パキスタン・イスラム共和国向け無償資金協力贈与契約の締結

−シンド州農村地域での女子前期中等学校の拡充整備を通じた都市・農村間およびジェンダー間格差の是正−

2014年2月12日

国際協力機構(JICA)は、2月11日、パキスタン・イスラム共和国政府との間で「シンド州南部農村部女子前期中等教育強化計画」を対象として、8億800万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: GA)を締結しました。

本事業は、シンド州農村地域の既存初等学校(5〜9歳を対象)(注)において、女子前期中等学校(10〜12歳を対象)用に教室・施設を増築し、また老朽化し安全性が低下している初等学校教室を建て替えることにより、女子の基礎教育へのアクセス向上を図るものです。

本件の対象地域であるシンド州は、パンジャブ州に次ぐ第2の人口を抱えており、パンジャブ州とならびパキスタンの経済成長を牽引しています。しかし、同州の純就学率(パキスタン社会・生活水準調査、2011/12年度)は初等教育が50パーセント、前期中等教育が13パーセントと国内平均を下回り、特に農村部女子の純就学率は初等教育が36パーセント、前期中等教育が7パーセントと深刻な状況にあります。パキスタンでは多くの学校が男女別に設置されていますが、農村部では女子児童が通学可能な範囲に前期中等学校が存在しないことが多く、進学を阻害する要因となっているため、特に農村部において女子の前期中等学校増設の必要性が高くなっております。また、一部の初等学校は老朽化により安全性が低下しているため、建替えの必要性も高い状態となっています。

本事業により、約30校において前期中等教育のための教室が、約90教室新たに整備され、対象校における前期中等教育における女子生徒数が増加し、ひいては農村部における初等教育女子生徒の就学環境の改善および対象地域の女子未就学者数の減少が期待されます。

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(注)パキスタンの教育制度(正規)は、基礎教育(就学前・初等・前期中等教育)、中等教育(後期中等・上級中等教育)、高等教育の3段階から構成されています。初等教育は5か年(5〜9歳)、前期中等教育は3か年(10〜12歳)、後期中等教育は2か年(13〜14歳)、上級中等教育は2か年(15〜16歳)です。高等教育は、2年間または3年間の履修コースで学位を取得するほか、1年の教育学学士コース等、専門に応じた1〜5年のコースが提供されています。