タンザニア連合共和国向け円借款契約の調印

−小規模灌漑施設の整備を通じてコメの生産量倍増を推進−

2013年5月31日

国際協力機構(JICA)は、5月30日、タンザニア連合共和国ダルエスサラームにて同国政府との間で「小規模灌漑開発事業」を対象に、34億4,300万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

調印式の様子

本事業は、タンザニア各地での新規の灌漑施設の建設および既存灌漑施設の改修、並びに関連機材の調達により、コメを中心とする農業生産性の向上を図り、小規模農家の生計向上、貧困削減に寄与することを目的としています。本事業の灌漑開発は、同国の農業セクター開発プログラムの下、県灌漑開発基金への資金支援を通じて行われるものです。本件の貸付資金は灌漑施設の新設・改修(頭首工、幹線・二次用水路等)に係る土木工事、設計用資機材・車両等の調達およびコンサルティングサービス(詳細設計レビュー、事業全体管理、施工監理)費用等に充当されます。 

同国の農業セクターは、GDPの約25パーセント、輸出額の約2割を占め、貧困層の4分の3以上が従事する重要なセクターですが、資金不足により、高い農業・灌漑開発ポテンシャルを十分に生かすことができず、灌漑面積は開発ポテンシャル(2,940万ヘクタール)の約1パーセント強(2011/12年:37万ヘクタール)にとどまっています。農業生産性の向上および商業化による収益を生む農業への転換を目指す観点から、灌漑開発は同国の主要政策課題の一つとなっています。

また、タンザニアはアフリカでのコメ生産倍増を目指す「アフリカ稲作振興のための共同体(Coalition for African Rice Development:CARD)」の第一グループの一つに選定され、2009年に「コメ開発戦略」(National Rice Development Strategy: NRDS)を策定しました。2018年までの10年間で、コメの生産量を倍増(年間196万3,000トン)する目標を掲げ、その達成に向けて灌漑開発を積極的に推進しています。

こうした状況の下、わが国はタンザニア向け協力の中で「コメ生産能力強化プログラム」を策定し、灌漑開発の推進のため、全国7ヵ所のゾーン灌漑技術サービスユニット(Zonal Irrigation Technical Service Unit: ZITSU)の強化および県灌漑技術者の事業形成、実施、運営維持管理能力強化に係る技術協力や、全国の農業研修所の体制強化を通じた、稲作技術の向上を図る技術協力を実施しています。また、タンザニア政府および農業セクター支援ドナーとの政策対話への参画を通じて、制度改革等を推進しています。

本事業は、農業開発、とりわけ灌漑面積の拡大を図るものであり、上記「コメ生産能力強化プログラム」の一部として、JICAが現在実施中の技術協力と相乗効果を図りながら、同国のコメの生産量倍増に貢献する協力です。

(参考)

1.借款金額および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
小規模灌漑開発事業 3,443 0.01 0.01 40 10 一般アンタイド

2.事業実施機関
タンザニア連合共和国農業・食料安全保障・協同組合省(Ministry of Agriculture, Food Security and Cooperatives)
住所: P.O. Box 9192, Dar es Salaam, Tanzania
TEL:+255-22-2862074、FAX:+255-22-2864460

3. 今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期:2017年3月(施設供用開始時をもって事業完成)
(2)コンサルティング・サービス(詳細設計レビュー・施工監理等)にかかる招請状送付予定時期:2013年6月
(3)本体工事に係る国際競争入札による調達パッケージの入札公示:
本事業は、国際競争入札による調達は想定されていませんが、逐次、事業実施促進のための調達が行われる見込みです。