平成15年度 第38回 NGO-JICA連携事業検討会議事録

I. 前回検討会時の質問・コメント及びその対応状況

JICA国内連携促進課

配付資料5.「第1回国際協力交流協力実践者全国会議2003」についての説明。

II. 自己紹介

NGO側の名古屋NGOセンターからの出席者として、林滋氏に代わり、新たに中島隆宏氏(アジア保健研修所)を迎えることとなり、JICA側の出席者全員の自己紹介を行った。

III. 草の根技術協力事業担当者会議の実施について

JICA国内連携促進課

配布資料4.に沿って説明。

<質疑応答>

・ 草の根技術協力事業(パートナー型及び支援型)の募集要項に本事業が補助金や助成金ではなく委託契約である旨、明記したことに関して

(N)草の根技術協力事業は従来のJICAの事業とは大きく異なる新しい事業であり、大いに期待もしているが、委託契約でありながら、NGOの発意を尊重するという点についてはそもそもしっくりこない部分もある。
例えば委託という言葉に縛られ、実施団体にとってJICAの職員のちょっとした言動に対しても敏感に感じざるを得ず、強迫観念になる可能性もある。現行の契約の中に規定されていない詳細な部分(例えば共同キャンペーンで募金活動を行って得た資金の扱いをどうするか等)について相互に議論をしておくべきである。
現段階では大きな問題は生じていないが、将来的に考えるとすれ違いの原因となり厄介な問題となると危惧する。
今後、JICAと実施団体がどのようなパートナーシップを組むのか、またどのようなパートナーシップを組めばプロジェクトが良くなるかについて建設的な議論をしていきたい。

(J)募集要項に委託契約であることを強調して明記した理由は、昨年度応募にあたって遠方からはるばる国内機関まで問い合わせに訪ねて来られた団体に対し、草の根技術協力事業が補助金、助成金事業ではなく、委任契約に基づくものであり、種々の手続きが必要であることを説明したところ、応募を断念され、無駄足を踏ませてしまったといった経緯があったためであり、その反省から本年度の募集要項に明記する事とした。

(J)委託契約でありながらNGOの発意を尊重するという点については、当事業団内においても以前から議論があり、ご指摘の点については引き続き検討すべき課題であると認識している。
草の根担当者会議の報告の中で、NGO関係者がこの会議に参加いただいてはどうかとの提言があったが、それに関連して、現場を知るJICA東京国際センター等のJICA国内機関の職員にもこのNGO-JICA連携事業検討会への参加を促すこととしたい。

IV. NGOタスクによる草の根技術協力事業に関する提言(77提言)及びJICAによる回答

JICA国内連携促進課

配布資料3に沿って説明。

<質疑応答>

・ 会計報告書に係る現地監査の実施及び外部監査法人の活用について

(N)将来的な方向性として、今後、JICAの在外事務所にも会計報告書の内容確認を行う権限を与えていくということは考えられるか?

(J)現地の活動における証憑書類の内容確認は在外事務所で行い、他方、日本国内で発生した証憑書類は国内機関で内容確認を行うのが適当、との意見もあるが人員配置の観点より実現には至っていない。

(J)コンサルタントとの契約においては精算業務を軽減するために、渡し切り(確定契約)の部分(領収書の提出が不要な支出)を増やす方向で検討を始めている。

(N)具体的にはどのような内容につき、渡し切りを考えているのか?

(J)例えば、開発調査のコンサルタントとの契約の場合、国毎に単価リストを作成し、このリストに基づいた支出が可能な項目(例えば、レンタカーのレンタル単価や事務用品の単価)である。草の根技術協力事業において同様の対応が出来るか現時点で不明であるが検討は可能と思われる。

(N)現地にJICA職員を派遣し、精算書類のチェックを行い完結する方がコストもかからず良いのでは?

(J)国内機関の担当者に内容確認の権限を委譲し、現地出張により精算処理を完結するという方法も理論上可能だが、現状での対応は困難である。もし、他の国際機関等で、委託契約を前提として、精算業務に関する簡略な方法を実施しているところをご存じであればご教示願いたい。

(N)USAIDは現地事務所にて精算書類をチェックしている。また、開発福祉支援等の事業ではJICA在外事務所が精算処理をすべて行っていたので、草の根技術協力事業においても同様の方法は可能であるということでは?

(J)開発福祉支援事業は在外事務所が契約主体であり、事業の開始から終了まで一貫して責任を持っていた。開発パートナー事業においては、精算書類の確認作業はあくまでも本部であり、会計は本部内の調達部にて確認し、事業内容については地域部にて確認を行っていた。

(N)JICAに比べて、NGOスタッフの人員は絶対的に少ないため、NGOにとって現在の精算報告は非常に負担が大きい。

(J)草の根パートナー型に応募してくる提案団体であれば、既に現地に事務所を開設している団体もあり、草の根パートナー型については将来的にJICA在外事務所にて精算書類の確認を行い、精算金額を確定する「現地完結型」で行えるかどうかの検討を行う。草の根協力支援型については、提案団体は現地事務所もなく海外での活動も少ないところが多いので「現地完結型」は難しいと思われ、団体の要望に応じて、国内機関もしくは在外事務所による精算書類の確認を依頼できる選択制が可能であれば良いと思う。

(J)在外事務所の人員数については、独法化後の検討課題だが、本部より経理専門の職員を派遣することも検討しうるものと思われる。

(J)草の根技術協力事業の創設にあたり、当初JICA内で国内機関に契約主体として一任することに疑問を呈する意見もあったが、事業の一貫性という観点を優先させた経緯があった

(J)現体制で始まったばかりの事業なので、しばらくはこの体制で進めて行きたい。

(J)精算業務の代行としては監査法人を利用できないが、精算業務を軽減する目的としての活用は検討できる。また、草の根技術協力事業担当者会議での参加者のコメントを踏まえた実施団体の経理担当者向けの講習会の実施や在外事務所への権限の委譲について、今後検討していきたい。

・ 会計報告業務の簡素化について

(N)経理上の費目が現地(海外)と本邦間で異なり、戸惑っている。

(N)経理上の費目設定の仕方の問題は非常に重要でありながら、今まで両者できちんと議論されていなかった。例えば、人件費の部分を事業の必要経費と見なすのか否かといったことは非常に重要で、議論を深めていくべきである。

(N)“説明責任”というときJICAは会計検査院に対しての説明責任が強調されているが、もっと国民に対する説明責任を果たすべきではないか。また独法化後、効率的なパブリックマネジメントを目指すのであれば、会計業務の簡素化も思い切って出来ないものか?

(J)説明責任に関してはそのとおりである。独法化後の会計業務の簡素化については、会計報告等を求めない補助金を供与するような資金協力をJICAが行える権限は付与されないと認識している。

・ 概算払い請求の回数について

(N)現行の四半期毎(年4回)を年度毎(年1回)に変更して欲しい。

(J)独法化後はより成果が重視されるようになるので、支出状況や成果を確認する必要性がさらに高まる。結論として年1回の概算払いは難しい。

(J)連帯保証を取り付ける上でも年1回だと金額が大きくなり厄介なのではないか。(年4回の概算払いは)リスク軽減という意味合いもある。

(N)連帯保証の手続きは案件・担当者によって年1回であったり、年4回であったりと一貫性がない。

(N)成果主義だと短期間による成果を期待することは難しい。四半期毎(年4回)の概算払いの手続きは多大な労力を要するため、事業の活動や成果に影響が出る。年2回または年3回の概算払いは可能なのか?

(J)プロジェクトの進捗管理状況を細かく見たいというのが当方の考えであり、現行通り年4回の概算払いを依頼したい。また現在の技術協力プロジェクトについても年4回の概算払いを行っている。

(N)莫大な金額を扱う技術協力プロジェクトと草の根技術協力とは異なるため、同じ支払い方式に従っていること自体が疑問である。

(J)実施団体によっても意見が異なり、精算業務が年度末に集中すると大変なので年4回の方がよいという団体もある。JICAとしては契約は年度に1回でお願いしているが、開発パートナー事業の実施団体の中には契約も年4回にしたい、という団体さえある。

(N)効率性を考えて、実施団体が年4回契約を結びたいと考えることはおかしい。何か他のドナーとの兼ね合いがあるのではないか?他方、概算払いの回数については選択制がとれないか?

(N)第4四半期から開始されるプロジェクトなどは次年度を含めた複数年度の契約にして欲しい。

(J)この点については独法化を機に検討したい。

V. 次回の議題の確認

(J)77提言に対する回答については次回までに論点を整理して優先度の高いものから議論していきたい。

(N)今後の草の根技術協力事業についての議論をより効率的なものにするためにも、草の根技術協力事業以外のJICAの国民参加事業やNGOとの連携事業について知りたい。ついては、NGOの関係者は国内連携促進課の活動内容について、過去においてどのような活動を行ってきたのか、今後どのような活動を行っていく予定なのか、また予算はいくらなのか等、あまり知らないので教えて頂きたい。

(J)現在、独法化を機に議論を固めつつあるので、ある程度の方向性が見えた時点(数ヶ月のうちに)でご報告する。

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