ニュースリリース

ウガンダ共和国政府向け円借款貸付契約の調印

−TICAD IV横浜行動計画の重点課題である「広域インフラ」整備を通じた経済成長と貧困削減への貢献−

2010年03月26日

【写真】

調印式の様子

1. 国際協力機構(理事長:緒方貞子)は、3月26日、ウガンダ共和国首都カンパラにて、同国政府との間で、2件、総額88億100万円を限度とする円借款貸付契約を調印しました。

2. ウガンダ国は、一人当たりGNIが約420米ドル(2008年度)であり、後発開発途上国(LDC)の一つですが、90年代より、年平均5%以上の実質GDP成長率を維持しており、安定したマクロ経済運営を行っています。同国は、国家開発計画として、2004年12月に貧困撲滅行動計画(PEAP:Poverty Eradication Action Plan)を策定し、経済成長のためにインフラ整備が不可欠であるとの認識の下、運輸交通及び電力セクター開発に取り組んでいます。2009年度ウガンダ政府予算においても、総歳出の約27%をインフラセクターに計上し、経済成長のためのインフラへの投資を重視しています。

3. 今次調印する円借款の特徴は以下のとおりです。
(1)道路改修による紛争後復興地域の物流促進、国内避難民の生計向上
ウガンダ国北部地域に位置するアティアク村からスーダン国との国境にあるニムレ町に至る既存道路の改修を行います。本地域では、反政府勢力の「神の抵抗軍(Lord’s Resistance Army)」による20年間にも及ぶ武力紛争の影響を受け、大量の国内避難民が発生しました。現在は、治安も回復し国内避難民の帰還も進んでいますが、長年の内戦の影響で、生産・生活・社会基盤の整備が遅れています。今後、帰還・定住が促進され、地域住民の生産及び経済活動が活発になるのに伴い、「アティアク−ニムレ間道路改修事業」の実施により、首都カンパラを中心とする国内及び近隣国との物流が円滑に行なわれ、地域住民の生計向上につながることが期待されます。

なお、本件は世界銀行との協調融資(パラレル)案件であり、世界銀行による支援はグル市とアティアク村間を対象としています。

(2)国際送電線の整備による安定的な電力供給強化
「ナイル赤道直下湖周辺国送電線連結事業」では、東アフリカを中心とした5ヵ国(ウガンダ共和国、ケニア共和国、ルワンダ共和国、ブルンジ共和国、コンゴ民主共和国〔DRC〕)の送電線及び変電所の建設及び拡張を通じて、域内電力融通を強化し、より安価で安定的な電力供給を支援します。電力の供給余力が生じる見込みのウガンダは、電力需要が逼迫しているケニアやルワンダ等の近隣国へ売電し収入を得ることができ、これらの国々の間での電力の相互融通が可能となります。

円借款の貸付対象はウガンダですが、アフリカ開発銀行が、ケニア、ルワンダ、ブルンジ、DRCへの支援を行なうとともに、ウガンダについても必要資金の一部の貸付を行います。そのため、本事業は、「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ(EPSA for Africa)(注)」のもとで、アフリカ開発銀行との協調融資で実施されます。

4. これら2件の事業はTICAD IV横浜行動計画において我が国が表明した「広域インフラ」への支援を行うものです。JICAはウガンダのインフラ整備を通じて、持続的な経済成長及び貧困削減促進の支援を引き続き行っていきます。

(注)Enhanced Private Sector Assistance for Africaの略称。EPSA for Africaとは、2005年に日本政府が発表した、アフリカの民間セクター開発を包括的に支援するイニシアティブ。JICAが実施する円借款については、アフリカ開発銀行との連携により5年間で10億ドルを上限として供与するとされています。ウガンダ国に対するEPSAによる協調融資は「ブジャガリ送電線網整備事業」(2007年10月)に続き2件目となります。

(参考)
借款金額及び条件

案件名借款金額
(百万円)
金利
(%/年)
償還期間(年)据置期間(年)調達条件
本体コンサルティング・サービス
アティアク−ニムレ間道路改修事業3,3950.010.014010一般アンタイド
ナイル赤道直下湖周辺国送電線連結事業5,4060.01-4010一般アンタイド
合計8,801-----

(1)アティアクーニムレ間道路改修事業
Upgrading of Atiak-Nimule Road Project
(a)事業の背景と必要性
ウガンダ国北部地域は、20年以上に及ぶ武力紛争の影響を受け、国内避難民を大量に生みました。ウガンダ国政府は2007年に「北部和平・復興・開発計画(Peace, Recovery and Development Plan for Northern Uganda:PRDP)」を発表し、その後政府及びドナーによる復興支援も始まっていますが、基幹インフラである道路状況は特に劣悪であり、復興支援活動や国内避難民の帰還先での社会経済活動の阻害要因にもなっています。

本事業対象地域の主要経済活動が農業であることも踏まえ、今後、帰還及び定住が促進され、地域住民の生産及び経済活動が活発化するのに伴い、首都カンパラを中心とする国内及び近隣国との物流が円滑に行われることは、当該地域の安定ひいてはウガンダ全体の平和に寄与することとなり、本事業の実施の意義は極めて高いと言えます。特にウガンダ国内の道路整備は、ケニアのモンバサ港、タンザニアのダルエスサラーム港から、海上輸送を両港に依存する南部スーダン、コンゴ民主共和国、ブルンジ及びルワンダへの輸送ルートを確保するという点においても重要なため、本事業により隣国との経済統合推進と経済活性化を進めていきます。

(b)事業の目的及び概要
本事業は、ウガンダ国北部地域に位置するアティアク村からスーダン国との国境にあるニムレ町に至る既存道路約36kmの改修を行うことにより、対象地域の輸送能力増強を図り、隣国との経済統合推進と経済活性化、沿線地域住民の生計向上及び貧困削減に寄与するものです。本件に係る貸付資金は、道路拡幅、舗装、排水溝設置等に必要な土木工事及びコンサルティングサービス(施工監理等)の費用に充当されます。

(c)事業実施機関
ウガンダ国道路公社(UNRA:Uganda National Roads Authority)
住所:Plot 5, Lourdel Road, P.O. Box 28487 Kampala, Uganda
Phone/FAX: +256-312-233100 / +256-414-232807

(d)今後のスケジュール
(i)事業の完成時期:2013年1月(施設供用開始時をもって事業完成)
(ii)コンサルティング・サービス(施工監理等)にかかる招請状送付予定時期: 2010年3月
(iii)本体工事に係る国際競争入札による調達パッケージの入札公示:
調達パッケージ名:アティアク−ニムレ間土木工事 Civil work for Atiak-Nimule road
入札予定時期:2010年6月

(2)ナイル赤道直下湖周辺国送電線連結事業
Interconnection of Electric Grids of Nile Equatorial Lakes Countries
(a)事業の背景と必要性
本事業対象5ヵ国(ウガンダ共和国、ケニア共和国、ルワンダ共和国、ブルンジ共和国、コンゴ民主共和国)では、電力不足に悩まされている上、発電コストが高く、電力サービスにアクセスできる人口は限られています。また、近隣国との電力融通が非常に限定的で、各国内でのみ電源開発から電力供給までを行っている現状では、電力需要が供給量を上回った場合には電力の輸入によって代替することができず、停電等を余儀なくされる状況にあります。

円借款貸付対象であるウガンダでは、現在は電力が不足しているものの、2011年にアフリカ最大級の民活電力事業であるブジャガリ水力発電所を完工予定であり、今後も同国の豊富な水力発電ポテンシャルを活用し、発電所の建設を計画しています。ウガンダ政府は、ブジャガリ水力発電所等を建設後、ケニア、ルワンダ等の近隣国における電力供給不足を背景に、同国への電力輸出の強化を計画しています。

(b)事業の目的と概要
本事業は、ウガンダ、ケニア、ルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国を連系する電力プールを整備することにより、対象各国における効率的かつ安価で安定的な電力供給を図り、もって地域統合促進及び同国の経済・社会の発展に貢献するものです。本件に係る円借款貸付資金はウガンダに供与され、ウガンダ国内の送電線及び変電所の建設及び拡張に必要な土木工事・資機材調達の費用に充当されます。

(c)事業実施機関
ウガンダ送電公社(UETCL:Uganda Electricity Transmission Company Ltd)
住所:Plot 29/33, Amber House, Kampala Road, Kampala, Uganda
TEL:256-41-233-433、FAX:256-41-341-789

(d)今後のスケジュール
(i)事業の完成時期:2014年12月(施設供用開始時をもって事業完成)
(ii)コンサルティング・サービス(施工監理等)にかかる招請状送付予定時期: 2010年4月
(iii)本体工事に係る国際競争入札による調達パッケージの入札公示:
調達パッケージ名:EPC contract for Bujagali Tororo Lessos (Uganda Part)、EPC contract for Mbarara Mirama Birembo (Uganda Part)
入札予定時期:2010年10月