インド政府向け円借款契約の調印

−インド最高峰の理工系大学の人材育成を支援−

2014年1月30日

国際協力機構(JICA)は、1月28日、ニューデリーにおいてインド政府との間で、「インド工科大学ハイデラバード校整備事業」を対象として2件総額230億3,500万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

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本事業で建設予定のビジネス・インキュベーションセンター完成予想図

本事業は、インド工科大学ハイデラバード校(Indian Institute of Technology: IIT-H)の施設整備を行うことにより、インドの工学・科学技術分野における人材育成、および人的・学術的交流を通じた日印関係の強化を目的とするものです。同校に対しては日印間の首脳共同声明に基づき、産官学連携による包括的な協力を行っており、既往の技術協力に加えて、本事業に対する円借款支援を通じて教育・研究環境を整備することにより、インドにおいて技術革新を進め、産業界をリードできる人材の育成が進むことが期待されます。本事業に対しては今回、「インド工科大学ハイデラバード校整備事業」「インド工科大学ハイデラバード校整備事業(フェーズ2)」の2件の円借款を供与します。

インドでは毎年約1,000万人ずつ労働人口が増加すると見込まれており、労働集約的な第二次産業、特に製造業のさらなる振興を通じた雇用の創出が喫緊の課題となっています。こうした中、インドの技術革新を進め、産業界をリードする知識と技術を備えた人材を教育する工学系高等教育機関を拡充する必要性が高まっています。また、2010年時点におけるインド国内の高等教育への粗就学率はわずか17.9パーセントと、世界平均の29.1パーセントと比べても低い水準にとどまっています。この値はBRICs諸国中において最低で(ロシア75.9パーセント(2008年)、ブラジル25.6パーセント(2005年)、今後のインドの経済成長の阻害要因となることが懸念されています。インド政府は、2017年3月までに高等教育への粗就学率を25.2パーセントとする目標を掲げており、その実現には高等教育機関の整備・拡充が不可欠です。

インド工科大学は同国最高峰の理工科系教育機関であり、ハイデラバード校は2008年に新たに設立されたもので、今回の円借款はキャンパス整備に必要な資金に充当されます。本事業で整備する施設のうち国際交流会館や学生会館など6施設については、東京大学との協力により建築デザインを行っています。また、IIT-Hに対して、日本政府は産官学による支援を表明しており、両国の科学技術の水準の向上に向けた大学・研究機関の学術交流や、人材育成の取り組みが実施されています。具体的には、技術協力による人的交流の促進と教育・研究実施体制の強化、地球規模課題対応国際科学技術協力事業(SATREPS)等による本邦大学・研究機関等との研究開発交流の促進などが実施されています。

(参考)

1. 借款契約および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
インド工科大学ハイデラバード校整備事業 5,332 1.40 0.01 30 10 一般アンタイド
インド工科大学ハイデラバード校整備事業(フェーズ2) 17,703 1.40 0.01 30 10 一般アンタイド

2. 事業実施機関
インド工科大学ハイデラバード校(Indian Institute of Technology Hyderabad)
住所: Ordinance Factory Estate, Yeddumailaram, Andhra Pradesh, 502205, India
TEL:+91-40-2301-6033, FAX:+91-40-2301-6032

3. 今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期:2018年3月(施設供用開始時をもって事業完成)
(2)コンサルティング・サービス(施工監理等)にかかる招請状送付予定時期:2014年2月
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージ入札公示:
調達パッケージ名:Construction of Knowledge Center, RCC, Lecture Hall Complex, Main Building and Students' Hostels, 8 Department Buildings and Core Laboratory
予定時期:2014年12月