生物多様性条約第11回締約国会議(COP11)が閉幕

2012年10月22日

生物多様性条約第11回締約国会議(COP11)が、10月8〜19日の期間、インドのハイデラバードで開催されました。

連日たくさんの人が訪れたJICAブース

本会合では、一昨年、名古屋で開催されたCOP10において議決された愛知目標の進捗や資源動員戦略、名古屋議定書の状況、海洋・沿岸の生物多様性、多様な主体の参画等、広範な分野について議論されました(注1)。

16日から始まった閣僚級会合の冒頭演説では、長浜博行環境大臣が愛知目標達成のために行動を起こすよう呼びかけました。

JICAでは生物多様性の主流化に向けた取り組みを実施しており、例えば、コスタリカで実施した技術協力プロジェクト(注2)では、地域住民と協力した保護区管理や環境モニタリングの立ち上げ保護区当局と共に取り組んできました。

本会議においても、JICAは日本の二国間援助機関として、日本の経験やこれまでの事業を通じた現場の知見を踏まえ、さまざまな形で議論に参加しています。

ITTOのイベントで開会挨拶を行う江島所長

10日に、国際熱帯木材機関(ITTO)、Bird Life Internationalと共催のサイドイベントでは、江島真也JICAインド事務所長が開会挨拶、米田政明JICA国際協力専門員がマレーシアBBEC(注3)の事例をあげて、生物多様性保全における協働アプローチの重要性の発表を行いました。また12日には、一般社団法人自然環境共生技術協会主催のサイドイベントにおいて、JICAの自然環境分野の協力概要の報告とミャンマーの事例紹介の報告を行いました。

サイドイベントで発表するコスタリカ環境エネルギー通信省アナ・ロレーナ・ゲバラ副大臣

15日には、JICA主催で、「コスタリカにおける生物多様性をベースとした国づくりの試みと、JICAの国際協力」と題したセミナーを実施しました。コスタリカからは、環境エネルギー通信省副大臣をはじめ3人が参加し、生物多様性や環境保全をどのように国の開発につなげていくかという政策、生物多様性保全行政を参加型で進めていくシステムの紹介、そして、研究機関としてのNGOが果たす役割等を紹介しました。また、JICAは、このような先駆的なコスタリカの取り組みを他の国でも活用するためのナレッジ・マネージメントの重要性と、それに関連したプロジェクトの計画を紹介しました。会場には開催国のインドをはじめ、多くの参加者が来場し、質疑応答では、ナレッジの活用を促す方法に関して、また、コスタリカからインドへの協力の可能性等の質問が活発に行われ、コスタリカでの取り組み、そして、それを共有していこうとしているJICAの協力に対する興味の高さが確認できました。

このほか、ブース展示も実施しており、一般の来場者に対してJICAの取り組みを紹介しました。

COPへの参加を通じ、JICAに対する国際社会や開発途上国の期待が大きいことを改めて認識しました。今後は、COPでの決議事項もふまえ、効果的かつ戦略的に生物多様性分野の協力を展開していきます。


(注1)COP10では、2011〜2020年の新たな世界目標である「愛知目標」、「遺伝資源への“アクセス”とその利用から得られる“利益の配分”(ABS)」に関する「名古屋議定書」の締結や「SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ」等の採択といったさまざまな成果が実りました。
(注2)バラ・デル・コロラド野生生物保護区における住民参加型管理プロジェクト
(注3)ボルネオ生物多様性保全・生態系保全プログラム(Bornean Biodiversity & Ecosystems Conservation Programme)の略称。BBECでは、サバ州政府やサバ大学(マレーシア連邦機関)を主なカウンターパート(協働実施機関)として、貴重なボルネオの生物多様性・生態系を組織的かつ長期的に保全する仕組み作りを支援しました。