強靭なペルーを目指して−ペルーにおける防災教育強化の取り組み−

2017年8月25日

フォローアップ協力を通じたペルーの防災教育強化

2016年11月〜2017年3月、国際協力機構(JICA)は、ペルーにおける防災教育を強化するため、国立工科大学日本ペルー地震防災センター(CISMID-UNI)及び国家防災庁(INDECI)とともに、地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)「ぺルーにおける地震・津波減災技術の向上プロジェクト」(2010年3月〜2015年3月)のフォローアップ協力を行いました。同フォローアップ協力は、防災教育機材・教材の整備及び防災教育専門家の派遣を通じて、リマ市及びアレキパ市にある防災啓発センターの機能強化及び防災教育人材の育成を行うことを目的とし、(1)防災啓発センターの広報ビデオの作成、(2)防災教育機材の供与、(3)防災教育専門家派遣を通じた防災教育プログラムの開発、(4)防災教育イベントの開催、(5)防災教育教材(ガイドブック及びゲーム)の作成を行いました。

防災啓発センターの広報ビデオの作成

2016年3月、リマ市のCISMID施設内にある防災啓発センター(「ぺルーにおける地震・津波減災技術の向上プロジェクト」の一環で創設し、2015年2月にオープン)及びアレキパ市のINDECIアレキパ支部にある防災啓発センター(2011年オープン)の活動を広報するため、以下の通り、4言語(西語、英語、ケチュア語、手話)にて広報ビデオを作成しました。

CISMID、INDECI及びJICAは、それぞれのウェブサイトに同広報ビデオを掲載するとともに、防災関連セミナー・ワークショップ等で同ビデオ放映して防災啓発センターの活動を広報しています。

防災啓発センターへの防災教育機材の供与

先行して実施された「ぺルーにおける地震・津波減災技術の向上プロジェクト」において、JICAは、リマ市CISMID及びアレキパ市INDECIアレキパ支部の防災啓発センターに対して、地震・津波の発生メカニズムや耐震・免震構造等を説明する防災教育機材4-5台((注)INDECIへは4台、CISMIDへは5台)を供与しました。フォローアップ協力では、両防災啓発センターの機能を一層強化させるため、地震波実験器や大陸移動説明器等の防災教育機材12台をそれぞれに追加供与し、2016年9月、各防災啓発センターにて防災教育機材供与式を実施しました。両防災啓発センターを訪問する小中学生等は、これら防災教育機材に直接触れながら、地震・津波の発生・伝播メカニズムや建物の強度の強化など防災対策の重要性を学んでいます。

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CISMIDにおける防災教育機材供与式

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CISMID防災啓発センターに供与されたプレートテクトニクス地形模型

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INDECIアレキパ支部の防災啓発センターの展示(地球の内部構造説明器及び地殻構造説明器)

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INDECIアレキパ支部の防災啓発センターの展示(震源地説明器及び地震波実験器)

防災教育専門家の派遣を通じた防災教育プログラムの開発

2016年4月、日本国内外で防災教育を推進しているNPO法人プラス・アーツの防災教育専門家2名を招聘し、CISMID及びINDECIアレキパ支部にて、ペルーの防災教育人材の育成及び防災教育プログラムの開発を行うため、防災関連機関、教育省、保健省及び消防署の職員や学校の先生等約65名を対象にワークショップを開催しました。ワークショップにおいて、防災を楽しくかつインタラクティブに学ぶことをコンセプトに、屋内にて防災体操、身の回りの物での応急手当、紙食器づくり、マンガ教材「とっさのひとこと」、防災カードゲーム「なまずの学校」や「シャッフル」、また、屋外にて毛布担架体験、ジャッキを使った救出、消火器訓練等を体験・実施しました。その後、CISMID及びINDECIは、ワークショップで学んだ経験を活かし、ペルーの実態に合わせた防災教育プログラムを開発し、以下で紹介する防災教育イベントを開催しています。

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CISMIDにおける防災教育専門家によるワークショップの様子(ジャッキを使った救出)

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INDECIアレキパ支部における防災教育専門家によるワークショップの様子(消火器訓練)

子供向け防災教育イベントの開催

CISMID及びINDECIは、NPO法人プラス・アーツの防災教育専門家より教授され開発した防災教育プログラムを実施するため、以下の3つの防災教育イベントを開催しました。
(1)2016年6月28日:CISMID及びINDECI主催「緊急・災害時における準備のためのワークショップ」(開催場所:CISMID、参加者:リマ市サン・マルティン・デ・ポーレス地区の小学校6年生及び教員等100名
(2)2016年11月3日:CISMID主催「世界津波の日記念:緊急・災害時の準備のためのワークショップ」(開催場所:CISMID、参加者:リマ市サン・マルティン・デ・ポーレス地区の小学校6年生及び教員約75名)
(3)2016年12月18日:INDECI及びアレキパ市政府主催「防災フェア」(開催場所:アレキパ市、参加者:アレキパ市の小中学生等約200名)
これら防災教育イベントでは、防災体操、負傷者の救出・毛布担架による搬送、水消火器による的あて及び消火のためのバケツリレー等が実施されました。子供達は、興味津々に地震・津波の発生・伝播メカニズム等の話を聞き、また、楽しみながらも真剣に災害時の応急対策等を体験しました。CISMID及びINDECIは、今後も年に複数回こうした防災教育イベントを実施することを予定しています。

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CISMID防災啓発センターにおける地震波の発生・伝播メカニズムの説明

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毛布を活用して負傷者の搬送

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消火器の使い方を学ぶための水消火器を使っての的あて

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消火のための水を運ぶバケツリレー

防災教育教材の作成

2017年3月、INDECI、CISMID及びJICAは、日本の防災教育教材も参考に、一般向けに防災教育ガイドブック「地震津波に備えよ!コミュニティのための実用ガイドブック」及び防災教育ゲーム「災害に備えよ!」を作成しました。防災教育ガイドブックでは、地震や津波への備え、発生後の対応や応急措置などが分かりやすく図解されています。また、防災教育ゲームでは、地震・津波への備えや発生時の対応に関するクイズが出題され、クイズに正解すれば得点が得られるようになっており、楽しみながらかつインタラクティブに防災知識を学べるようになっています。
2017年7月、ペルー日系人協会(APJ)において、INDECI及びCISMIDとともに「防災教育教材お披露目式典」を開催し、ペルー防災関連機関、教育機関、地方自治体等の参加者に対して、防災教育教材を配布し、その使い方を説明しました。また、同教材は、CISMID及びINDECIアレキパ支部の防災啓発センターや防災教育イベント等で活用されています。

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防災教育ガイドブック「地震津波に備えよ!コミュニティのための実用ガイドブック」

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防災教育教材お披露目式典におけるINDECI(Tato)、JICA(Nippi)及びCISMID(Cismito)のキャラクター及び各機関の代表

同教材は一般向けに公開されており、以下のリンクよりアクセスが可能です。