ボリビア多民族国「ラグナ・コロラダ地熱発電所建設事業(第一段階第一期)」向け 円借款契約の調印

−南米初の地熱発電所建設に向けて22年ぶりの円借款供与−

2014年7月3日

国際協力機構(JICA)は、7月2日、ボリビア多民族国のラパスにて、同国政府との間で「ラグナ・コロラダ地熱発電所建設事業(第一段階第一期)」を対象として24億9,500万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。本件は、同国に対する22年ぶりの円借款供与となります。

調印式の様子

本事業は、ボリビア南部のポトシ県南西部に位置するソル・デ・マニャナにおいて、地熱発電所の建設を行うとともに、電力系統網に接続するための送電線・変電所の建設を行うことにより、ボリビア国内の電力需給逼迫の緩和および供給の安定化を図り、再生可能エネルギー開発を促進して気候変動の緩和に寄与するものです。借款資金は、50メガワットの地熱発電所建設における第一期として、生産井の掘削およびコンサルティング・サービスに充当される予定です。

2014年3月時点でのボリビアの発電設備容量は1,469メガワットですが、今後、電力需要は年平均7パーセント伸びると見込まれています。とくに、ポトシ県南西部では、世界有数の亜鉛や鉛、銀の生産地として鉱物資源開発が活発に行われており、電力需要を押し上げています。同じくポトシ県のウユニ塩湖は、リチウムの世界最大の埋蔵量を有すると推定されていますが、モバイル機器や電気自動車等の電源として利用されているリチウムイオン電池の生産に欠かすことが出来ないリチウムの本格的開発の進展が、電力需要をさらに押し上げていく見込みです。しかしながら、同地域には、地域需要を満たす一定規模の発電設備が存在せず、長距離送電で対応している状況です。

こうした中、ポトシ県南西部では以前より地熱資源開発の可能性が確認されており、これまでの調査により十分な地熱資源の存在が確認されています。ボリビア政府は、同資源を活用した「ラグナ・コロラダ地熱発電所建設事業」をこれまで計画してきました。同事業は、2020年までに計画されている約1,696メガワット分の新規電源開発の一部として位置づけられています。こうした動きに対し、日本政府は、2010年12月のエボ・モラレス大統領の来日時に菅直人首相(当時)と署名した「日本・ボリビア共同声明」において、100メガワットの全体計画のうち、第一段階として最初の50メガワットを建設するための事業計画を支援することを表明しました。本借款は、その第一期分として供与されます。

本事業は、ボリビアにとって初めての地熱発電所建設となるばかりでなく、南米において初の地熱発電所となります。また、世界でも初めての5,000メートル級の高地での地熱開発となります。そのため、JICAは本借款供与に先立ち、2010年より既存の井戸の噴気試験、地熱発電に関する理解促進・能力強化、円滑な事業実施等を目的として技術支援をしてきました。今後も、本事業の成功に向けた組織能力強化等の技術協力を継続する予定です。

(参考)

1.借款金額および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
ラグナ・コロラダ地熱発電所建設事業(第一段階第一期) 2,495 0.65 0.01 40 10 一般アンタイド

2. 事業実施機関
ボリビア電力公社 (Empresa Nacional de Electricidad)
住所:  Av. Ballivián No 503, Edificio Colón, Piso 8, Cochabamba, Bolivia
Tel/Fax: +(591-4) 4520317

3. 今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期:2020年8月(施設供用開始時をもって事業完成)
(2)コンサルティング・サービス(基本設計、入札補助、施工監理等)に係る招請状送付予定時期:2014年8月
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
調達パッケージ名:坑井掘削
予定時期:2015年7月