平成19年度第1回開発教育小委員会議事録

  • 日時:2007年4月20日(金) 14:00〜17:00
  • 場所:JICA地球ひろば2階奥会議室

出席者(敬称略):

  • 開発教育協会 事務局長:湯本 浩之
  • 関西NGO協議会:岩崎 裕保
  • JICA地球ひろば 企画G長:小幡 俊弘
  • JICA地球ひろば 企画G社会還元・ボランティアチーム長:三義 望
  • JICA中部 連携促進チーム長:友成 晋也

議事概要

1. 開発教育教材に関する著作権に係る報告について

JICA作成の教材に係る著作権について、JICA側より経緯とその後の対応について説明・報告。

JICA:

今後も著作権と個人情報の扱いに関しては、基本として徹底していきたい。新人推進員の研修やJICA職員の研修においても注意喚起していくなどしたい。

NGO:

NGOとしては、良い開発教育教材を作り続けていきたいと考えている。その教材がJICAの主催事業でも活用される場合には、著作権の問題はもちろん、その制作コストを負担していくようなことが今後検討できないか?

2.18年度小委員会のレビューおよび19年度の議題検討

1)青年海外協力隊の派遣前研修の継続実施

「青年海外協力隊現職教員派遣前特別研修」に「開発教育」についてのコマを設け、18年度はその一部について小委員会から推薦のあった者に開発教育に関するプレゼンテーションを依頼した。19年度は研修主催者の文部科学省の判断でJICAが担当した。

NGO:

文部科学省との関係で言えば、NGOと文部科学省が直接やり取りをするのは簡単ではないので、JICAが間に入って対話を促進することができれば良い。また、協力隊の派遣前研修に開発教育の内容を入れることは、現職教員に限らず、一般の隊員にとっても重要である。

JICA:

協力隊員の派遣前研修での開発教育の内容を充実させていく事はJICAとしても目指していく。

2)「持続可能な開発のための教育(ESD)」への取り組み

日本政府の提唱をきっかけとして2005年から「ESDの10年」が開始された。本委員会においてNGOとJICAとの開発教育支援事業の中でのESDへの取り組みについて検討する予定であったが、未対応。

NGO:

ESDについてのキャンペーンを実施したり、教材を作る等してはどうか。各省庁は必ずしも積極的では無いように思われるが、JICAは開発援助に携わる者として、よく概念を整理して関わるべきではないか?

JICA:

皆がまちまちの理解のままESDの用語を使うと益々混乱する。その意味ではためらいがある。

NGO:

本委員会は研究会ではないので、理論的な議論に固執するつもりはないが、ESDが意味することや目指していることをJICAの開発教育関連事業に反映させていく必要はあるのではないか。JICAとしてそこまで踏み込む必要はないとの判断か。

JICA:

状況を鑑みるに、ESDについて本委員会で概念を整理するのは避ける方が良いと思われる。

3)「教師海外研修モデルプログラム」の試行的実施

18年度は小委員会の推薦を得た開発教育アドバイザーの派遣を行ったが、19年度教師海外研修ファシリテーターについては、各国内機関で手配予定。地球ひろばのコースについては「パートナー」サイトに記載し、(NGOの方も含めて幅広く適任者を募るという意味で)公募予定。

NGO:

実施直前の公募では、NGOは応募しにくい。また、公募によってNGOが“下請け”となるようなことは望ましくない。これまで二年間NGOより開発教育アドバイザーの派遣を行ったが、それはNGOとJICAの協働事業である。できれば続けるべきであり、そこで得られたノウハウがきちんとJICAで蓄積される必要がある。公募を行っても適任者が出てくるとは限らない。また、公募する人材に対して、ロジ・サブ両面を要求するのは負担が大きく、両面の専門性に長けた人材の確保が果たして可能かどうか疑問である。

JICA:

公募の結果、TORをよく考えていきたい。

NGO:

教師海外研修事業の受託NGO団体(現在全国で5団体程度)の会議を一度実施し、経験について自由に議論してはどうかと考える。その背景としては、小委員会から教師海外研修の実態が見えにくく、小委員会としていかに質的改善を行っていくか、という事を考えたいということがある。

JICA:

一度実施するのも良いかと思う。検討したい。

<19年度実施検討事項>

NGO:

教材作成のサポートを検討事項にできないか?

JICA:

教師海外研修の成果物で良い物は選んで世に出すのも一案。

NGO:

開発教育支援事業は、当初はJICAの東京本部が管轄していたため、事業の進捗状況や成果・問題点が見えやすかった。しかし、現在では、開発教育支援事業の管轄が各国内機関に移った事により、現場との距離感が出てきて、モニターしにくくなったと感じている。小委員会のNGO側委員としても、現場を見ているわけではないので、具体的に議論することが難しくなっている。本委員会がより意義あるものにするために、地域のNGO関係者やJICA担当者を交えた建設的な議論の場としていきたい。

JICA:

場合によっては小委員会を各地域でやるのも一案である。

3.地球ひろば設立に係る協働の成果の掲示について

JICA:

協働の成果については、ホームページや広報物に入れていきたいと思う。一方で、以前話の出たプレートを作成する事に関しては、困難な部分も多いため、ご了承いただきたい。

NGO:

広報の方法については今後工夫をしていただければと思う。

4.その他

NGO:

この小委員会が設置された当初の課題として、NGO側とJICA側が考える開発教育についてのすり合せを行う必要があるとの認識があった。開発教育は、ODA広報とは異なる視点や立場を持つものと考えているが、NGOとJICAがなぜ協働して開発教育を進めようとするのかについて、共通理解を得て、広く市民や社会に説明していく必要があるのではないか。開発教育とは、地球市民としての視点を持ち、先進国と途上国が裕福な者と貧しい者という立場ではなく、対等な立場に立って、地球規模で格差を無くしていく、という視点が必要なのではないか。

NGO:

昨今、JICAがNGOと連携し、共催事業等を実施する際に、JICA側が会場費や講師謝金を負担してくれるケースが増えてきた。しかし、同時に、NGOの単独事業であれば、徴収できていた参加費が取れなくなり、結果として会場費や講師謝金以外の諸経費をNGO側が“持ち出し”にせざるを得ないケースも出てきた。JICA側でも、独自に寄付を募ることを考えているとのことであるが、共催事業においては、NGO側の経費負担の軽減という観点から、一定の参加費徴収を認めてもらいたい。(本件については、JICAの方で事実確認を行う。)

以上