平成19年度第4回開発教育小委員会議事録

  • 日時:平成19年12月21日(金)14:00〜16:00
  • 場所:JICA地球ひろば

出席者(敬称略)

NGO側

  • 湯本浩之(特定非営利活動法人開発教育協会事務局長)
  • 岩崎裕保(特定非営利活動法人開発教育協会副代表理事)

JICA側

  • 小幡俊弘(JICA地球ひろば次長兼市民参加協力促進チーム長)
  • 白井宏明(JICA地球ひろば市民参加協力促進チーム)
  • 海老原優子(JICA地球ひろば市民参加協力促進チーム)
  • 加瀬晴子(JICA地球ひろば市民参加協力促進チーム)
  • 遠藤浩昭(JICA地球ひろば地域連携チーム長)

評価タスクメンバー

  • 米山芳春(JICAアジア第一部管理チーム長)
  • ※NGO側メンバーは欠席

議事概要

【I.報告事項】

※ 第3回小委員会では、協議事項はなし。

I.評価タスクの結果報告

JICA側評価タスクメンバーから、NGO−JICAの合同評価タスクの結果報告を行った。

※ 報告は、「評価タスク」メンバーとして行っており、NGO、JICAのいずれかのみを代表するものではない。以下の報告は、同資料の番号に基づくもの。

1 スキーム評価の概要

報告者(評価者)

NGO側
(社)シャンティ国際ボランティア会 秦辰也氏
JICA側
アジア第1部 米山芳春氏
2 評価結果
2.1 目的の妥当性

1) 設置目的の確認

<評価タスクメンバー>

  • 小委員会開設当初、NGO側とJICA側の間で開発教育小委員会に関する共通認識がなく、曖昧なまま開始した。JICA側にとっては自身の開発教育支援事業の改善に資するものとして委員会を認識していた。
  • 小委員会の実施意義について明文規定がなかった。明文規定がないことが必ずしも悪いわけではないが、このことは、NGO、JICA双方において、「開催趣旨」について誤解を生み出す原因となった。

2) 小委員会実施内容の確認

<NGO側>

  • 小委員会での協議の内容に従って、JICAの開発教育支援事業が実施されたか? 組織改編に伴い、かつJICA内の人事異動の多さから、小委員会の場において、過去の議論が繰り返されたことが多い。
2.2 結果の有効性

<NGO側>

  • 独立行政法人化以前の小委員会で議論された課題については、独立行政法人化後にかなり反映された。他方、NGOとJICAとの協働の意識がJICA側には薄れたのではないか。
  • 今後、JICAがどこまで開発教育を行うのか、開発教育を担当する職員間で、小委員会での合意や成果をどのように引き継ぐのかについては、課題が残る。
  • 小委員会での合意や成果の普及方法、外部に対する紹介やアピールの方法は、改善すべきテーマである。NGOとJICAによる協働作業の成果であるものは、その旨を明記・強調していただきたい。
  • JICA本部(地球ひろば)から国内機関への、小委員会の議事内容の伝達方法については、改善が必要。これが還元されなければ、JICA全体の開発教育事業の改善にはつながらない。
2.3 対象者、コミュニティの想定と還元

実施主体が、徐々に本部から国内機関に移譲されたが、本部で実施されていた時よりも、地域の事情に即した事業になっている。その反面、支援活動、経験の共有が充分行われておらず、地域間で差が出始めている。また、地域での事業の実態や課題を「地球ひろば」や「小委員会」で把握することが困難にもなっている。

2.4 プロセスの適切性
  1. 開催頻度
  2. 委員の人選
  3. 委員の出席率、貢献度
  4. 協議会とのつながり
  5. 成果、議事録の公開、共有状況

<NGO側>

評価タスクの報告書に記載されているうち、3)〜7)については、小委員会での協議対象事項ではない。

  1. 経費

<NGO側>

小委員会に出席するNGO関係者の謝金の支払いも検討されるべき。

※ 東京以外のNGOの出席者には、JICAから交通費実費及び日当の2点をJICA内国旅費規程に基づき支払っている。

3.2 まとめと今後の検討課題
  • NGO側から提案された検討課題
  1. (NGO, JICA双方の)「対等なパートナー」としての位置づけの明確化
  2. (JICAフォロー事項の)小委員会へのフィードバックの徹底化
  3. (小委員会の)持続的な発展の必要性
  • JICA側から提案された検討課題
  1. 今後の小委員会の方針と位置づけ、業務範囲の明確化
  2. (小委員会と)地域センター(JICA国内機関)との連携
4 提言
  1. 小委員会の継続の是非
    基本的には継続したほうがいい。ただし、上記の「検討課題」が克服されることが前提である。
  2. 小委員会の拡充
    開発教育におけるNGO側の人的ネットワークの拡大が必要。東京、名古屋、大阪の3つのネットワーク型NGO以外の参加を呼びかける必要がある。
    JICAとしての開発教育の領域をどこまでにするのか。主に文科省などの他のステークホルダーとの連携、調整を行っていくべき。
  3. NGO、JICAがお互いをパートナーとして再確認する。

【報告後のコメント】

1 評価タスクの報告内容についての評価

<NGO側>

  • 評価タスクの報告は、NGO側の考えを概ね反映している。ただし、小委員会で議論していない事項についても記載されている(e.g.マルチメディア、エッセイコンテスト、出前講座等)ため、報告書を訂正して頂きたい。
  • NGO、JICA側で何が出来るかが、小委員会の前提。JICA事業の諮問機関や助言委員会ではない。ここはJICAの意識とは違う。
  • この「小委員会」の設置当初の名称は、「開発教育小委員会」ではなく、また開発教育という言葉が使用できない事情がJICA側にはあった時代であった。開発教育を広報という位置づけにしていたからであろう。当初は、JICAに対し「(JICAが考える)開発教育の定義」の説明を要望し、共通理解が図られることを期待した。しかし当時、JICA側からは小委員会の中では「定義付け」は行わないとされた。この点、やはりNGO側の認識とは異なっていた。

<JICA側>

  • JICAの定義は基本的に、ODA改革懇談会に準拠、定義の議論がなかったわけではない。

<NGO側>

  • 上述のような定義についても、JICAの、平成11(1999)年3月の「開発教育支援のあり方」調査研究報告書によって、変化があったと思う。しかし、開発教育小委員会についての議論は行われず、「協働事業を進めていく中で議論をしていく」ということだけが確認された。JICAの開発教育関連事業の企画や改善に時間を割く中で、NGO、JICAの間に「開発教育小委員会の開催目的」について乖離が生じたことは確か。

<評価タスクメンバー>

  • 同意見

<NGO側>

  • 開発教育の目指すものは時代とともに推移してきている。その時々の目指すものを共通認識していくことが重要と考える。

<JICA側>

  • 同意見。そのため、開発教育のパラダイムを今後どのように形成していくかが課題となる。例えばESDに関していくと、文部科学省や関連する大学との連携が課題となる。

2 評価タスクの報告を踏まえた、来年度以降の小委員会の継続の是非

<JICA側>

  • 小委員会の継続の可否については、この10年を総括し、今後どのようにするかを決めていきたい。1〜2年程度休会するという選択肢もあるが、JICAの開発教育支援事業に対する助言を頂く場は今後も設定して行きたいと考える。

<NGO側>

  • 「小委員会」がJICAの開発教育関連事業に対する「助言委員会」のような性格となるのであれば、助言に対する謝金の支払いを検討していただきたい。

<JICA側>

  • 新NGO協議会の発足に先立ち、既存の小委員会が平成20年9月末に一旦終了する方向であるようなので、次につなぐ申し送り事項として評価タスクの報告を踏まえた小委員会の簡潔な総括ペーパー(報告書)を作成したいと思う。

II 教師海外研修(平成19年度第2回小委員会において、協議した事項(教師海外研修)のその後の進捗状況について説明)

1 事業委託団体の公募及びファシリテーター

<JICA側>

  • JICA地球ひろばが所管する教師海外研修に関し、
  1. ファシリテーターについては、平成20年度においても公募を検討している。
  2. 平成20年度は受託団体を公募するが、受託団体に補強でファシリテーターに参加してもらうことを可能とする予定である。ファシリテーターについては、教師海外研修の企画の段階から参加してもらうことを想定している。
  3. 又、在外事務所の関与を高めることを本事業の実施要領に定めた。

<NGO側>

  • 開発教育NGOに教師海外研修を業務委託すると仮定し、地球ひろばで(教師海外研修)に関する事業委託のモデルを作ることはできないだろうか?
  • 教師海外研修に関し、在外事務所の主体的な関与を深めるというJICAの方針については賛成。
  • ファシリテーターに関して言えば、理想のファシリテーター像が存在する訳ではない。まずその対象国や地域に関する知見を有することが条件となる。

<JICA側>

  • 1月末にJICAで開発教育担当チーム長会議を開催するので、教師海外研修の、全体的なレベルアップについてはそこでも協議したい。

2 業務委託

<NGO側>

  • ロジを含めた事業受託であれば、何千万円というコストになるものと思うが、現状の(開発教育系)NGOでは要件が厳しすぎ、受託は困難。
  • NGOもJICAもの教師海外研修のニーズに応えるような開発教育ファシリテーターを育成してこなかった。海外でも活躍できる開発教育ファシリテーターの育成は、JICA、NGO双方の対応すべき課題といえる。JICAの専門家育成も本来、10〜20年かかる筈である。

<NGO側、JICA側双方>

  • 開発教育ファシリテーターの人材育成のメカニズムがない。

<NGO側>

  • NGOにロジを任せるのは難しい。補強なら可能。あるいは、JICAの直営事業に個人としてファシリテーターが参加するのは可能。
  • 人材育成ということで言うと、国際協力推進員や青年海外協力隊OBOGなどの国際協力経験者から育てていくことが肝要であろう。

3 今後のスケジュール

<JICA側>

  • 2月に一度開催し、過去10年の達成成果と課題を確認する。

以上