ペルーにおける2年連続「世界津波の日」関連行事の開催-ペルーの地震分野の第一人者クロイワ教授の濱口梧陵国際賞受賞記念講演の実施-

2017年11月8日

「世界津波の日」関連行事の開催

2015年12月の国連総会において、11月5日を「世界津波の日」に制定することが採択され、「世界津波の日」のイニシアティブに賛同するペルーでは、2016年に続き2017年も、3つの関連行事(1)小中学生向け防災教育ワークショップ、2)世界津波の日式典及び地震津波避難訓練、3)世界津波の日セミナー)を行いました。「世界津波の日セミナー」では、ペルーの地震分野の第一人者であり、日系2世のフリオ・クロイワ教授が本年11月1日に濱口梧陵国際賞を受賞したことを祈念し、同教授の記念講演も実施しました。

濱口梧陵国際賞とは、1854年11月5日に和歌山県に大津波が押し寄せた際、自らの資産を投げうって村人の命を津波から守った濱口梧陵氏に由来し、津波防災をはじめとする沿岸防災技術分野で顕著な功績を挙げた国内外の個人又は団体に贈られるものです。クロイワ教授は、1961~62年に建築研究所にて地震工学コースを受講後、ペルーの大学に地震工学コースを導入・普及し、以降40年以上に亘り、ペルーのみならず、隣国の津波防災をはじめとする防災分野の研究及びコンサルティングに従事しており、こうした貢献が認められ、本年、濱口梧陵国際賞を受賞しました。

小中学生向け防災教育ワークショップの開催

11月2日、日本ペルー地震防災センター(CISMID)は、ペルーの防災教育・啓発活動を推進するため、小中学生向けの防災教育ワークショップ「世界津波の日記念:緊急災害時に備えよ!」を開催しました。2017年11月はペルー日系人協会(APJ)創設100周年記念であり、ペルー及び日本の友好関係を一層深めるため、日本人学校及びペルーの小学校(リマ市エル・アウグスティーノ地区Juan Croniqueur小学校)を招待して実施しました。

生徒達は、CISMID及びJICAのキャラクター(それぞれCismito及びNippi)とともに防災体操を行った後、3つのグループに分かれ、防災啓発センター及びCISMIDの屋内・屋外のセッションを交代で実施しました。防災啓発センターにおいては、CISMIDのスタッフより、JICAが供与した防災教育機材を活用しながら、地震津波の発生・伝播メカニズム、耐震・免震構造の揺れ方などの説明がありました。CISMID屋外のセッションでは、負傷者の救出・毛布担架による搬送が行われ、CISMID屋内のセッションでは、地震モニタリングセンター視察、防災教育ゲーム、マンガ教材「とっさのひとこと」、紙食器づくり、防災リュック準備などが行われました。生徒達は、熱心にCISMIDスタッフの話を聞き、災害に備えるための準備について積極的に質問をしたり、楽しみながらも真剣に各アクティビティに参加していました。

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JICA(Nippi)及びCISMID(Cismito)のキャラクターとの防災体操

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CISMID防災啓発センターにおける地球のしくみの説明

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負傷者の救出のデモンストレーション

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フォローアップ協力で作成した防災教育ゲーム

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地震モニタリングセンターの説明

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防災リュックの説明

「世界津波の日」式典及び地震津波避難訓練の実施

11月3日、ペルー国家防災庁(INDECI)は、海軍水利航行局(DHN)と協力し、「世界津波の日」式典及び地震津波避難訓練を実施しました。カヤオ市サンタロサ・デ・チュキート公園において「世界津波の日」式典が行われ、世界の津波犠牲者に対して黙祷及び献花が行われ、ルイス・スアソINDECI長官、カルロス・マルティネス・カヤオ市議会議員及び高木昌弘在ペルー日本大使館公使参事官が挨拶を行い、津波対策の重要性等に言及しました。その後、江口雅之JICAペルー事務所所長が「ペルーにおける地震津波減災技術の向上プロジェクト」フォローアップ協力で作成した防災教育教材(ガイドブック及びゲーム)を昨年日本で開催された「世界津波の日:高校生サミット」に参加したカヤオ市San José Hermanos Maristas高校の学生達に授与しました。

「世界津波の日」式典後、カヤオ市近郊でマグニチュード8.5の地震が発生したと想定して、地震津波避難訓練が実施されました。まずDHN国家津波警報センターが、地球物理庁(IGP)より地震発生の連絡を受け、津波の発生有無・規模を分析し、INDECIの国家緊急オペレーションセンター(COEN)に津波の発生情報を連絡し、COENは津波警報をペルー沿岸部に発出しました。国家津波警報センター内に設置されているモニターにも緊急警報放送システム(EWBS)による津波警報を受信したことが確認されました。他方で、「世界津波の日」式典の参加者は、DHN職員とともに、DHNの屋上に避難しました。

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カヤオ市サンタロサ・デ・チュキート公園のおける「世界津波の日」の式典

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江口JICAペルー事務所所長による高校生への防災教育教材の授与

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国家津波警報センターに設置されたモニターがEWBS津波警報を受信した様子

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地震津波避難訓練において、DHNの屋上に避難

世界津波の日セミナー:クロイワ教授の濱口梧陵国際賞受賞記念講演

11月8日、ペルー帰国研修員同窓会(APEBEJA)及びペルー技術者協会(CIP)とともに、世界津波の日セミナーを開催し、濱口梧陵国際賞を受賞したフリオ・クロイワ教授の記念講演を行いました。セミナーには、ペルーの防災・災害対応を所轄するホルヘ・ニエト国防大臣が出席し、クロイワ教授を祝福するとともに、ペルーの災害対策を一層強化する旨言及しました。また、CIP、APEBEJA、在ペルー日本大使館及びJICAの代表がクロイワ教授へ祝辞を述べ、ダニエル・ディアス国立電気通信訓練研究所(INICTEL)技術研究開発部長が地上デジタル放送日本方式を活用した緊急警報放送システム(EWBS)のペルーのおける実用化及び普及に向けた研究事例を紹介しました。その後、クロイワ教授は、「ペルーにおける建物・インフラの津波及び液状化リスクの削減」と題する記念講演を行い、特に津波に脆弱なカヤオ市の被災リスク及び建物・インフラの強靭化の必要性を説明しました。

また、同日、JICAペルー事務所は、クロイワ教授の濱口梧陵国際賞受賞に関する記者会見を開き、ペルーのプレス13社が参加して、インタビュー及び活発な質疑応答が行われました。ペルーにおいて、同教授の濱口梧陵国際賞受賞に関するニュースが広く報道されました。

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「世界津波の日」セミナーにおけるニエト国防大臣の開会挨拶

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クロイワ教授による濱口梧陵国際賞受賞記念講演

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「世界津波の日」セミナーの主賓によるクロイワ教授への祝福

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クロイワ教授の濱口梧陵国際賞受賞に関する記者会見の様子