静岡県教育委員会とカンボジア協力隊派遣プロジェクトの合意書を締結

−自治体と連携して現職の教員を協力隊派遣−

2013年11月21日

国際協力機構(JICA)は、11月20日、静岡県教育委員会と「静岡−カンボジア協力隊派遣プロジェクト」に係る合意書を締結。静岡県庁で行われた締結式では、安倍徹静岡県教育委員会教育長と、黒柳俊之JICA理事が、それぞれ合意書に署名しました。

署名後の安倍徹教育長(右)、大須賀淑郎静岡県副知事(中央)、黒柳俊之JICA理事

本プロジェクトは、今年6月、カンボジアを訪れた川勝平太静岡県知事が、JICAカンボジア事務所を訪問し、意見交換を行ったことをきっかけに動き出しました。静岡県教育委員会に所属する教員を、青年海外協力隊として派遣することで、カンボジアの発展に貢献すると同時に、静岡県におけるグローバル人材の育成につなげることも目的としています。

カンボジアでは、1975〜79年のポルポト政権による大量虐殺によって、教師や知識人らの有能な人材が多く失われ、依然として前期中等教育(注)の就学率は、他のASEAN諸国と比べて大きく下回っています。カンボジアが目指す「開発途上国からの卒業」を実現するためにも、特に理科教育分野の人材育成については、早急な質的改善が望まれています。

JICAは、カンボジアの教育青年スポーツ省(MOEYS)と共に、2000年から2012年にかけて3件の教育分野での技術協力プロジェクトを実施し、初等〜後期中等教育の教員養成校における理数科授業の改善、前期中等教育における現職教員研修のモデル構築、ならびに後期中等教育における教科書開発を支援してきました。また、理科教育に携わるJICAボランティア(青年海外協力隊、シニア海外ボランティア)は、2002年以来、初等・前期中等教育の教員養成校に延べ29名が派遣されています。さらに、JICAとMOEYSは、前期中等教育の理数科目の指導書の開発と、教員の理数科教授能力の強化を目指して、今年から「前期中等理数科教育のための教師用指導書開発プロジェクト(STEPSAM3)」を開始しました。

今回の「静岡−カンボジア協力隊派遣プロジェクト」は、STEPSAM3とも一部連携する形で、2014年度から2017年度まで、静岡県教育委員会から継続的に教員を派遣していきます。派遣される教員は、カンボジアの学校現場で青年海外協力隊員として活動を行いながら、併せて、同プロジェクト(STEPSAM3)が開発する指導書を用いた授業を支援することにより、相乗効果を発揮することが期待されています。


(注)前期中等教育(3年間)は、日本の中学校に相当。また初等教育(6年間)は日本の小学校に、後期中等教育(3年間)は高校に相当します。