ヨルダン・ハシェミット王国向け無償資金協力贈与契約の締結

−ペトラ博物館建設計画−

2014年3月3日

国際協力機構(JICA)は、3月1日、ヨルダン・ハシェミット王国政府との間で「ペトラ博物館建設計画」を対象として6億8,620万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)に締結しました。

ペトラ遺跡内での、署名式の様子

本事業は、ヨルダン・ハシェミット王国の最大の観光地の一つであり、映画等の舞台にもなった世界遺産・ペトラ遺跡入口隣接地に、博物館を建設・運営支援を行うものです。

ヨルダン・ハシェミット王国(以下、「ヨルダン」と表記)には、観光資源としてローマ時代、十字軍、オスマン時代などの文化遺産が豊富に存在しているだけでなく、死海をはじめとする固有の自然景観にも恵まれています。そうしたヨルダンにおける観光業は、GDPの11.2パーセント(2012年、ヨルダン中央銀行)を占め、構造的な貿易赤字を抱える同国にとって外貨獲得のための主要産業となっています。また、労働者全体の失業率が12.2パーセント(2012年、ヨルダン政府統計局)である同国において、ヨルダン国内の失業者の内約半数を占める若年層(24歳以下)の雇用の受け皿として成長が期待されています。

ペトラは、そうしたヨルダンが誇る世界遺産のひとつであり、同国への年間入国者数約825万人(2012年、ヨルダン政府統計局)のうち約63万人(2012年、ヨルダン政府統計局)が訪れる最大の観光地の一つです。しかし、同地は遺跡観光が中心であり、遺跡以外に観光客をひきつける観光地、商業施設等の整備が不十分であるため、観光客のペトラにおける滞在時間は非常に短いのが現状です。そのため、観光業による経済効果を地元地域に裨益させるためには、魅力的な集客地点の整備が課題となっています。また、中東地域の政治変動による周辺国の不安定化によって、ヨルダンへの観光客は大きく減少しており、観光客一人当たりの経済効果を増大させるための方策が必要となっています。

本事業にて、世界遺産であるペトラ遺跡の入口隣接地に博物館が建設され、歴史的文化遺産の展示および遺跡保存が適切な形でなされることにより、観光振興が図られ、観光客の一層の誘致につながることが期待されます。

JICAは、本案件に加え、ヨルダンの主な観光地である死海、アンマン市内、カラク城、サルト市等の観光開発を実施しており、同国の基幹産業の一つである観光産業を包括的に支援しています。

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