ニュースリリース

パキスタン洪水被害ニーズアセスメントへの参画を決定

−建国以来最大の洪水被害に対する支援策を検討−

2010年08月26日

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洪水で崩落した橋(パキスタン政府提供)

1.7月下旬から洪水被害が深刻化しているパキスタンにおいて、JICAは、世界銀行・アジア開発銀行(ADB)が中心となって実施する洪水被害ニーズアセスメント(Damage and Needs Assessment:DNA)に参画することを決定しました。DNAは8月23日以降、10月中旬まで実施される予定であり、23日にはJICA職員が現地入りし、関係機関からの情報収集や調整等にあたっています。

2.パキスタンでは7月下旬から豪雨が始まり、北西部ハイバル・パフトゥンハー(KP)州、パンジャブ州南西部、並びにシンド州北部を中心に全国において被害が拡大しています。8月初旬1週間の降雨量はKP州の年平均降雨量の約10倍に達しました。被災者は約2,000万人(国民の約8人に1人)と言われており、8月25日時点で死者は1,542人、負傷者は2,327人、被害家屋は122万7,858戸にのぼっています。パキスタン政府は、救助活動及び食料配給等の緊急対応を行っていますが、被災者に十分な支援が行き届いていません。パキスタンでは、タリバンなどの反政府武装勢力が活動を広げていると言われており、復旧・復興の遅れによる更なる同国の情勢不安定化が懸念されています。

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橋が崩落し、交通が寸断(パキスタン政府提供)

3.そのような中、パキスタン政府の要請に基づき、世界銀行及びADBの主導のもと、各ドナーが参加するDNAが実施されることになりました。DNAは、正確な被害状況、復旧・復興ニーズの確認、支援策の検討、並びに円滑な援助調整等を目的に行われます。JICAは、被害状況を迅速に把握し今後の支援策を検討するためにDNAへの参画を決定しました。DNAでは分野別に16チームが組織され、このうち特に被害が深刻で大きな復旧・復興ニーズが見込まれる運輸、灌漑、電力、防災並びに経済の5つのチームにJICAが参画する予定です。

4.我が国は、既に総額約1,440万ドルの支援(内訳:1,300万ドルの緊急無償資金協力、約2,000万円相当の物資供与、1億円を上限としたNGOジャパン・プラットフォームを通じた支援)を表明しています。国際緊急援助隊として自衛隊のヘリコプター部隊が派遣されることも決定し、既に第一陣は21日深夜に現地入りしています。

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増水した川を渡る人々(JICAパキスタン事務所撮影)

5.テロとの戦いという国際社会の取り組みにおいて重要な役割を果たしているパキスタンの安定は、日本を含む国際社会の平和と安定にとって不可欠です。今回の洪水被害についても、JICAは緊急支援の段階から復旧・復興段階への迅速かつ切れ目ない支援を目指し、積極的にパキスタンを支援していく方針です。