アフリカのインフラ整備、農業強化を戦略的に支援

−「アフリカ開発のためのパートナーシップ(NEPAD)」計画調整庁と業務協力協定を締結し、連携第一弾として農業開発関係者を9月に招へい−

2014年6月13日

国際協力機構(JICA)は、6月11日、アフリカ開発のための新パートナーシップ計画調整庁(The New Partnership for Africa's Development Planning and Coordinating Agency: NEPAD Agency)(注1)と、業務協力協定(MOU)を締結しました。署名は、東京のJICA本部にて、堂道秀明JICA副理事長とNEPAD Agencyイブラヒム・アサネ・マヤキ長官との間で行われました。

署名後、握手を交わすマヤキ長官(右)と堂道副理事長

今回のMOUは、国境を越えたインフラ整備や農業開発等のアフリカ大陸全体の課題に対する協力を深めるため、JICAとNEPAD Agencyが共に関心を有する分野において、連携協力を協議するための枠組みを設定するものです。NEPAD Agencyは、TICAD(アフリカ開発会議)の共催者でもあるアフリカ連合(AU)の開発実施機関であり、アフリカにおける貧困撲滅、持続可能な成長と開発、アフリカの世界経済への統合を活動の目的としています。

日本政府は、2001年にその前身が採択されたNEPADの構想段階から関与し、TICADおよびG8プロセスを通じて、アフリカ自身による初の開発戦略の策定を担うNEPADの誕生と発展を支援してきました。こうした背景を踏まえ、JICAは、本MOUを通じて、TICAD V(第5回アフリカ開発会議)で表明した日本政府のアフリカ支援策が、アフリカ自身による開発戦略と合致する形で最大限の効果が得られ、評価されるよう、NEPAD Agencyとの協力を一層強化します。

これまでもJICAは、NEPADのプロジェクト実施促進を目的に専門家を派遣するなどして支援を行ってきました。今回のMOU締結により、このような技術協力のみならず、主にインフラ、農業やNEPADの組織強化といった分野でより包括的な連携が期待されます。

その連携の第一弾として、2014年9月には、包括的アフリカ農業開発プログラム(CAADP)(注2)に携わるNEPAD関係者、アフリカ地域経済共同体(RECs)(注3)関係者を日本に招へいします。CAADPは、農業セクターへの民間資本の参画も推進しており、来日時には、日本の農業関連企業を含む農業の現状視察を行うとともに、日本による農業分野の支援方針や事業概要についての理解を深め、一層の関係強化につなげる計画です。


(注1)アフリカの開発のための新パートナーシップ計画調整庁(NEPAD Agency):NEPADは、2001年7月のアフリカ連合(AU)首脳会議にて採択されたアフリカ自身によるアフリカ開発のためのイニシアティブ(採択時の名称は「新アフリカ・イニシアティブ(New Africa Initiative (NAI)、その後2001年10月にNEPADに改称)。2010年1月のAU総会において、NEPADは、「NEPAD計画調整庁」として改組されるとともに、AUの実施機関となった。
(注2)包括的アフリカ農業開発プログラム(CAADP:Comprehensive Africa Agriculture Development Programme):AUが2003年に採択したアフリカにおける農業開発の枠組みで、NEPADのプログラムの一つ。食料安全保障および栄養の改善、農業所得向上を目的とし、年間少なくとも6パーセントの農業生産性向上と、各国予算の10パーセント以上を農業部門に振り向けることで、これらの目的を達成するとされている。アフリカの農業支援に関わるすべてのドナーはCAADPの計画に沿って支援することが求められている。

(注3) 地域経済共同体(RECs:Regional Economic Communities):アフリカ域内の経済統合を目的に組織されている地域経済共同体の総称。AUに承認されているRECsは八つあり、南部アフリカ開発共同体(SADC)、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、サヘル・サハラ諸国国家共同体(CEN−SAD)、中部アフリカ諸国経済共同体(ECCAS)、東アフリカ共同体(EAC)、東・南アフリカ市場共同体(COMESA)、 アラブ・マグレブ連合(AMU)、政府間開発機構(IGAD)がこれに該当する。