アフリカ開発銀行向け円借款契約の調印

−民間セクター主導の経済成長の加速化を目指して−

2013年12月17日

国際協力機構(JICA)は、12月16日、アフリカ開発銀行(The African Development Bank Group:AfDB)との間で、「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブの下での民間セクター支援融資(IV)」を対象として、94億8,000万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

調印式の様子

本計画は、2012年に日本政府が新たに発表した「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ(Enhanced Private Sector Assistance(EPSA) for Africa)」(注1)の一環として実施するAfDB民間セクター向け投融資業務に対する円借款です(注2)。本計画では、アフリカ域内における民間セクター主導の経済成長ならびに貧困削減を促進することを目的に、AfDBの域内メンバー国の民間企業等が必要とするインフラや農業などの事業資金を、JICAがAfDBの民間セクター向け投融資業務を通じて提供します。

アフリカ諸国における年平均経済成長率は、2013年は4.8パーセントで、2014年には5.3パーセントとなる見通しですが(注3)、ミレニアム開発目標の一つである貧困人口の割合の半減に向けて必要とされる7パーセントの経済成長率には及ばず、今後も持続的な経済成長が求められています。また、若年層を中心とした失業問題が年々深刻化しており、雇用の受け皿である民間セクター開発の促進が重要課題とされています。しかしながら、公的セクターは財政不足により民間セクター開発に必要なインフラ整備等に必要な予算を確保できず、また、中小零細企業は金融機関からの支援を受けることが難しい状況にあります。このような背景の下、今年6月の第五回アフリカ開発会議(TICAD V)で採択された「横浜行動計画(2013-2017)」(注4)では、インフラや農業の優先分野において貿易・投資を促進するとともに、民間セクターの積極的な関与を促進し、成長の原動力を強化することが合意されました。

本計画は、2007、2008、2011年の三度にわたり円借款が供与(注5)された後も、 いまだ資金ニーズが膨大な民間セクターを支援するため、第4次融資の供与に至ったものです。過去3回の融資では、中小零細企業向けに地場銀行を通じての融資、首都への物流を大幅に改善した有料道路の建設、日本の企業が建設等を受注したガス火力発電所の拡張事業への支援等、産業開発のみに留まらず、雇用創出の面からも高い成果をあげてきました。本事業では、アフリカ大陸のインフラ整備事業などを通じて、地域統合を促し、経済成長の担い手である民間セクターの成長を支援します。

(参考)

1.借款金額および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブの下での民間セクター支援融資(IV) 9,480 0.55 - 40 10 アンタイド

2.事業実施主体
アフリカ開発銀行 民間セクター局(OPSM:Private Sector Department、住所: B.P.323, 1002 Tunis Belvedere Tunisia; Tel: (216) 7110-1285, Fax: (216) 71-83-41-78)

3.アフリカ開発銀行 アジア代表事務所ウェブサイト(外部リンク)

(注1)日本政府は2005年のG8グレンイーグルズ・サミットの際にAfDBと共にEPSAを立ち上げ、10億ドルの円借款供与を表明しました。2012年のG8キャンプデービッド・サミットにおいて、アフリカにおける民間投資の活性化が引き続き重要な課題であることを受け、新たに5年間で10億ドルの円借款を供与することを決定しました。

(注2)EPSAは融資および技術支援を通して実施するプログラムで、JICAは融資部分を実施しています。融資方法には、(1)政府および政府機関等に対するアフリカ開発銀行/基金との協調融資促進ファシリティ(ACFA)、および(2)EPSAの下での民間セクター支援融資(本計画)の二つがあります。

(注3)AfDB出版「African Economic Outlook 2013」 (英文、外部リンク)

(注4)「横浜行動計画(2013-2017)」(外務省、外部リンク)

(注5)過去の円借款