ニュースリリース

チュニジア共和国向け円借款契約の調印

−地域間格差の是正や雇用増大に向けた、革命後初の円借款−

2012年02月17日

【写真】

調印式の様子

1.国際協力機構(JICA)は、2月17日、チュニジア高速道路会社(STA)との間で「ガベス〜メドニン間マグレブ横断道路整備事業」を対象として、150億8,400万円を限度とする円借款貸付契約を、また水資源開発公社(SONEDE)との間で「地方都市給水網整備事業」を対象として、60億9,400万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

2.チュニジアは、第11次5ヵ年経済開発計画(2007〜2011年)に基づき、政府の開発戦略として、一人当たりの収入増加と失業率の低下、人間開発指標の改善、中間層への支援と貧困削減を掲げ、雇用の創出、投資拡大および起業支援、競争力強化およびバランスの取れた経済発展に取り組んできました。

2011年1月の革命を経て、同年10月に制憲国民議会選挙を実施し、同年12月に新暫定政権が発足し、地域間格差是正、雇用創出、投資拡大等が重要な課題となっています。
今次の円借款貸付契約は、2011年1月の革命後、同国を対象として調印される初めての円借款となります。

3.今次調印する円借款の特徴は以下のとおりです。
(1)ガベス〜メドニン間マグレブ横断道路整備事業
マグレブ横断道路(カイロ-アガディール間)の建設構想は1995年に始まり、対象国(エジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコ)により整備が進められています。
本事業は、チュニジアを縦断するマグレブ横断道路の1区間をなす、高速道路1号線のうち、ガベス〜メドニンの区間、約84キロメートルを整備するもので、輸送能力増強および沿線地域住民の経済・社会的サービスへのアクセス向上を図るとともに、チュニジア南部はもとより、北アフリカ諸国への貿易・流通の一層の活性化と輸送の効率化が期待されています。

(2)地方都市給水網整備事業
チュニジア全国20県の地方都市にある計32ヵ所の既存給水施設を改善することにより、将来の水需要に対応する供給能力の向上、安定性の向上を図り、もって地域経済の活性化、地域住民の生活環境改善に寄与するものです。事業完成2年後の目標値は、給水対象人口が計223万5,000人、1日当たり給水量が29万7,000立方メートルです。

4.JICAはチュニジアのより一層バランスのとれた経済・産業発展に資するべく、地域間格差の是正、産業競争力の強化、持続的な地域開発等への支援を引き続き行っていく方針です。

(参考)
借款金額および条件

案件名借款金額
(百万円)
金利
(%/年)
償還期間(年)据置期間(年)調達条件
本体コンサルティング・サービス
ガベス-メドニン間マグレブ横断道路整備事業15,0840.950.01206一般アンタイド
地方都市給水網整備事業6,0940.95206一般アンタイド


(1) 「ガベス〜メドニン間マグレブ横断道路整備事業」
Gabes-Medenine Trans-Maghrebin Corridor Construction Project

(a) 事業の背景と必要性
チュニジアは、EU・地中海諸国自由貿易圏創設に向けて、モロッコ、エジプト、ヨルダンと自由貿易に関するアガディール協定を締結するなど、輸出産業の育成と民間投資誘致を目指した経済基盤整備を進める一方、持続的成長を確保し都市と地方(特に南部)との格差を解消するためのインフラ整備を重要な課題としています。道路セクターへの予算は、第10次5ヵ年計画(2002〜2006年)では15億5,800万ディナール(約935億円)でしたが、第11次5ヵ年計画(2007〜2011年)では20億5,700万ディナール(約1,234億円)へと約1.3倍に増額しています。

既存の国道1号線は、同国の重要な幹線道路で交通量(特に大型トラック等の商業車)が多く、同国道は片側1車線の一般道路であり、リビアとの国境地帯を含むチュニジア南部地域の経済活動の活発化に伴って交通量は増加しており、交通事故、輸送時間の増加等の問題が懸念されています。

(b) 事業の目的および概要
本事業は、既存の国道1号線に代替する高速道路1号線を整備する事業の一部として、チュニジアを縦断するマグレブ横断道路の一部をなす、ガベス〜メドニン間を整備することにより、輸送能力増強および沿線地域住民の経済・社会的サービスへのアクセス向上を図り、もって周辺地域の経済活動の発展及び沿線地域住民の生活環境改善に寄与するものです。

本件にかかる貸付資金は、上記区間において、片側2車線の高速道路、インターチェンジ、橋梁、跨道橋、その他構造物を建設するための土木工事、資機材調達、コンサルティング・サービスに充当されます。

(c) 事業実施機関
チュニジア高速道路会社(Societe Tunisie Autoroutes:STA)
住所:Imm. “Le Petit Palais” Zone B Les Berges du Lac, 2045 Tunis, Tunisia
TEL : +216-71-960-606  FAX : +216-71-960-602

(d) 今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期:2016年7月(施設供与開始時をもって事業完成)
(2)コンサルティング・サービス(施工監理等)にかかる招請状送付予定時期:2012年6月
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示
調達パッケージ名:パッケージPK0-21, PK21-42, PK42-46, PK63-84 (Package PK0-21, PK21-42, PK42-46, PK63-84)
予定時期:2012年6月

(2) 「地方都市給水網整備事業」
Local Cities Water Supply Network Improvement Project

(a) 事業の背景と必要性
チュニジアは、国土の半分が半乾燥気候条件下にあり、国土全域の年間平均降雨量が500ミリと非常に少なく、さらに降雨量、年間利用可能表流水量の国内の地理的偏りも著しいものがあります。したがって、チュニジアにとって、限られた水資源の効率的な開発と適切な管理は、極めて重要な開発課題であります。

チュニジア政府は飲料水給水網、供給量の拡大を実施し、2007年までに農村部においては給水率92.1パーセント、都市部においては給水率100パーセントを達成していますが、今後、都市部における人口増加や、農業、工業、観光セクターの拡大により、さらなる水需要の増加が見込まれていること、既存の給水施設が老朽化していることを踏まえ、引き続き安定的な供給を実現するため、設備改善への取り組みが緊急の課題となっています。第11次5ヵ年社会経済開発計画(2007〜2011年)では、増加する水需要に対する供給能力の強化や、導水網・給水網の敷設、地方における給水率の向上、技術・事務面におけるマネージメントの向上等が目標として掲げられています。

(b) 事業の目的と概要
本事業は、第11次5ヵ年社会経済開発計画の中でも優先事業に掲げられているチュニジア全国の地方都市の既存給水施設、計32ヵ所を改善することにより、将来の水需要に対応する供給能力の向上、安定性の向上を図り、もって地域経済の活性化、地域住民の生活環境改善に寄与するものです。

本件にかかる貸付資金は、チュニジア全国における既存給水施設の改修・拡張のための土木工事、資機材調達に充当されます。

(c) 事業実施機関
水資源開発公社(Societe Nationale d'Exploitation et de Distribution des Eaux:SONEDE)
住所:2, Avenue Slimen ben Slimen, El Manar II, Tunis, Tunisia
TEL : +216-71-493-700  FAX : +216-71-484-603

(d) 今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期:2018年1月(施設供与開始時をもって事業完成)
(2)コンサルティング・サービスにかかる招請状送付予定時期:本事業においてはコンサルタント雇用予定なし。
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示
原則として国内競争入札にて行われる予定。但し、一部の資機材調達(ダクタイル鋳鉄管)については、国際競争入札を実施する予定。
調達パッケージ名:ダクタイル鋳鉄管(Supply of DCIP)
入札公示予定時期:2012年9月