ニュースリリース

インドネシア共和国向け円借款契約の調印

−地球に優しい再生可能エネルギーである地熱発電事業を支援−

2011年03月30日

1. 国際協力機構(JICA)は、3月29日、インドネシア共和国との間で「ルムットバライ地熱発電事業」を対象として、269億6,600万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

2. 本事業は、南スマトラ州ムアラエニム県において地熱発電所を建設しスマトラ系統に接続することにより、同系統における電力供給の安定性の改善を図り、民生の向上、投資環境の改善等を通じたスマトラ地域の経済発展及び再生可能エネルギー開発の促進による地球環境負荷の軽減に寄与するものです。借款資金は土木工事(地熱発電所建設等)及びコンサルティング・サービス(詳細設計、入札補助、施工監理支援、環境管理補助等)に充当される予定です。なお、本事業ではクリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism: CDM)事業登録も視野に入れた検討がなされる予定です。

3. 2010年のスマトラ島の電力ピーク需要は3,743MWですが、経済成長に伴う電力需要の増加により、2015年までに年平均約10.7%で伸び、6,219MWに達する見込みとなっています。一方で、2010年のスマトラ島における発電設備容量は4,572MWであり、今後見込まれる既存電源設備の老朽化による運転停止等を考慮すると、新たな電源開発が急務となっています。また、インドネシア政府は、増大する電力需要の伸びに対応すると共に、気候変動に対する主要な緩和策の一つとして、再生可能エネルギー開発の促進を含むエネルギー多様化政策を進めており、2025年に、水力・地熱・バイオマスといった非化石燃料で一次エネルギーの15%以上を賄うことを目標としています。加えて、インドネシアは世界最大の2万7,000MWの地熱発電ポテンシャルを持つと言われており、2010年から2014年の間に新規開発する1万MWの新規電源開発計画のうち、約4割を地熱発電により賄う目標を定めています。本事業はこれらの計画に貢献するものです。

4. なお、同国の地熱分野については、JICAはこれまで、地熱発電開発計画の策定に対する技術協力のほか、本事業のような円借款を通じ、インドネシア国有電力会社、国有石油会社などによる公共事業としての地熱発電所建設に対して支援を行ってきました(注1)。他方、拡大する電力需要に応えるためには、政府部門による事業だけでは電力量が大幅に不足するため、民間による発電事業の推進も急務となっています。しかし、2,000メートルにも及ぶ深さの井戸を掘って初めて発電に十分な資源(水蒸気、熱水)の有無が確認できるという開発リスクの高さや、低い電力買取価格により採算が合いにくいといった事情から、これまでは民間事業者の参入は十分に進んでいませんでした。そこで、JICAは「気候変動対策プログラム・ローン」(注2)などを通じた再生可能エネルギー開発に関する政策対話のほか、政策支援の一環として、民間事業者による地熱発電開発促進につながる同国の制度改善のための調査を、インドネシア政府と共に実施するなど(注3)、同国における地熱発電開発を様々な面から支援しています。


(注1)円借款により、ラヘンドン地熱発電所拡張事業(2003年度)、ウルブル地熱発電所建設事業(2004年度)、カモジャン地熱発電所拡張事業(E/S)(2005年度)を支援してきています。

(参考)
1. 借款金額及び条件

案件名借款金額
(百万円)
金利
(%/年)
償還期間(年)据置期間(年)調達条件
本体コンサルティング・サービス
ルムットバライ地熱発電事業26,966
0.30.014010アンタイド

気候変動対策に資することから、「気候変動対策円借款」の優遇供与条件を適用。

2.事業実施機関
国有石油会社(PT.Pertamina)
住所:PT. Pertamina (Persero) Head Office, Jl. Medan Merdeka Timur 1A Jakarta 10110
TELL:+62-21-3815111、FAX:+62-21-3846865)

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
(1) 事業の完成予定時期: 2014年10月(施設供用開始時をもって事業完成)
(2)コンサルティング・サービス(詳細設計等)にかかる招請状送付済  
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
調達パッケージ名:発電所、蒸気収集・還元設備パッケージ(Power Plant and FCRS)
予定時期:2011年10月