パプアニューギニア向け円借款契約の調印

−第二の都市レイを中心とする地域への信頼性の高い電力供給を支援−

2013年8月22日

国際協力機構(JICA)は、8月22日、JICA本部にてパプアニューギニア政府との間で「ラム系統送電網強化事業」を対象として83億4,000万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

署名後、握手を交わすガブリエル・ジョン・クレロ・ドゥサバ・特命全権大使(左)と田中明彦JICA理事長

本事業は、パプアニューギニア第二の都市であるレイに電力を供給するラム系統における既存送電線の複線化と変電所の改修等を行うことにより、レイを中心とする地域へ信頼性の高い電力を供給し、ラム系統周辺地域の将来の電力需要に対応するとともに、レイを中心とする地域住民の生活環境の改善に貢献するものです。本件にかかる貸付資金は、送電線の建設および変電所改修等に係る土木工事、資機材の調達、およびコンサルティング・サービス(入札補助、事業全体管理、施工監理)費用等に充当されます。

本事業の対象となるモロベ州は、約64万6,000人の人口を擁し、州都のレイは商業・工業の中心地であり、各種物流面においても重要な拠点となっています。しかしながら、レイに電力を供給するラム系統の送電線による電力供給の不安定さが深刻な問題となっているほか、レイを中心とする地域の電力需要も急速に増加しており、既存送電線の容量では、将来需要の増大への対応が難しい状況にあります。

パプアニューギニア政府は、「中期開発計画2011-2015」において、ラム系統の改修の必要性を指摘しています。その上、2050年までに全人口への電力供給100パーセント達成を目標に掲げている「PNGビジョン2050」の実現のためには、ラム系統における電力供給の信頼度の改善は不可欠としています。本事業は、これらの目標に貢献する事業として位置づけられています。また低損失電線を使用することにより、送電ロスの低減による火力発電所の稼働を抑制することができると期待されることから、温室効果ガス(GHG)の排出削減に貢献することも期待されています。

JICAはこれまでも、同国の電力セクターに対し、「ヨンキー水力発電事業」「ロウナNo.4 水力発電事業」「ワランゴイ水力発電事業」などの発電事業に対し、承諾額累計で約180 億円の円借款を供与して電力の安定供給に向けた支援をしています。今後も、同国の持続的な経済成長に向けた取り組みを支援していきます。

(参考)

1.借款金額および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
ラム系統送電網強化事業 8,340 0.3 (*1) 0.01 40 10 一般アンタイド

*1 気候変動対策金利を適用

2.事業実施機関
パプアニューギニア電力公社(PNG Power Limited)
住所: Wards Road, Hohola Port Moresby National Capital District, Papua New Guinea
TEL:+675-324-3200、FAX:+675-325-0072

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期: 2019年10月(施設供用開始時をもって事業完成)
(2)コンサルティング・サービスにかかる招請状送付予定時期:2013年11月
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
調達パッケージ名:送電線および変電所(Transmission Line Component, Substation Component)
公示予定時期:2014年11月