなければ到底村の人たちに私たちの意図は伝わりません。ですから、スタッフは経験・能力・意欲などから慎重に選考し、事業の目標や遠く日本から支援することの意味などを常に話し合うようにしています。そして、村では緊急搬送委員会、コミュニティ薬局ボランティアや伝統的産婆たちにスタッフの熱意が伝わっているかを観察します。時にはスタッフが一生懸命なあまり、産婆さんから「あんた、怖いから嫌い」などと言われている場面も目撃しましたが、最終的にはチームや本人がフォローして良い関係を築くことができました。

Q5. これまでに一番困った/苦労したことはなんですか?また、どのように乗り越えましたか?

事業が開始してすぐある村の出産直後のお母さんが亡くなりました。それは伝統的産婆であるお姑さんが、村で出産介助したケースで、病院で産んでいたら避けることができたかもしれないものでした。事業開始後約2年たち、その時に生まれた女の子は、お父さんやおばあちゃん、おばさんたちに大事にされてかわいらしく元気に成長していますが、お母さんの顔を知らないんだと思うと他人である私も悲しくなります。事業を実施していると死亡数などをデータとしてとらえてしまいがちですが、その一つ一つが重く、避けられる死亡は無くしていく努力をする必要があると感じます。

Q6. では、一番嬉しかった/やりがいを感じたことはなんですか?

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パパママクラブ(お父さんたちも子供たちのための栄養価の高い調理実習に挑戦している。)

最初は懐疑的であった地域の人々から信頼されるようになってきたと感じた時です。それは気づいたらそのようになっていたという感じでした。活動の1つのコミュニティ薬局では、最初の薬品は事業から提供しましたが、その後はコミュニティ薬局ボランティアが独立して運営していけるように、薬の処方、会計、保健所に行くべき危険兆候についてなど、研修の連続でした。最初は毎月のようにやってくるAMDA-MINDSのスタッフが鬱陶しくも感じていたようです。しかし、最後のボランティア会合では、ほとんどのボランティアが自分たちでコミュニティ薬局を運営できる力をつけられたことに喜びと感謝を表明してくれました。

Q7. 事業を進めていく中で、現地の人々にはどのような変化が見られますか?
今後重要になると思われること、今後の抱負を教えてください!

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緊急搬送委員会モニタリング(メンバーが作成した地図で、村の妊婦さんや子供の様子を確認している。)

妊婦さんたちと5歳未満児を守るために、緊急搬送委員メンバーには、緊急搬送プランの作成の仕方、産前産後・新生児の危険兆候や乳幼児の栄養についてなどを教えて、彼らが村の人たちに研修できるよう育成してきました。緊急搬送委員会メンバーは、村の母子の健康に役立つ大事な仕事をしているという自覚を高めただけでなく、あらゆる面で自分に自信を持てるようになってきているようです。病院に行きたがらない妊婦さんを説得するために、家庭訪問をしたり、妊婦さんを集めて話をしたりしているうちに、人前で話すことが怖くなくなったと語ってくれたボランティアもいました。事業は2016年10月で終了しますが、彼らは今後も村の妊婦さんと子供たちを守るリーダーであり続けることを確信しています。

Q8. 最後に…ずばり!国際協力を色に例えると何色でしょう?

青!

その理由は?!

対象地の空は(土砂降りの一瞬を除いて)いつも青いです。

ありがとうございました!