アフガニスタンと日本をつなぐ未来の架け橋へ

−国際大学でアフガニスタン留学生が初めて卒業−

2013年7月1日

6月26日、「未来への架け橋・中核人材育成プロジェクト(PEACE 注1)」で初めての卒業生が誕生しました。国際大学でとり行われた大学院学位記授与式には、国際協力機構(JICA)の田中明彦理事長も参列し、祝辞を述べました。

大学院学位記授与式で祝辞を述べる田中理事長

「未来への架け橋・中核人材育成プロジェクト(PEACE)」は、JICAが2011年から開始した人材育成プロジェクトです。アフガニスタンの農業農村開発およびインフラ開発等を推進する上で重要な役割を担う行政官、大学教員の能力向上のため、わが国の大学院修士課程等での就学の機会を提供しており、現在94人(今回の卒業生含む)のアフガニスタン人が日本各地の大学で学んでいます。

2011年10月21日、駐日アフガニスタン大使館にて、日本各地の大学で学ぶため来日したアフガニスタン人の受け入れに伴うオープニングセレモニーが開催されました。今回卒業した5人は、当時セレモニーに参加したPEACE第一期生のメンバーです。オープニングセレモニーで「限られた時間ではあるが、自分の専門分野である国際関係学について日本の大学で学び、帰国後は、祖国の発展に尽くしたい」と決意表明をした、サイエド・ジャマルディン・フィロジさんも今回の卒業生の一人です。

北岡伸一国際大学学長(左から4人目)、5人のPEACE第一期生のメンバーと田中理事長(右から3人目)

卒業生はアフガニスタンに帰国後、日本で習得した知識や技術、発想力や応用力などを存分に活用し、アフガニスタンの復興・開発推進の原動力になることが期待されています。また同時に、2011年から2年間の在学中に、経験・理解した日本の文化や習慣を下に、彼らが親日家となり、日本とアフガニスタンとの友好関係の強化のために、重要な役割を担っていくことも期待されます。

アフガニスタンでは、約30年に及ぶ紛争による人材の流出、経済社会インフラの崩壊で、多くの国民がいまだ貧困ライン以下の暮らしを余儀なくされています(注2)。日本は「治安の向上」「元タリバン等兵士の再統合」「持続的・自立的発展のための開発支援」を支援の重点分野としています。これに基づき、JICAは、アフガニスタン政府のリーダーシップとオーナーシップの下、開発による持続的な経済成長と相応の雇用創出を通じ、アフガニスタンの経済社会の安定化に貢献するという方針を掲げており、特に、農業農村開発分野とインフラ開発分野を重点とする協力を実施中です。

アフガニスタンの復興・開発推進の原動力となる人材を育成する「未来への架け橋・中核人材育成プロジェクト(PEACE)」は、農業農村開発分野とインフラ開発分野の双方を支援する重点プロジェクトの一つです。2013年は新たに100人弱の来日を予定しています。


(注1)PEACE:The Project for the Promotion and Enhancement of the Afghan Capacity for Effective Development
(注2)人間開発指数(2013年)は186カ国中175位。5歳未満死亡率は149人/1,000人(186カ国中175位)。平均寿命は49.1歳。