平成19年度第3回開発教育小委員会議事録

  • 日時:2007年9月21日(金) 14:00〜17:00
  • 場所:JICA地球ひろば2階第二会議室

出席者(敬称略):

  • 開発教育協会 事務局長:湯本 浩之
  • 関西NGO協議会:岩崎 裕保
  • JICA地球ひろば 次長・企画G長・市民参加協力促進チーム長:小幡 俊弘
  • JICA地球ひろば 企画G市民参加協力促進チーム:松元 隆
  • JICA地球ひろば 企画G市民参加協力促進チーム:白井 宏明
  • JICA地球ひろば 企画G市民参加協力促進チーム:海老原 優子
  • JICA地球ひろば 企画G市民参加協力促進チーム:関口 恭裕
  • JICA地球ひろば 業務G連携促進第一チーム:伊藤 衆子

議事概要

1 前回小委員会の議事録の確認について

前回7月に開催した第2回「小委員会」に関するNGO側の議事録修正案に関して、事実関係をはじめ文言や表現等に関して、JICA側が確認や一部修正を求めた。

合意事項

前回の議事録案の再修正案をJICA側で作成し、NGO側と再度調整することとした。
また、前回の議事録案が大変長くなり、修正にも時間がかかっていることから、今後、議事録は要点を外さず簡潔に記載することとする。

2 教師海外研修について過去の対応と現在

JICA側コメント

地球ひろばの担当者より、NGO側から提出された過去2つの改善提言書においてなされた提言に基づき、地球ひろば管轄地域の事業を例とした今年度の実施状況、今後の課題について報告を行った。要点は以下のとおり。(別紙資料)

【視察先について】

ベトナムコースでは、JICA事業だけでなく、NGO活動や地方自治体の活動も視察でき、バランスを取るよう配慮されていた。また、北部、南部、中部の地域特性を理解できる様にも配慮されていた。

【参加者について】

参加者のバックグラウンド(出身地域、校種、年齢等)が多岐に亘っており、教師間で多様な価値観に接する機会があった。他方、開発教育に携わった経験もまちまちであったため、ファシリテーターが苦労する場面があった。

【今後の課題】

  • 教師海外研修に参加した教員が帰国後に研修成果を授業で活かすためには学校側の理解が不可欠:教師海外研修への参加が決まるのは年度が始まってからだが、授業計画・シラバス等は年度当初に既に決まっているため、研修中に得られた知見を授業に活かそうとしても、同僚、上司の理解なくしては、総合的な学習の時間での実施や、既存の教科の授業計画の中に入れ込むことは難しい。また、高校等は複数の教員が同一つの教科・科目を受け持っているため、教員同士の調整も難しいという教師側の抱える事情もある。
  • 研修参加者間(開発教育ファシリテーター、JICA側同行者、参加者)の事前の打ち合わせの時間の十分な確保:今般は、十分な時間がとれず、後の意思疎通が難しくなることがあった。
  • 過密スケジュールを避ける:視察が多すぎる日もあり、参加者に疲労が溜まり、振り返りの時間の確保等が難しかった。
  • 最適な開発教育ファシリテーター(以下、ファシリテーター)の確保: 現地事情に詳しく、開発教育の専門性を持ちつつファシリテーションが出来、また、調整能力及び人格的にも秀でているといった、全ての資質を兼ね備えた人を確保することはかなり困難。今回、ベトナム、カンボジア、タイのコースは公募で人選したが、次年度以降、公募で人選するにせよ、他の方法で人選するにせよ、工夫が必要。

NGO側コメント

  • 今年度の教師海外研修実施に際しては、NGO側からの推薦で実施したファシリテーターから出された改善提言等(注 1)を踏まえ、過去2年間の結果をレビューすべきであった。教師海外研修実施時期(夏季)はNGO側の繁忙期なので、NGO側も必ずしも適任者を推薦できるわけではないが、ファシリテーターの資質は本研修の質に関わってくるので、開発教育の専門性を持ったファシリテーターの果たす役割は重要である。開発教育NGOの関係者内でも、日本をフィールドとしており、海外での視察をしながらのファシリテーション及び教材開発まで行える人材は非常に少ない。このため、NGO側が推薦をするためには、年初に依頼が必要である。これまで、コアな人材育成を援助業界でもNGO側でも行ってこなかった。これからは育成していかねばならない。
  • また、教師海外研修の成果を教育現場で活用しづらいという点については、「目標」、「到達点」、「評価」がきちんと位置づけられていれば、比較的授業時間で扱いやすくなるのではないか。個人の感動や体験をそのまま伝えようとすると、汎用性が低くなり、授業で扱いにくくなる。
  • また、これは参加した先生側が気づくべき問題ではあるが、研修の視察先で、どうしてその訪問国や訪問先が選ばれたのか、もう一歩踏み込んで考える必要があると思う。
  • 今回の教師海外研修では、開発教育ファシリテーターの同行について課題が残ったというが、以前にNGO側が推薦したファシリテーターの同行にも同様の課題があったのか。前者に課題があり、後者には課題が無かったとすれば、その原因は公募制にあるとは言えないか。

(注 1)2005年11月8日NGO-JICA協議会開発教育小委員会資料「2005年度国際協力機構(JICA)教師海外研修の課題と改善提言」(特活)名古屋NGOセンター(NANGOC)、国際理解・開発教育委員会

JICA側コメント

  • 公募制自体は広く世間に人材を求め且つ公平性と透明性を確保する上で重要と思っている。次回についてはアンケート結果の分析を踏まえ、改善すべきは改善していきたい。
  • わずか10日間の海外研修期間では、どうしても表層部分しか見えてこない部分もある。難しいことではあるが、いずれ多数の生徒が、この教師海外研修に参加された先生方から授業を受けることを考えると、一歩踏み込んで(発展途上国、国際協力について)知ってもらわなくてはならない。ファシリテーターとしては研修に参加された先生方に例えば氷山の海面下の見えない部分を気づかせてあげられるような人が必要。
  • 現時点では、同研修の応募者数は必ずしも多くは無く、本研修に参加した先生方の開発教育に関する経験のレベルもまちまちであるのが現状である。広報の強化や教師が参加しやすい環境の整備をし、より多くの応募者が出るように努める他、事前に階層別研修を行うなどして、より質の高い研修に改善していきたい。
  • 現在、今年度の教師海外研修(地球ひろば管轄分のみ)の評価をとりまとめているので、次回の小委員会で報告できる予定。これまで本小委員会で検討された改善案について、フォローアップが必要な時期に来ている。提案されてきた改善案がいかにJICA事業に反映されてきているのか、反映できていないとすればそれはどのような理由からか、改善案を有効に活かすためにも、今後、本小委員会でそれら改善案のレビューを行っていくべき。

3 来年度以降の開発教育委員会について

NGO側コメント

JICAとJBICとの統合を来年の10月に控え、現行のNGO-JICA協議会ならびに各小委員会は今年度末をもって一旦は活動を終了し、4月以降、新しい枠組みの中で必要に応じて小委員会が発足する予定にあるという理解でよいのか。

JICA側コメント

現行の小委員会の今後について、小委員会評価タスクフォースが評価を行っており、年内を目処に評価結果について報告があり、年度内を目処に、今後の方向性についてNGO-JICA協議会の中で議論がある予定と聞いている。

合意事項

今後、本小委員会がどういう形で運営されるにせよ、これまでの議論や懸案事項について、これまでの資料も活用してきちんと引き継がれるようにすべき。これまで小委員会の中でなされた改善提案について、何がどう反映されたのか、されていないとすれば、その原因は何なのかを来年3月末までに明確にして文書化しておく必要があることが確認された。

4 今後の課題と論点の整理についての議論

合意事項

先週末にJICA兵庫で開かれたNGO-JICA協議会でNGO側の湯本委員から、本小委員会に関する「今後の課題と論点の整理」が示されたが、来年度以降の申し送りの中で、これらの課題や論点を整理していくこととした。

5 その他:学習指導要領改定に向けたアプローチについて

NGO側コメント

総合的な学習の時間数が削減される方向にある等、学習指導要領が見直されている中で、JICAとしては教育行政に対し、どのように働きかけて行くつもりか。

JICA側コメント

現在の国際理解教育等では、どうしても発展途上国について扱われる機会は少なくなりがちであり、JICAとしては学校現場でできるだけ途上国を取り巻く状況について取り上げて頂くべく対処していこうと考えている。効果的な対応を行うためにはどうしていくかを検討するに当たり、教育現場だけでなく、そこと関係の深い他の開発教育に関するアクター(文部科学省、UNESCO、教育委員会等)の動向も把握する必要がある。本小委員会の場で皆様の御知見をお借りしながら、関連アクターのマッピングを行っていきたい。

次回開発教育小委員会実施:

  • 日時:未定(11月もしくは12月の金曜日)
  • 場所:JICA地球ひろば

議題事項

  • 今年度の教師海外研修に係る評価(報告)
  • これまでの開発教育小委員会活動レビュー
  • 開発教育にかかる関連アクターのマッピング

以上