ブラジル連邦共和国向け円借款契約の調印

−ベレン都市圏の交通渋滞を緩和、温室効果ガスの排出抑制にも貢献−

2012年9月4日

調印後、握手を交わすシモン・ホビソン・オリベイラ・ジャテーネ・パラ州知事(左)と堂道秀明JICA副理事長

国際協力機構(JICA)は、9月4日、ブラジル・パラ州政府との間で「ベレン都市圏幹線バスシステム事業」を対象として164億1,100万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

本事業は、ブラジルの北部に位置するパラ州のベレン都市圏において、幹線バス交通システムの整備を通じて、これまで悪化の一途をたどってきた同地域の交通渋滞および大気汚染の緩和を図ることによって、地域住民の生活環境の改善に貢献するものです。また、本事業は温室効果ガスの排出抑制にも貢献することから、気候変動の緩和効果が期待されます。円借款資金は、既存道路の改修によるバス専用道路やバスレーンの導入およびコンサルティング・サービスなどに充当されます。

ベレン都市圏は、200万人以上の人口を擁し、商業の中心であるベレン市から周辺のアナニンデウア市方面にかけて市街地が拡大していますが、主要幹線道路におけるバスや乗用車の交通量増加に伴い、交通渋滞が年々悪化しています。同都市圏では、唯一の公共輸送手段であるバスが主要な移動手段となっていますが、29の民間バス会社のすべてが、中心街に向かう主要幹線道路を経由する経路でバスを運行しています。過剰な数のバスが幹線道路を占有するなど、円滑な運行システムが確立されておらず、交通渋滞の主要要因となっています。また、同都市圏における窒素酸化物(NOX)や二酸化炭素(CO2)などによる大気汚染についても、特に交通量の多い主要幹線道路において高い数値が検出されており、環境負荷の軽減に向けた対応が必要となっています。

こうした状況を受け、パラ州政府は、ベレン都市圏の交通渋滞緩和策として、2008年に「大都市圏アクション計画(Açao Metrópole)」を策定し、道路整備とともに幹線バスシステムの導入による都市交通システムの整備を図ることとしました。同計画は、JICAが1989年より支援してきた、ベレン市都市交通計画に係るマスタープランや事業可能性調査などをベースに策定されたものです。本事業は、同計画で幹線バスシステムについて計画されている18路線のうち、最も重要な3路線を借款資金で整備します。パラ州とJICAの20年以上にわたる取り組みが、本事業の実施によりようやく具体化されることになります。

本事業は交通渋滞を改善するばかりでなく、概算5万トン/年の温室効果ガスの削減が得られ、気候変動の緩和にも貢献します。パラ州政府は将来的には本事業のクリーン開発メカニズム(CDM)化の可能性を検討中であり、仮にCDM化の方針が決定されれば、JICAはその実現に向けて、パラ州に対し当該分野に関係する技術協力や有償資金協力専門家の派遣などを支援する予定です。

(参考)

1.借款金額および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
ベレン都市圏幹線バスシステム事業 16,411 0.50 0.01 30 10 一般アンタイド

1.事業実施機関
パラ州 (Estado do Pará)
住所: Av. Gentil Bittencourt, 1539
CEP 66040-172
Belem, Pará, Brasil
Tel/Fax: +(55-91) 3110-8453

3. 今後の事業実施スケジュール(予定)
(1) 事業の完成予定時期: 2016年9月(施設供用開始時をもって事業完成)
(2) コンサルティング・サービス(詳細設計、入札補助、施工監理など)に係る招請状送付予定時期: 2012年12月
(3) 本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
調達パッケージ名:(本事業では2パッケージでの調達を予定)
予定時期: 2014年8月