ひとりで見る夢は夢でしかない。しかし、誰かと見る夢は現実だ-。

2019年5月27日

空手道親善大会 INピウラ州立 サンミゲル児童保護施設
2017年度2次隊 岩瀬さくら(青少年活動)

ピウラ州の空手道先生方他多くの方々のご協力を受け、2019年5月5日、所属先施設で空手道親善大会を開催することができました。心から感謝の意を表して、ここにご報告させて頂きます。

本大会の主旨

  • 試合に出たいという施設の子ども達の願いをかなえる/本当の空手を見てもらう(施設の子ども達に関しては道着等着用、参加費必要なし)
  • 大会の利益等はすべて施設の子ども達へ空手物品として寄付

大会までの経緯と当日

約1年前、当施設でレクリエーションの一環として空手の練習を始め、子ども達の多くが大会に出たいという希望を持っていましたが、大会出場費や道着等の獲得が困難でした。

今年2月末、地元の空手道大会でピウラ空手関係者と知り合う機会を得たため、子ども達の願いと大会主旨を伝えてみたところ、「空手家としてとても嬉しい試み。是非やろう」と、沢山の助言はもちろん、他先生方への広報や挨拶まわり同行、施設側との調整、施設での練習指導や道場への招待、メダル・賞状準備、大会前日のマット運搬や会場準備まで尽力頂きました。

当日は施設から希望者全員26名(2名辞退)、ピウラ州各道場から38名が参加。最も懸念していた施設への入退場者管理含め、皆様のご協力のお陰で、大きな怪我等なく無事終了できました。また、ピウラ周辺隊員も駆けつけてくれ、日本食や日本式賞状も実現でき、大変喜んで頂けました。

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準備から大会運営すべてを助けて下さったピウラ空手連盟の先生

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メダル準備を手伝ってくれた娘さんたち

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賞状

様々な思い出

  • 道場の練習へ向かう時の子ども達のはしゃぐ姿、普段見せない練習中の一生懸命さ。
  • 大会会場とトイレ掃除を「大会だね大会だね」と夜遅くまで、ランランと手伝ってくれた子ども達との時間。
  • 朝早くから、お揃いのTシャツを嬉しそうに着て見せに来る子ども達。
  • 必死に応援し、点が入ると皆で手をたたいて喜ぶ彼らとあの会場の空気。
  • Tシャツ1枚、拳サポーター以外のプロテクタ-無しの試合、誰一人も下がらず前に出続け、試合後にアザを誇らしげに見せに来てくれた皆。
  • 「最後まで諦めない子ども達の気合いに感動した」と伝えてくれた保護者の方。
  • 「来年も試合ある?」と目を輝かせるみんなに「うん!」と言いたくて仕方なかったこと。

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施設での練習風景

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道場での練習風景

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全然疲れてない、まだやる!と、はしゃぐ皆との会場掃除は楽しかった

その後とこれから

道着2着、帯・拳サポーター・足サポ-タ-(赤・青各1セット)、ハンドミット2個をピウラ空手の先生方より寄付してもらい、5月ピウラの大会に一人が出場できることになりました。

そして、皆、次の試合はいつか分からないけれど、施設では今も楽しく練習を続けています。

何かを練習し続けて成す、少なくとも一つを続けて前よりできるようになった、という経験は特に施設の子ども達にとって何かの自信や変化につながると信じています。本大会を1回のイベントとして終わらせず、頂いた先生方のご好意やご縁を大切に必ず今後につなげたいです。

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開会式

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当日の大会運営

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出場準備

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試合風景

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試合風景(当日の大会運営、審判、出場準備、物品貸出し等すべて皆様の協力により運営)

最後に

道場での練習後、先生がある子に「施設の子だからじゃない、来たくなった時は家と思っていつでもおいで」と声をかけて下さった。施設で孤立気味という彼女の状況を想っての言葉だったと思う。人生は素敵だと思った。そして、Believe in yourself 高校時代、空手部の恩師に頂いた言葉を子ども達にと心から思った瞬間だった。

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NGO“MUNAY PERÚ & JAPÓN”子ども達のための資金調達も兼ねた当日売店

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大会後、隊員の皆と

ご協力頂いた皆様

  • ピウラ州各地の空手道の先生方9名(大会運営、審判、引率、物品貸し出し等)
  • 参加者38名とその保護者(参加費、物品貸し出し等)
  • NGO "MUNAY PERÚ & JAPÓN"(当日の臨時売店、売り上げは施設子ども達に使用)
  • NGO代表のお母様(お揃いのTシャツ提供)
  • 施設長(4月着任)はじめ、施設メンバ-の方々(会場貸し出し、警備等)
  • JICAボランティア(柴田・嶋田・藤澤・舟橋・皆嶋隊員)
  • (当日の日本食提供、日本語での賞状名前書き、片付けなど全般)
  • JICAスタッフの皆様(大会に係る相談から記念品提供まですべて)

本当にありがとうございました。

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