米州開発銀行、カリブ開発銀行と共に東カリブの再生可能エネルギーおよび省エネルギー促進に取り組む

−カリブ開発銀行との間で、初めての連携枠組みに合意−

2014年7月29日

国際協力機構(JICA)と米州開発銀行(The Inter-American Development Bank: IDB)およびカリブ開発銀行(The Caribbean Development Bank: CDB)(注1)は、7月28日、トリニダード・トバゴ共和国の首都ポート・オブ・スペインにおいて、東カリブ地域(注2)における再生可能エネルギーおよび省エネルギー促進のための協力覚書に署名しました。署名には、同国訪問中の安倍総理大臣、同国のペルサ・ビッセサール首相およびアンティグア・バーブーダのブラウン首相が臨席しました。

左から米州開発銀行ジョンソン・カリブ局長、カリブ開発銀行ロマーノ副総裁代行、JICA黒柳俊之理事

東カリブ地域各国は、小島嶼国特有の課題を抱えるカリブ共同体(カリコム)諸国の中でも、とりわけその規模の小ささ等から、経済面、社会面での脆弱性が指摘されています。例えば、これらの諸国では、エネルギーの大半を化石燃料に依存しているため、エネルギー価格の高騰により、財政悪化や外貨流出等の問題を引き起こしています。他方、これらの国々は火山列島であり、豊富な地熱資源が確認されており、地熱を含む再生可能エネルギーの活用推進および省エネルギーの促進が、同地域で特に期待されています。

また、本年3月、JICAと米州開発銀行は「中米・カリブ地域向け再生可能エネルギーおよび省エネルギー分野における協調融資スキーム」(Cofinancing for Renewable Energy and Energy Efficiency: CORE)の拡大に合意しており(注3)、その中でCOREスキームの適用対象にカリブ開発銀行を追加したことを受け、カリブ開発銀行との対話を開始していました。

こうした背景を下に、今般、JICA、米州開発銀行およびカリブ開発銀行の3機関は、東カリブ地域の再生可能エネルギー(特に地熱開発)および省エネルギー促進のため連携していくことを協力覚書の形で確認しました。協力覚書では、今後、COREに基づく協調融資案件や関連技術協力案件の形成に向け協働していくこととしています。

本年は日・カリブ交流年(2014年)(注4)に当たり、JICAは記念すべき本年、カリブ地域に対する支援の検討を一層深めていきます。また、JICAは今後もCOREを活用し、中南米で最も重要な開発機関の一つである米州開発銀行との連携を深め、中米・カリブ地域のエネルギー問題や気候変動に関する課題解決に貢献していきます。


(注1)カリブ開発銀行(The Caribbean Development Bank: CDB)は1970年に設立された国際機関であり、カリブ地域における加盟国の調和のとれた経済成長と開発に貢献することを目的としており、カリブ地域の重要な開発資金の供給元となっています。(2013年末総資産約25.7億ドル)
(注2)セントビンセント、ドミニカ、セントルシア、グレナダ、アンティグア・バーブーダ、セントクリストファー・ネーヴィスの6ヵ国を指す。これら6ヵ国は米州開発銀行に非加盟であるため、米州開発銀行はカリブ開発銀行経由で支援してきている。
(注3)COREスキームは、中米・カリブ地域の再生可能エネルギーおよび省エネルギー分野の案件に対し、当初、JICAが5年間で3億ドルを上限として低所得国以上中進国以下の米州開発銀行加盟国に対し、米州開発銀行との協調融資のための円借款を供与するものとしていましたが、本年3月、協調融資の目標額が10億ドルに引き上げられるとともに、対象国もカリブ地域の米州開発銀行非加盟国、カリブ開発銀行、卒業移行国に拡大されました。

(注4)日・カリブ交流年2014年