イラク共和国向け円借款契約の調印

−本邦企業の技術を活用し、復興の要たる港湾機能回復を支援−

2014年2月17日

国際協力機構(JICA)は、2月16日、イラク共和国政府との間で、「港湾セクター復興事業(II)」を対象として、総額391億1,800万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。本件はイラクとの間で交わされる20件目の円借款貸付契約であり、イラク向け円借款支援総額は44億ドルを超えました。

調印式の様子

本事業は、2008年に開始された同国の国際商業港ウンム・カスル港の整備(港湾セクター復興事業〈I〉)に続き、新たに、輸出入の拠点となる工業港コール・アルズベール港を対象に修復工事を実施するものです。イラク全土で進んでいるさまざまな復興事業には、大型貨物の取り扱いが必要とされており、海岸線が48キロメートルのみと限られた同国においては、港湾機能を回復することが急務となっています。上述のウンム・カスル港整備(フェーズI)は、実施機関であるイラク港湾公社(GCPI: General Company for Ports of Iraq)の優れた事業運営によって円滑に進捗し、浚渫や沈船除去は完了しており、2014年中に事業すべてが完成する予定です。ウンム・カスル港とコール・アルズベール港の主要二港を復興させることで、同国経済をより活性化させる狙いがあります。

GCPIでチームリーダーを務めるキャプテン・フセインは、「港湾セクター復興事業(I)の順調な進捗により、ウンム・カスル港のサービスは強化され、貨物の取扱量は増加している。大型船の入港も可能となり、国際取引の実績も向上している(図参照)。コール・アルズベール港を対象とした新たな円借款事業を、日本の支援の下、実施できることは非常に喜ばしい。これまでの協力を通じて培った知見を用いてこの新規事業を成功させたい」と、述べています。

本事業には、日本の高度な技術を用いる本邦技術活用条件(STEP)(注)が適用されます。この枠組みは、本事業では土木工事および関連機材調達に活用され、急速施工を安全に実現することを目指します。イラク政府からのSTEP活用の要請は、1970−80年代にイラク国内のインフラ事業で活躍した日本企業の技術・ノウハウに対する強い信頼と、急速に成長するイラク市場への再進出に高い期待を表すものといえます。

(注) Special Terms for Economic Partnershipの略。わが国の優れた技術やノウハウを活用して途上国への技術移転を通じてわが国の「顔の見える援助」を促進するために創設された円借款の供与条件。

【画像】

ウンム・カスル港への航路の機能回復

【画像】

浚渫(2011年3月完了)(左)沈船除去(2013年3月完了)(右)

(参考)

1.借款金額および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
港湾セクター復興事業(II) 39,118 0.65/0.2** 0.01 40 10 一般アンタイド*/日本タイド**

* コンサルティングサービスは含まない
** STEP(本邦技術活用条件)適用

2.事業実施機関
イラク運輸省(MOT:Ministry of Transport)
住所: MOT Building, Baghdad, Iraq

イラク港湾公社(GCPI: General Company for Ports of Iraq)
住所:GCPI Building, Ma’qil, Basrah, Iraq
Web: http://www.scp.gov.iq/en/

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期:2020年1月(対象土木工事の完成をもって事業完成)
(2)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージ入札公示:
調達パッケージ名:土木工事および関連機材調達(Civil works and Related Equipment)
予定時期:2014年9月

4.JICA情報提供窓口
本事業の調達スケジュールに関する情報は、下記窓口にお問い合わせください。
国際協力機構中東・欧州部中東第二課 運輸・交通セクター情報窓口
住所:〒102-8012 東京都千代田区二番町5-25 二番町センタービル 4階
TEL:03-5226-6829、FAX:03-5226-6365