日本人移住120周年記念行事 環境教育フォーラムと日本文化紹介イベント in イカ

2019年7月12日

6月23日(日)イカ州博物館において、ペルー帰国研修員同窓会(以下、APEBEJA)とJICAペルー事務所の共催で、日本文化紹介イベントが開催されました。2019年はペルー日本人移住120周年・日本ペルー交流年の節日の年でもあり、翌日24日(月)には環境教育フォーラムも実施されました。帰国研修員やイカ市民など300名以上が来場し、イベントは大盛況でした。

23日の日本文化紹介イベントはAPEBEJAのカルメン・ベラルデ会長の開会の挨拶から始まりました。今回、会場の協力をして頂いたイカ州博物館の館長であるスサナ・アルセ氏の挨拶に続き、JICAペルー事務所礒貝白日次長は、多くの人の協力のもとで、このようなイベントが開催できることに謝辞を述べました。開会式典では、APEBEJAの代表者がこれまでペルー国内でどのような活動をしてきたかについて発表がありました。

式典が終わると、会場を外に移し、柔道と空手の形の披露が行われました。地元ペルーの空手家と柔道家は、唐澤隊員と一緒に迫力のある形を披露しました。ペルーでは武道の関心が高まっている一方、実際には見たことがない人も多く、子どもたちも興味をもって見学していました。

その後、JICA海外協力隊による日本文化体験ワークショップを開催しました。ワークショップはスタンプラリー形式で、参加者は各ワークショップを回り日本文化体験を楽しみました。

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浴衣の着付け

着物という単語は聞いたことがある人もいましたが、浴衣についてはほとんどの人が初めて聞くものでした。会場は好奇心いっぱいの参加者たちであふれ、入場制限をしなくてはならないほどでした。ようやく自分の順番がまわり、着付けが終わると家族や友だち同士で記念撮影を実施。撮影背景にはAPEBEJAが用意した夜桜と竹林の二つの背景から選ぶことができ、まるで日本にいるかのような写真の仕上がりに参加者は大満足でした。

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折り紙

参加者は伝統的な鶴からハートやゲームのキャラクターまで、様々な種類の折り方の中から1種類を選び、隊員が丁寧に教えながら折っていきました。参加者たちは、一生懸命に折り、途中わからないところは隊員に聞きながら、最後まであきらめずに折ることができました。小さい子どもの中には難しくてできない!と泣き出してしまう子もいましたが、完成したものを見ると喜んで折り紙を持って帰っていました。

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茶道

茶道の成り立ちや作法を説明した後、抹茶とお菓子を振る舞いました。残念ながら和菓子の用意はできませんでしたが、ペルーのお菓子で代用しました。ペルー人にとっては砂糖が入っていないお茶はあまり馴染みがないはずですが、子どもたちの中には「おいしい」と言って飲んでいた子どももいました。茶道は家族や大切な人との交流を深める大事な時間であることを伝えると、家族を大切にするペルー人は茶道の世界にさらに親しみを持ったようでした。

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書道

漢字はペルー人にとってはまだまだ珍しく、大人気。多くの人が自分や家族の名前を書いて欲しいとブースに殺到しました。はじめに自分の名前や書きたい言葉のお手本を協力隊が書き、その後参加者に書いてもらいました。中には「鯖」という漢字を書いて欲しいという子どもがいたので、不思議に思い、理由を尋ねると「日本のアニメで鯖が好きなキャラクターがいたから」という答え。日本のアニメの人気ぶりが垣間見えました。

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豆掴み

豆掴みゲームは、1分間に箸で何粒の豆を箱から箱に移せるかを8人で競いました。最初にお箸の持ち方などを隊員が説明し、数分間練習の時間を設けました。ほとんどの人が箸を使ったことがなく、はじめはかなり苦戦していましたが、中には数分間の練習でうまくコツをつかんだ人や、日本人と同じくらい掴めている人もいました。箸はお土産としてプレゼントしたので、箸の使い方の上達が期待されます。

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日本人ペルー移住博物館

リマ市内にある日本人ペルー移住史料館の協力により、パネルや当時の貴重な移住史料の展示を行うことができました。移住史料館で活動している大野隊員から展示品についての説明が行われ、参加者は当時の様子について質問をしたり、メモを取ったりする人もいて、日本人移住の歴史について知識を深めることができました。

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翌日6月24日(月)に実施された環境教育フォーラムではJICA帰国研修員1名と関根隊員、イカ市の民間企業で農業輸出関連事業に携わる農学士1名が発表しました。イカ郡役所で活動する関根隊員はちょうど今月末に任期を満了することもあり、2年間の集大成として話をすることができました。発表後の質疑応答では、2年間活動した関根隊員への感謝の気持ちが伝えられたり、イカ州内で起きている環境問題についても議論が交わされたり、大変有意義な時間となりました。

このイベントでは、イカ地域におけるJICA事業の紹介や、体験を通して日本文化紹介をすることができ、日本に対する理解を深めてもらえる良い機会となりました。

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