インド政府向け円借款契約の調印

−インド・ビハール州における物流改善を支援−

2014年2月4日

国際協力機構(JICA)は、1月30日、ニューデリーにおいてインド政府との間で、「ビハール州国道整備事業(フェーズ2)」を対象として、214億2,600万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

ビハール州は、インド最貧州の一つです。1990年代のインド全国平均GDP成長率が6パーセント以上であったのに対し、同州は3.5パーセントにとどまるなど、同国の中で経済発展が遅れた州でした。しかし2000年代以降は、治安改善や輸送インフラに対する公共投資の拡大を背景に経済成長が目覚ましく、2011年度のGDP成長率は、13.1パーセントに上り、2010年から2年連続でインド国内最高の州別経済成長率を記録するに至っています。この成長を受け、交通需要も急伸しており、登録車両台数は2002年度から2011年度にかけて102万台から267万台に増加しています。他方、2010年度末時点の同州の人口十万人当たりの道路延長は126キロメートルと、インド全体の平均である388キロメートルを大きく下回っています。

本事業は、ビハール州の主要幹線道路であり、同州の経済成長に伴い交通量が急増している国道82号線(ガヤ−ビハールシャリフ)を4車線化するとともに、国道沿線に位置する3ヵ所の都市(Manpur、Wazirganj、Tungi)を迂回するバイパス整備を通じ、増加を続ける輸送需要への対応を図るものです。またビハール州内では、インド道路交通省が推進する「国道開発計画」(National Highways Development Project)に含まれる路線のうち、「東西回廊(注1)」が州北部を、「黄金の四角形(注2)」が州南部を通過しており、82号線はこの二路線を連結する役割を果たしているため、周辺州へのアクセス改善にもつながるものです。

また、国道82号線沿線には、世界最古の大学のひとつで、インド仏教の最重要拠点でもあったナーランダ大学や、インド四大仏跡としても数えられるラージギルなどインド屈指の史跡群が点在しており、隣接する世界遺産のブッダガヤへのアクセスが飛躍的に向上することから、本事業は同州の観光産業に寄与することも期待されます。インド政府が進める「ナーランダ大学復興計画」のキャンパス建設予定地は82号線沿線に位置しており、本事業は同計画にも貢献するものです。

(参考)

1. 借款契約および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
ビハール州国道整備事業(フェーズ2) 21,426 1.40 0.01 30 10 一般アンタイド

2. 事業実施機関
ビハール州道路開発公社(Bihar State Road Development Corporation)
住所: RCD Central Mechanical Workshop Campus, Sheikhpura, Patna - 800014
TEL:+91-61-2222-6711

3. 今後の事業実施スケジュール(予定)
(i)事業の完成予定時期:2019年2月(施設供用開始時をもって事業完成)
(ii)コンサルティング・サービス(施工監理等)にかかる招請状送付予定時期:2014年5月
(iii)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージ入札公示:
調達パッケージ名:Construction Works of National Highway 82
予定時期:2014年2月


(注1)グジャラート州ポールバンダルを起点、アッサム州シルチャールを終点とし、ビハール州のほか、ラジャスタン州、ウッタル・プラデシュ州等を東西に通過する。総延長4,000キロメートル。2013年10月現在、86.5パーセントが整備済。
(注2)ムンバイ、デリー、コルカタ、チェンナイの東西南北主要4都市を菱形に結ぶ。2012年1月完工。ビハール州を通過するのはデリー−コルカタ間を結ぶ国道2号線(総延長1,453キロメートル)の一部。