モザンビーク共和国向け円借款契約の調印

−ナカラ港改修を通じて南部アフリカ地域の経済成長に貢献−

2013年3月7日

国際協力機構(JICA)は、3月7日、マプトにてモザンビーク共和国政府との間で「ナカラ港開発事業(I)」を対象として78億8,900万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

調印式の様子

本事業は、ナカラ港の施設改修を通じて、モザンビーク北部の輸出入拠点である同港の荷役生産性を向上させること、ひいてはモザンビーク北部からマラウイ、ザンビアへ至るナカラ回廊における経済開発、貧困削減に貢献することを目的としています。本件にかかる貸付資金は泊地浚渫(しゅんせつ)、アクセス道路の建設、ヤードの舗装等に係る土木工事、港湾荷役機材の調達およびコンサルティング・サービス(詳細計画、入札補助、事業全体管理、施工監理)費用等に充当されます。 

モザンビークの主要商業港であるマプト、ベイラ、ナカラのうち、ナカラ港は現状では貨物取扱量およびコンテナ取扱量において同国3位ですが、現水深が14メートルと深いアフリカ南東部随一の天然の良港で、約5,200万人の人口を擁するナカラ回廊地域のゲートウェイとなっていくことが期待されています。同地域では、近年、原料炭、天然ガス等の鉱物資源が発見され、また高い農業ポテンシャルが確認されており、これらを中核に経済活動が活発化している中、貨物量も大幅に増加しており、2030年には現在の10倍となることが予想されています。この貨物量の大幅な増加に対応するためには、老朽化した現行の港湾施設の改修と、港湾荷役の効率性の向上が急務となっています。

本事業の実施により、2019年に貨物量473万8,000トン、コンテナ貨物量23万4,000TEU(Twenty-foot Equivalent Unit、20フィートコンテナ換算)と、いずれも現在の約3倍となることが予測され、船舶滞在時間毎の年間平均コンテナ貨物量(TEU/時間)、岸壁荷役作業時間毎の年間平均コンテナ貨物量(TEU/時間)についてもそれぞれ24TEU、29TEUと現状の3倍以上になることが予測されており、地域物流の改善に大きく貢献することが期待されています。わが国は、同港に対して、本円借款事業のほか、2012年4月より円借款付帯プロジェクト「ナカラ港運営改善プロジェクト」を実施し、同港の機能向上のための人材育成を行っているほか、無償資金協力「ナカラ港緊急改修計画」を2012年12月に合意署名し、本円借款に先駆け実施すべき緊急の改修を行う計画です。

また、ナカラ回廊地域では「ナカラ回廊経済開発戦略策定支援プロジェクト(開発調査型技協)」を通じ、同地域の包括的な開発計画の策定を支援しているほか、日本ブラジルモザンビーク三角協力によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発プログラム(ProSAVANA-JBM)を通じた農業開発支援のための協力や、「ナンプラ・クアンバ間道路改善事業(円借款)」、「イレ・クアンバ間道路橋梁整備詳細計画策定(無償資金協力)」、「ナンプラ中学校改善計画(無償資金協力)」等の社会・経済インフラ整備事業を有機的に連携させ、産業開発・雇用促進を通じた地域開発への貢献を進めています。

本事業が実施されるナカラ港からザンビアの首都ルサカまでの道路舗装が2018年には完了することが計画されている中、同港が地域の貿易の拠点として、南部アフリカ地域の経済成長と経済統合に貢献することが期待されています。

(参考)

1.借款金額および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
ナカラ港開発事業(I) 7,889 0.01 0.01 40 10 一般アンタイド

2.事業実施機関
モザンビーク運輸通信省(Ministry of Transport and Communications)
住所:Av. Mártires de Inhaminga 336, Maputo, Mozambique
TEL:+251-21-359-841、FAX:+251-21-359-841

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期:2017年5月(施設供用開始時をもって事業完成)
(2)コンサルティング・サービス(詳細設計等)にかかる招請状送付予定時期:2013年3月
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示
調達パッケージ名:フェーズ1に係る土木工事パッケージ(Construction work for Phase I)
予定時期:2014年1月