インド政府向け円借款契約の調印

−インドへ初の開発政策借款供与 成長著しいタミル・ナド州の投資環境改善を促進−

2013年11月12日

国際協力機構(JICA)は11月12日、ニューデリーにおいてインド政府との間で、「タミル・ナド州投資促進プログラム」を対象として130億円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

調印後、握手を交わすラジェシュ・クッラー・インド財務省経済局長(右)と江島真也JICAインド事務所長

本借款は、インド南部タミル・ナド州において、日本を含む海外投資家からの要望が大きい投資申請プロセスや用地取得制度の見直し、また、産業人材育成促進といった州の政策・制度の改善を促すものです。加えて、主に外国企業が進出している工業団地周辺の道路、電力、上下水道等のインフラ整備の早期実施を促進し、同州の投資環境整備を図るものです。なお、本件は、インドに対するJICA初の開発政策借款(注)となります。

インドは2003〜2010年まで、概ね年間7〜9パーセントの高い経済成長率を達成してきました。しかしながら、2011年以降、ルピー安や欧州経済危機の煽りを受け、経済の減速が顕著となり、2013年4〜6月の実質GDP成長率は前期比4.4パーセントと過去10年で最低の水準に低迷しています。また、産業構造を見ると、同国の製造業のGDPに占める割合は2011年で13.9パーセントと東南アジア諸国(タイ34.0パーセント、インドネシア24.3パーセント)と比較しても低いため、インド政府は2025年までに25パーセントに引き上げる政策を掲げています。他方、同国の投資環境は、世界銀行が世界各国の投資制度を評価するDoing Business 2013でも、185ヵ国中132位と他の南アジア諸国に比べても低い順位となっています。同国に対する製造業を中心とした海外直接投資を加速させるためには、制度面の改善およびインフラの整備推進が必要です。

本借款では、タミル・ナド州の長期戦略である「Vision Tamil Nadu 2023」にて示されている同州の政策方針のうち、(1)投資環境整備に資する政策・制度・手続きの改善(投資申請プロセス、用地取得制度の見直しや産業人材育成促進等)、(2)道路、電力、下水等のインフラ整備、の取り組みについて、2012〜2014年度の各年度に、達成すべき政策アクションの進捗を、タミル・ナド州政府とJICAの双方がモニタリングします。JICAは、年度ごとに政策アクションの達成を確認した上で、今回借款契約を締結した円借款資金を段階的に貸付実行することとしており、これにより、同州の政策改革を促し、投資環境整備の促進につながることが期待されます。

また、特に本邦企業をはじめとする海外投資家からの要望が大きい工業団地に関連した小規模インフラ整備については、同州の小規模インフラプロジェクト特別委員会が、プロジェクト監理マトリクスを作成するとともに、整備に向け迅速な対応がなされるよう実施監理・促進することを政策アクションとして設定しています。これにより、ハード面の投資環境整備を政策レベルで促進します。

同州の州都であるチェンナイ都市圏は、本邦企業の進出が近年加速している地域であり、本計画は本邦企業の海外展開にも資するとともに、日印政府の共同イニシアティブで進めている「南部中核拠点開発構想」の実現にも寄与するものです。

(参考)

1. 借款契約および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
タミル・ナド州投資促進プログラム 13,000 1.40 - 30 10 一般アンタイド

2. 計画実施機関
タミル・ナド州 財務局(Finance Department, Government of Tamil Nadu)
住所: Secretariat, Chennai 600009, Tamil Nadu, India
TEL:+91-44-2566-5566

3. 今後の実施スケジュール(予定)
(i)計画の完成予定時期:2015年6月(貸付完了時をもって計画完成)
(ii)本計画においては、コンサルタント雇用および本体工事に係る国際競争入札は行われません。

4. JICA情報提供窓口
本事業の調達スケジュールに関する情報は、下記窓口にお問い合わせください。

国際協力機構インド事務所 投資促進セクター情報窓口
(Contact Point for Investment Promotion Sector, JICA India Office)

住所:2nd Floor, Dr. Gopal Das Bhawan, 28 Barakhamba Road, New Delhi 110001, India
TEL:+91-11-4768-5500 FAX:+91-11-4768-5555


(注)開発政策借款は、政策・制度の改革を目指す開発途上国を支援するための借款であって、事前に合意した改革項目が相手国政府により実施されたことを確認し、その達成に対して資金を供与するもの。