ナイジェリア連邦共和国向け円借款契約の調印

−ゲイツ財団と連携し、ポリオ撲滅に貢献−

2014年5月27日

国際協力機構(JICA)は、5月26日、ナイジェリア連邦共和国政府との間で「ポリオ撲滅事業」を対象として82億8,500万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。本事業はポリオ・ワクチンの調達を通じ、ナイジェリア全国における5歳未満児に対するポリオ・ワクチンの円滑な接種を図り、同国のポリオの早期撲滅に寄与することを目的としています。貸付資金はポリオ・ワクチン約4億7,600万ドース(投与量)の調達資金に充当されます。

調印式の様子

また、本事業は、今後、事業成果が達成されれば、ナイジェリア政府のJICAに対する円借款の返済をビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下、「ゲイツ財団」)(注1)が肩代わりする「ローン・コンバージョン」という手法を採用します。同手法の採用は、パキスタン・イスラム共和国向け円借款「ポリオ撲滅事業」(注2)に続く2例目です。

ナイジェリアは、アフリカ最大の人口・経済規模で、経済成長が著しい国の一つですが、アフリカ諸国の中でも妊産婦死亡率および乳幼児死亡率が劣悪な水準にあります。特にポリオは世界の未撲滅国(常在国)3ヵ国のうちの1ヵ国(ほかはパキスタン、アフガニスタン)で、アフリカ大陸では唯一となっています。他方、今年1月から4月だけで、ポリオ未撲滅国を含む10ヵ国で患者が確認され、国境を超えて広がるケースも出ているとして、今月5日、世界保健機関(WHO)は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。

ナイジェリア政府は2012年より「ポリオ国家緊急行動計画」の策定やタスクフォース等の設置を進め、早期撲滅のためにさまざまな活動を展開してきました。その結果、2012年に122件確認された感染数は、2013年には53件まで減少してきており、本事業はこれらの活動を加速させる一助となるものです。本事業は、ゲイツ財団に加え、ワクチン調達・接種に当たり、国連児童基金(UNICEF)やWHOと連携するなど、多様な開発パートナーとの連携に基づいて実施されます。

わが国はこれまでにも、UNICEFを通じた無償資金協力「小児感染症予防計画」(2000〜2012年度)によるポリオ・ワクチン調達やコールド・チェーン整備支援、本邦研修によるナイジェリア人のポリオ研究者の育成を行い、ポリオ撲滅に向けたナイジェリア政府の取り組みを支援してきました。本事業は、こうした過去の協力とともに、ナイジェリア政府のポリオ撲滅に向けた活動を強く後押しするものです。

(注1) ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)は、2000年、ビル・ゲイツ氏らにより設立された財団法人で、途上国においては主に保健の改善・貧困削減を、米国においては主に教育分野の支援を行い、世界における不平等の是正を目的とする。
(注2) 2011年8月、49億9,300万円を限度とする円借款契約を調印。ゲイツ財団との連携によるローン・コンバージョンを採用した初めての事業。

(参考)
1.借款金額および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
ポリオ撲滅事業 8,285 0.2 - 20 6 アンタイド

2.事業実施機関
国家プライマリヘルスケア開発庁(National Primary Health Care Development Agency)
住所: Plot 681/682, Port-Harcourt Crescent Off Gimbiya Street Area 11, Garki, Abuja, Federal Capital Territory, Nigeria
TEL:+234-9-3142925、FAX:+234-9-3142924

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
事業の完了予定時期:2015年12月(2015年に実施される全ポリオキャンペーンの終了〈12月〉をもって事業完了)