平成18年度第4回開発教育小委員会議事録

  • 日時:2007年1月26日(金) 14:00〜17:00
  • 場所:JICA地球ひろば2階奥会議室
出席者(敬称略):
氏名所属団体名部署・役職
湯本 浩之開発教育協会事務局長
野田 真里名古屋NGOセンター理事(国際理解・開発教育委員長)
岩崎 裕保関西NGO協議会 
JICA
氏名所属団体名部署・役職
三義 望JICA地球ひろば企画G社会還元・ボランティアチーム長
松尾 沢子JICA国内事業部市民参加協力G草の根技術協力チーム
竹崎 希JICA国内事業部市民参加協力G草の根技術協力チーム

議事概要

1.客員研究「多文化共生に関する現状及びJICAでの取組み状況にかかる基礎分析」の概要紹介について

(JICA担当部署から経過報告)

  • 多文化共生に取り組む地域のニーズの高まりを受け、JICAの国内機関でも地域関係者からご相談を受けたり、対応を検討することが増えたことを受け、本研究を実施している。同分野に詳しい外部の研修者の方に客員研究という形で現状に関する考察とJICA関係者や地域関係者からの情報集を行い、今後JICAが多文化共生に関してどのように関わりうるのかの方向性を探るのが目的。JICAがどこまで多文化共生にかかわっていくかを既に決定したものではない。
  • 自治体、国際交流協会、教育現場等にアンケートを実施して情報収集を行った。
  • 3月末に成果品が完成予定であり、追って報告会を実施する予定。

(NGO側)

  • グローバル化の中で、地域での多文化共生は途上国への国際協力と一連の問題であり、NGOも自治体等と協力して取り組んできた。現在の多文化共生のイシューの一つに中南米から来日しているニューカマーと呼ばれる日系人コミュニティの問題がある。日本人の移住を国策として実施した日本政府の関わりは重要である。JICAの前身は移民送り出しを行い、また現在JICAが移民の子孫を支援しているわけで、そうした移民が日本に帰国している問題にも当然取り組むべきである。こうした日本国政府やJICAの認識・責任も考えながら研究に取り組むことが必要ではないか。
  • 既に先進的な取り組みをしている自治体もあるので、参考にしてはどうか。また、外国の取り組みにも参考となる部分がある。
  • アンケート調査は、幅広く行うことも良いが、グッドプラクティスを持っている所に対しては積極的にコンタクトし、参考にした方が良いのではないか。

(JICA側)

  • JICAとしても歴史的な経緯は認識している。政府の動向等を踏まえつつ検討が必要と考えている。
  • 今回の研究結果をJICA全体で共有できるようにしていきたい。今後の進捗状況は機会を見て随時報告していきたい。

2.第3回NGO−JICA協議会に関する報告(国内事業部より報告)

(JICA側から報告)

  • 前回の第3回NGO-JICA協議会で、今後のNGO-JICA協議会枠組みの整理を行った。(別紙資料)各小委員会については、今後目標や成果について再確認がされる中、19年度末をもって仕切りなおしとなる予定。
  • 次回のNGO-JICA協議会(3月13日)について今年度の開発教育小委員会の進捗と次年度の活動計画に関する報告をしていただくため代表の出席をお願いしたい。

(NGO側)

  • 開発教育小委員会の今後のあり方については、NGO側よりNGO-JICA協議会において提案した事であり、特段の異論は無い。今後の課題としては、これまで実施したNGOとJICAの協働事業、例えば教師海外研修へのNGOの開発教育専門家の派遣JOCVの派遣前訓練における開発教育研修へのNGOの協力等についての成果等を検証すべきと考える。
  • これと関係し、協働事業として行ったことは、その成果をきちんと明記すべきである。「地球ひろば」が開設して一年になろうとしているが、開設に際しては、JICA側の要請により本小委員会においてNGOはかなりのアイディアを出し、貢献している。また、「地球ひろばが開発教育小委員会をつうじてのNGOとJICAの協働による成果である」旨をパンフレットに記載したり、プレートを作成し、掲示する事等が合意されていたが、未だ適切な対応がなされていない。本件は「NGOのアイディアだけとって、あたかもJICAの成果であるかのように振舞っている」ととられかねない行為であり、これでは、協働の土台である信頼関係が大きく損なわれると強く危惧する。
  • NGOとJICAが協働して成果を出したものは、きちんとその旨を目に見える形で市民に公表していただきたい。NGOとJICAが協力して作り上げたということをNGOや市民にアピールすることは、JICAにとってもプラスになると考える。お互いに合意したことについては誠意を持って取り組んでいただきたい。

(JICA側)

  • 本件については、当時の関係者にも事実関係をよく確認した上で対処したい。

3.開発教育教材の著作権の取り扱いについて

(JICA側から報告)

  • JICA作成の開発教育教材の著作権の面での問題がある箇所についての対処方法について報告。JICAでは、「著作権ガイドブック」も作成し、通常、法律やルールにのっとって著作物の作成を行っているが、JICAとNGO共同で製作した教材について、チェック体制がうまく機能せず、著作権上問題がある部分があることが発見できなかった。今後は、機会あるごとに注意喚起を行い、再発防止に努めたい。

(NGO側)

  • 本件について、所管部署より、最終的にどうなったのか、報告をして欲しい。また、著作者への対応の問題に加えて、原著作物の出版社への対応も必要。
  • 今後、JICAとNGOの連携が増えていく中で、今回と同様のことが起こる可能性は十分考えられる。引き続き留意・検討していく必要がある。
  • 当事者の一人として、事実確認で申し上げる。本開発教育教材はJICAのみによる作成でもなければ、JICAのNGOへの「外注」による作成でもない。本教材は、JICA中部の呼びかけによる協働プロジェクトとして、JICA中部センター所長をはじめJICAスタッフ、NGO,教員、JOCV-OV、自治体関係者等が参加した研究会として作成したものである。したがって、著作権等にかんするチェックも決して怠ったわけではなく、チェック作業も研究会として協働で行っている(NGOに「外注」してつくったものをJICAがチェックした、ということではない)。にもかかわらずこういった問題が生じたことについては大変遺憾に思うし、再発防止に勤めなければならない。念のために申し上げておくが、今回の件は「JICAがNGOと連携して教材を作成したために問題を引き起こした」、ということでは決してなく、むしろ様々なステークフォルダーがかかわることで、JICA単体よりもより複眼的・多角的な視点で作成し、またチェックも行うことができた。地域においてJICAがNGOや市民と協力して教材を作成した意義自体は高く、同教材の評判も非常によい。今回のことは、著作権について改めて検討し直す良い機会であると捉えていただきたい。
  • 今回のことは、JICAの一部署だけの問題としてではなく、JICA全体の問題として捉えて対応に取り組んでいただきたい。
  • 「著作権ガイドブック」があり、理念として方針があるのは理解できるが、出前講座やワークショップの現場まできちんと浸透しておらず、著作物を無断でコピーして使用している可能性があるので、関係者に対して注意喚起をしていく必要があるのではないか。これを機会に現状を改善して欲しい。
  • NGOはコンサルタントではない。著作物等我々の知的な業績・作業をきちんと尊重して欲しい。

4.JICA中部提案の開発教育事業の評価に関する経過報告

(JICA側から経過報告)

  • 「質」の評価は難しく、うまく進んでないのが現状。まずは、「量」の現状分析(教員の数・生徒の数・ニーズ等)に取り組んでいるのが現状。
  • 今後も、JICA「地球ひろば」や開発教育小委員会で検討を重ねていきたい。

(NGO側)

  • 初めての試みなので、これを評価方法を検討する上での良いチャンスとして捉えていただきたい。
  • 評価を実施する際、第三者を入れることは原則。また、外部の評価を入れる場合は、他の地域(例えば中部地域以外)の評価メンバーも入れるべきである。

(JICA側)

  • 評価を実施する際に、NGOから適任者を出していただくことは可能か?

(NGO側)

  • JICA側のプロジェクトなので一義的にはJICA側が自力で探すべき。小委員会NGOメンバーから推薦して欲しいのであれば、正式に文書で依頼をいただきたい。
  • 一国内機関の取り組みなのか、それともJICA全体の取り組みなのか、また、何を評価対象とするのか(個別の事業の評価なのか全体のプログラムの評価なのか)によっても、評価方法、適任者は違ってくると考える。

次回委員会開催予定日 平成19年4月20日(金)
内容(予定):来年度の議題の整理 他

(NGO側)

今後の課題の一つとして、これまでNGO側が専門家を派遣した教師海外研修等で各種提言を行っている。PDCAサイクルの観点から、こうした提言のフォローアップ、つまり提言を踏まえてJICAがどのように反省し、次の事業に活かしているのかどうかを検証すべきである。

以上