ニュースリリース

インドネシア共和国向け円借款供与

−地球温暖化への対応強化に向けた新たな支援−

2009年12月10日

【写真】

調印するラフマット財務省総局長と坂本JICAインドネシア事務所長


1. 国際協力機構(JICA)(理事長:緒方貞子)は、12月10日、インドネシア共和国との間で、「気候変動対策プログラム・ローン(II)(景気刺激支援含む)」を対象として、374億4,400万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

2. インドネシアの温室効果ガス排出量は、森林喪失と泥炭地(注1)荒廃等による二酸化炭素排出を合わせると、中国、米国に次ぐ世界第3位の温室効果ガス排出国となるとのデータがあり、また、森林を含めない場合でも、ASEANで1位(全世界で11位)となっています。さらに、経済成長に伴うエネルギー需要の増加及び原油価格の高騰を受けた石炭消費量の拡大により、エネルギー・産業分野からの排出量が増加しています。したがって、将来的な温室効果ガスの排出抑制に向けた、森林面積の減少抑制や再生可能エネルギー開発、省エネルギーの推進などが急務となっています。

3. また、温暖化の影響とみられる年間降雨パターンの変化も顕著となっています。特に赤道以南の地域では、乾期の長期化と降雨量の低下、と集中豪雨の増加等、気候変動リスクが高まると予測されており、将来の気候変動に伴う災害の深刻化・発生頻度の増加は、経済活動の停滞や貧困の増加等の経済的・社会的損失を招き、同国の持続的な開発を脅かす重要なリスク要因となることが懸念されています。

4. 本円借款は、両国が気候変動問題に関する政策協議を行い、共同で設定した目標である「政策アクション」の達成を評価し、借款を供与する「政策・制度支援型借款」です。具体的な政策アクションとしては、(1)温室効果ガスの排出削減(森林保全、エネルギー多様化・効率化の推進等)、(2)気候変動への適応(統合的流域管理に向けた組織・制度整備、上下水アクセスの向上、灌漑管理・営農指導体制の強化、国家防災計画の策定、珊瑚礁保全に関する国家行動計画策定等)及び、(3)分野横断的課題(気候変動対策の実施等に係る調整枠組みの整備、国家開発計画における気候変動対策の主流化、クリーン開発メカニズム(CDM)事業の形成促進、気象観測体制の強化等)です。また、本円借款は、鳩山首相が、今後の途上国における気候変動対策支援の方針として2009年9月に発表した、「鳩山イニシアティブ」に基づく初めての具体的な気候変動対策支援です。

5. なお、本円借款は日本とインドネシアの政策協議に基づき形成されましたが、気候変動という課題のグローバル性に鑑み、日本主導の下、国際的な連携・協調案件として、フランス開発庁(Agence Francaise de Developpement)が協調融資を実施しています。

6. また、我が国は、2009年4月に開催されたロンドンサミットにおいて、世界的な金融・経済危機の下、税収減等により必要とされる内需拡大政策の実施が困難となっている国に対して景気刺激策を促すための財政支援を行う方針を表明しています。その支援策の一つとして導入された緊急財政支援円借款を、経済危機対応として、気候変動対策プログラム・ローン(II)に追加供与することでインドネシアへの景気刺激支援を行っています。

(注1)植物遺骸などによる有機物の蓄積が、微生物による有機物の分解速度を上回る場合にできる泥状の炭からなる土地

(参考)

1. 借款金額及び条件

【画像】

2. 事業実施機関
インドネシア国家開発企画庁(National Development Planning Agency)
住所:Jalan Taman Suropati No. 2, Jakarta 10310, Indonesia
TEL:+62-21-3193-6207、FAX:+62-21-392-6257

3. 今後の事業実施スケジュール(予定)
(i)事業の完成予定次期:2009年12月(貸付完了時をもって事業完成)
(ii)本コンサルティング・サービス招聘状送付予定次期
 :本事業においてはコンサルタント雇用を予定していません。
(iii)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージ入札公示
 :本事業においては、入札を伴う工事は想定されていません。