ニュースリリース

2011年度第1四半期における無償資金協力の贈与契約の締結について

2011年08月15日

国際協力機構(JICA)は、2011年度第1四半期(2011年4月〜6月)において、計26件の無償資金協力の贈与契約(G/A)に調印しました。

案件の一覧については、添付情報をご覧下さい。今般調印した主な案件の特徴は以下の通りです。

1. ザンビアでは都市化の進展に伴い、未計画居住区における水の供給が問題となっています。2010年に発行された、世界保健機構(WHO)とユニセフの「水と衛生 共同モニタリング・プログラム(JMP)」レポートによると、66パーセントもの住民が安全な水の供給を受けていません。

都市人口が増えるなか、貧困層に対して安全な水へのアクセスを高めることが急がれますが、ザンビアの都市の上水道施設は1964年の独立以前に建設されたものも多く、こうした古い施設では漏水などの故障が頻発し、安全な水が十分行きわたらない大きな原因となっています。

ザンビア第三の都市であるコッパーベルト州ンドラ市(人口約48万人)は、主要産業である銅生産の中心地として経済的に重要な都市です。今後も人口の増加が見込まれていますが、特に市の南部には貧困層が多く生活しており、郊外に向けて都市化が広がる中で上水道の整備が遅れているほか、既存施設の老朽化とあいまって給水状況の劣悪な地域が広く存在しています。

このような状況を受け、JICAは「ンドラ市上水道改善計画」にかかる無償資金協力の贈与契約に2011年6月29日に調印しました(贈与契約額:21億1,600万円)。

本計画は、老朽化の著しいンドラ市カフブ浄水場及び市内の送配水管の改修、給水が困難な貧困層の居住地区における公共水栓の建設、水質検査機材の設置を通じて、ンドラ市の給水人口及び給水時間の増加を図るものです。老朽化した施設の機能が回復し安全な水の給水量が増加することで、対象地域の生活環境と衛生環境が改善されることも期待されます。

本計画の実施機関であるカフブ上下水道公社は、東日本大震災の発生後すぐに、日本に対するお見舞いのカードをJICAザンビア事務所とJICA本部に届けてくれました。世界に散らばる日本の友人たちへの支援としても、本計画の実施を通じてザンビアの安全な水へのアクセス率が向上することが期待されます。

2. 中米地域では毎年のように土砂災害や洪水被害が発生しています。なかでもホンジュラス共和国では1998年にハリケーン・ミッチが襲来し、1万3,000人を超える死者/行方不明者を出し、国土のほぼ全域で道路網が寸断されるなど、甚大な被害をもたらしました。

これに対し日本政府・JICAは、2001年度に開発調査「首都圏洪水・地滑り対策緊急計画調査」を実施し、ハリケーン・ミッチにより被害を受けたホンジュラス首都圏の災害対策マスタープランを策定しました。首都のテグシガルパ市は、傾斜地の多い盆地に広がる都市のため、元来、自然災害に対して脆弱です。さらに、近年顕著となっている地方からの流入者は自然災害の危険性が高い地域に居住せざるを得ないことが多く、災害のリスクが一層高まっていると言えます。

ホンジュラス政府や同市では、このマスタープランで提言された対策に取り組んでいます。しかし、地滑りに関する正確な知識や適切な技術の不足、財政的な制約などから、十分な対策が取られているとは言えず、日本への支援要請が改めてなされました。これを受け我が国は、首都圏の地滑り対策を行う協力の実施を決定しました。JICAは、同決定を受けて「首都圏地滑り防止計画」(10億9,600万円)に関する無償資金協力の贈与契約に2011年6月16日に調印しました。

この計画は、ハリケーン・ミッチにより大規模な地滑りが起きた首都圏の2地区に対して、地滑り防止施設を敷設するものです。同時に、施設の維持管理やモニタリング体制、地滑り防災啓発の普及に関する支援を行います。これらにより、地滑りによる冠水等の二次災害の発生リスクを軽減するとともに、市役所等防災対策関係機関の対応能力の向上を目指します。

啓発活動等の実施にあたっては、中米6ヵ国を対象としてJICAが実施中の技術協力プロジェクト「中米広域防災能力向上プロジェクト」の活動との連携を予定しています。プロジェクトとの連携により、同市やコミュニティにおける地滑り防災能力の向上に向けた取り組みが、同じ課題を有する中米の他の国とも共有されることが期待されています。