ニュースリリース

ブラジル連邦共和国向け円借款契約の調印

−サンパウロ州ビリングス湖流域の環境改善に向けて−

2010年10月14日

【写真】

調印式の様子

1. 国際協力機構(JICA)は、10月14日、ブラジル連邦共和国のサンパウロ州上下水道公社との間で「ビリングス湖流域環境改善事業」を対象として、62億800万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

2. 本事業は、サンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポ市ビリングス湖北部流域の下水道を整備することにより、サンパウロ大都市圏の供給源の水質改善、流域住民の生活環境の向上、周辺の自然環境の保全を図るものです。円借款は対象地域の下水道幹線管渠やポンプ場、環境センターの建設、コンサルティング・サービス等に充当されます。

3. ブラジルでは2007年1月に国家衛生法が制定される一方で、成長加速化計画(PAC)が発表され、衛生分野への投資が優先施策のひとつとして明確に位置づけられています。サンパウロ州では、サンパウロ州上下水道公社が州内の上下水道整備の長期計画を策定しており、その中で、「ビリングス湖北部で汚水を域外移送し既設の下水処理場で処理する」という基本方針を定めています。本事業では、こうした方針の下で実施される同湖流域の下水道整備を支援するものです。

4. 同国では、上水道普及率が9割に達する一方で、下水道接続率は5割程度に留まっており、不十分な汚水処理が都市部の生活環境に悪影響を及ぼしています。特に、国内最大の人口を擁するサンパウロ州では、1970年代以降、大都市圏の主要な上水供給源のひとつであるビリングス湖において、産業発展による流域周辺の産業排水や急増した住民の未処理の生活排水の流入によって水質が悪化の一途を辿りました。州政府はこれまで水質改善などに取り組んできましたが、依然として未処理の生活排水の流入が湖水の最大の汚濁要因となっています。

また、同湖流域には天然林が広く残っており、州立・市立公園、州の保護区に指定されている区域も存在し、当該保護区には、オウギワシやクチジロペッカリー(ウシ目の哺乳類、イノシシに似た動物)など13の希少種動物が生息しています。環境保護の観点からもビリングス湖流域の水質保全は重要な課題となっています。

5. JICAは「環境」を同国の重点支援分野の一つに位置付け、環境改善に寄与する支援を継続的に行ってきています。直近の上下水道整備案件(有償資金協力)では、「パラナ州環境改善事業」(236億8,600万円)、「東北伯水資源開発事業」(35億9,500万円)、「サンパウロ州沿岸部衛生改善事業」(213億2,000万円)を実施済み、「サンタ・カタリーナ州沿岸部衛生改善事業」(144億2,600万円)を実施中です。

6. 1908年に日本から移民の方々が笠戸丸でブラジルに渡ってから、既に100年以上が経ちました。2008年にはブラジル日本人移民百周年を迎え、現在ではブラジルの発展に貢献する優れた人材も輩出されています。ブラジルの日系社会約150万人の半数以上が暮らし、日本人移住の歴史をその地に刻んできたサンパウロ州は日本にとって非常になじみの深い都市となっています。かの地で実施される本事業は、日本とブラジルの友好関係の強化にも貢献することが期待されます。

(参考)
1. 借款金額及び条件

案件名借款金額
(百万円)
金利
(%/年)
償還期間(年)据置期間(年)調達条件
本体コンサルティング・サービス
ビリングス湖流域環境改善事業6,2081.20.01257アンタイド


2. 事業実施機関
サンパウロ州上下水道公社
(Companhia de Saneamento Basico do Estado de Sao Paulo -SABESP)
住所:Rua Costa Carvalho, 300, Sao Paulo/SP CEP 05429-000, Brazil
電話/ファクシミリ: (55-11) 3388 8247


3. 今後の実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成時期:2016年7月(コンサルティング・サービス完了時)
(2)コンサルティング・サービス(施工監理等)契約締結予定時期:2010年第4四半期 
(3)本体工事に係る国際競争入札による調達パッケージ入札公示:
調達パッケージ名:土木工事(Civil Works)予定時期:2010年第4四半期
:コンサルティング・サービス 予定時期:2010年第3四半期