ニュースリリース

米州開発銀行と気候変動対策に向けた覚書を締結

−中米・カリブ地域向け協調融資枠組みを創設−

2011年01月14日

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覚書に署名した緒方理事長(左)とモレノ総裁(右)

国際協力機構(JICA)は、1月14日、米州開発銀行(Inter-American Development Bank: IDB)(注)と、中南米・カリブ地域における気候変動対策に向けた覚書に署名しました。署名は、JICA東京本部にて、緒方貞子JICA理事長と訪日中のルイス・アルベルト・モレノIDB総裁との間で行われました。

今回の覚書は、2009年3月31日に締結された、中南米・カリブ地域の持続的な経済成長、環境改善に向けた連携協力を推進するための業務協力協定に基づき、気候変動緩和策に向けた具体的な取り組みとして、(1) IDBおよびJICAによる中米・カリブ地域向けの協調融資枠組みの創設、(2) IDBに設立されるエネルギー・イノベーション・センターを通じた技術協力等を推進するための連携枠組みを定めるものです。

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IDBのルイス・アルベルト・モレノ総裁

上記(1)の中米・カリブ地域向けの協調融資枠組みの創設は、再生可能エネルギーおよび省エネルギー分野向けに5年間で計3億ドルを上限とする円借款の協調融資を目的としています。中米・カリブ地域は、気候の変化による災害発生が顕在化し、今後も気候変動による深刻な影響が懸念されていますが、主に化石燃料の輸入によって発電を行っており、温室効果ガス削減に向けた取り組みの余地が大きいとされています。また、本協調融資枠組みの活用により、燃料輸入に依存する中米・カリブ諸国の国際収支構造の改善を通じた経済社会開発効果も期待されます。

上記(2)のエネルギー・イノベーション・センターを通じた技術協力は、古くから同地域への開発協力に中心的な役割を果たしてきた地域開発銀行であるIDBと連携しながら、再生可能エネルギーおよび省エネルギーの分野におけるIDBおよびJICAの知見の共有、中南米諸国の同分野における能力向上に向けた取り組みへの協力等を通じて、同地域への開発協力の効果を高めることを目的としています。

中南米地域全体における温室効果ガスの排出量は全世界の12%ですが、全世界に占める同地域の人口(8.2%)およびGDP(8.6%)の比率に比べると高く、一人当たりの温室効果ガス排出量や、GDPと温室効果ガス排出量の比較では、中国、インド等を大きく上回っています(2008年)。うち中米・カリブ地域については、全世界における温室効果ガス排出量の約3%を占めており、気候変動による影響は2020年までに0.5度、2040年までに1度の気温上昇が予測されている等、気候変動の影響への危機感は強くなっています。JICAは、中南米・カリブ地域への経済社会開発に協力を行ってきていますが、同地域における気候変動に向けた取り組みについても、本覚書を通じてさらに注力していく方針です。

(注)IDBは、中長期貸付、出資、保証、無償資金協力および技術協力を通じて中南米・カリブ地域への開発協力を行っている地域開発銀行であり、JICAとは、これまでも協調融資や技術協力連携の実績が多数あります。