ケニア共和国向け円借款貸付契約の調印

−東アフリカの玄関口におけるインフラの整備を通じ、広域輸送網の効率化に貢献−

2012年6月4日

署名後、握手を交わす田中明彦JICA理事長(左)とロビンソン・ンジェル・ギタエ財務大臣

国際協力機構(JICA)は6月2日、ケニア共和国の首都ナイロビ市にて、同国政府との間で「モンバサ港周辺道路開発事業」を対象として、276億9,100万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

本事業は、東アフリカの物流拠点であるケニアのモンバサ港周辺において、新コンテナターミナルから北部回廊(注)に接続する道路およびモンバサ湾の南部へ通じる道路を建設するものです。モンバサ港を中心とする物流の円滑化を図り、同国のみならず近隣諸国を含む地域全体の経済社会発展に寄与することを目的としています。
 
本事業で建設する道路の一部区間は、2007年度に円借款を供与した「モンバサ港開発事業」で建設される新コンテナターミナルに接続します。モンバサ港周辺においては現時点でも慢性的な道路渋滞が発生していますが、新コンテナターミナル建設が完工すれば、貨物取扱量の増加に伴い、渋滞がさらに深刻化することが見込まれます。また、港を含むモンバサ中心部から市の南部への移動手段は現状では海峡を渡るフェリーのみのため、タンザニア方面への物流や市南部地域の開発の障害となっています。本事業によって関連道路を整備することにより、ケニア国内および東アフリカ諸国への円滑な物流が促進されます。また、地域全体の国際競争力の強化に貢献するとともに、同国の推進する経済成長を通じた貧困削減に大きく寄与することが期待されています。見込まれる成果の一つとして、今まで市の北部から南部までの移動所要時間が約70分であったところ、本事業を建設することにより約17分まで短縮することが可能となります。

JICAは、ケニアにおいて技術協力「道路メンテナンス業務の外部委託化に関する監理能力強化プロジェクト」も実施しています。円借款事業完工後の維持管理の段階においては、この技術協力プロジェクトで策定支援した道路維持管理に関する「積算マニュアル」や「標準契約書類」を活用していきます。

2008年に開催された第4回東京アフリカ開発会議(TICAD IV)において、日本政府は広域運輸インフラの整備を重点的に支援していく方針を掲げました。JICAはこうした日本政府の方針を踏まえ、「成長の加速化」に資する広域輸送インフラ案件の支援を推進していく方針です。

(注)モンバサ港を玄関口とし、ケニアの首都ナイロビを経て、ウガンダの首都カンパラ、さらにはウガンダ、ブルンジまで至る東アフリカで最大の輸送量を誇る経済回廊。

【参考】
1. 借款金額および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
モンバサ港周辺道路開発事業 27,691 1.20 0.01 30 10 一般アンタイド

2. 事業実施機関
ケニア高速道路公社(Kenya National Highways Authority)
住所: Bluesheild Towers, Hospital Road, Upper Hill, P.O. Box 49712 00100 Nairobi
電話: +254 020 8013842

3. 今後の実施スケジュール(予定)
(1) 事業の完成予定時期:2018年8月(施設供用開始時をもって事業完成)
(2) コンサルティング・サービス(詳細設計等)にかかる招請状送付予定時期:2012年6月
(3) 本体工事にかかる国際競争入札による調達パッケージの入札公示:
調達パッケージ名:土木工事 (3パッケージでの調達を予定)、予定時期:2013年11月