ヨルダン・ハシェミット王国向け無償資金協力贈与契約の締結

−北部地域シリア難民受入コミュニティ水セクター緊急改善計画−

2014年3月13日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、3月13日、ヨルダン・ハシェミット王国政府との間で「北部地域シリア難民受入コミュニティ水セクター緊急改善計画」を対象として25億1,000万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)に締結しました。

本事業は、シリア難民の流入が続く北部4県(マフラック県、イルビッド県、ジェラシュ県、アジュルン県)において、上下水道施設の整備・改修を行うものです。

ヨルダンは国土の75パーセントが砂漠地帯に位置しており、国民一人当たりの年間水資源賦存量(注)が、水不足と定義される1,000立方メートル/年に対して約145立方メートル/年と極端に少なく、水資源が世界で最も少ない国の一つです。また、漏水や盗水のため、水利用者に届く水は浄水場から供給される水の約半分程度であり、水道管からの給水も週に数日間と限定的です。

このような状況下、隣国シリアでの内戦から逃れてきた難民がヨルダンに大量に流入しており、シリアとの国境に近いヨルダン北部4県に滞在していますが、その数は60万人を優に超すともいわれています。限られた水資源の一方で、こうした人口増加による水需要量が増加しているため、深刻な水需給バランスの不均衡が起こっています。また、老朽化や漏水といった従来の給水事情に加えて、下水や廃棄物の発生量が増加し不法投棄も増えていることから、衛生環境の悪化や下水管の閉塞、地下水汚染のリスクの高まりなどの問題も発生しています。シリア難民の大量流入により急増した人口の下、劣化が進む上下水道施設の改善を図ることは人道的観点からも喫緊に対応すべき問題となっています。

本事業により、シリア難民の流入が続くヨルダン北部4県において上下水道施設の整備・改修を行うことで、上下水道サービスが改善されることが期待されています。事業の実施は、現在実施中の緊急開発調査「シリア難民ホストコミュニティ緊急給水計画策定プロジェクト」により確認した詳細を踏まえ行われます。

なお、JICAは本案件のほかにも、難民を受け入れているコミュニティ(ホストコミュニティ)への保健や教育資機材の供与、難民キャンプおよびホストコミュニティへの青年海外協力隊員の派遣、2013年初頭に発生した洪水被害への緊急援助物資配布、ヨルダン政府への財政支援といった人道支援(短期)および開発(長期)の双方の視点から、草の根レベル・国家レベルでの支援を包括的に行っています。

(注)降水量から蒸発量を差し引いた、最大限利用可能な水の量。

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