ヨルダン・ハシェミット王国向け円借款契約の調印

−財政強化型開発政策借款−

2014年3月18日

国際協力機構(JICA)は、3月17日、ヨルダン国アンマンにてヨルダン・ハシェミット王国政府との間で「財政強化型開発政策借款」を対象として120億円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

調印式の様子

ヨルダン経済は、2000年代中盤、湾岸諸国をはじめとした海外投資にも支えられ堅調に成長しましたが(平均年成長率8パーセント)、2008年の米国発世界的金融危機による世界景気の低迷を背景に減速を始めました。また、2010年度末からの「アラブの春」に伴う地域政情不安定化の影響を受けて観光産業が低迷したことや、海外投資が冷え込んだことなどにより、2010〜2012年の実質経済成長率は2パーセント台に留まっています。さらに、地域の不安定な政情は財政面にも影響を与えています。隣国シリアでの内戦から逃れた難民が大量に流入しており、公共サービス(教育、保健、水、電気等)を維持するために支出が拡大しています。特に、エジプトの政情不安定化により、エジプトからヨルダンへのガスパイプラインが何度も爆破され、代わりに高コスト燃料の輸入を余儀なくされていることは、財政赤字を拡大させています。

こうした状況において、ヨルダン政府は、税制・税務行政の改革による歳入強化や燃料補助金の撤廃・ターゲット補助金の導入、電力料金の段階的な値上げ、政府支出の抑制(主に資本支出)を通じ、財政赤字幅の縮小への取り組みを強化しているものの、短期的には地域政情不安定化による国内影響への対応を優先的に実施せざるを得ない状況です。今後は、民間部門の活動促進による雇用創出や成長を通じた税収拡大、公的機関の合理化による公共セクターの効率化等による財政健全化と、長期的な成長基盤の確立を図っていくことが課題となっています。

このような状況の下、本円借款では、世界銀行と協調し、(i)透明性・説明責任の向上、(ii)財政・債務管理の強化、(iii)民間セクター開発を三つの柱として、ヨルダン政府による財政運営強化および成長に向けた政策実施を支援することにより、財政管理の強化および民間セクター開発促進を図ります。

JICAは、本円借款の目的達成を支援するために、世界銀行と協調して債務管理能力向上のための技術協力を実施しています。また、燃料価格高騰のため財政難の大きな原因の一つとなっている電力公社へのアドバイザー派遣や、電力マスタープラン構築といった技術協力を実施中であるのに加え、電力消費量の多い水セクターへの水道事業能力向上といった技術協力との連携を進め、水道料金の収益率の改善を図り、もってヨルダン政府の財政状況の改善に資することを検討しています。また、本計画の運用・執行面を含めたモニタリングは世界銀行と合同で実施する予定です。

(参考)

1.借款金額および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
財政強化型開発政策借款 12,000 1.70 - 25 7 一般アンタイド

2.事業実施機関
計画・国際協力省(Ministry of Planning and International Cooperation)、
住所:P.O. Box 555, Amman 11118, Jordan

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
(i)事業の完成時期:2014年3月(貸付完了時をもって事業完成)
(ii)コンサルティング・サービス:本事業においてはコンサルタント雇用を予定していません。
(iii)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージ入札公示:本事業においては、入札を伴う工事は想定されていません。