アフリカ開発銀行向け円借款契約の調印

−民間セクター主導の経済成長の加速化を目指して−

2014年9月16日

アフリカ開発銀行玉川雅之アジア代表東京事務所長(右)とJICA加藤宏理事

国際協力機構(JICA)は、9月16日、JICA本部にてアフリカ開発銀行(The African Development Bank Group:AfDB)との間で、「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブの下での民間セクター支援融資(V)」を対象として、306億9,000万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

本事業は、2012年に日本政府が新たに発表した「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ(Enhanced Private Sector Assistance 〈EPSA〉 for Africa)」(注1)の一環として実施するAfDB民間セクター向け投融資業務に対する円借款の第5次の供与です(注2)。本事業では、アフリカ域内における民間セクター主導の経済成長ならびに貧困削減を促進することを目的に、AfDBの域内メンバー国の民間企業等が必要とするインフラや農業等の事業資金を、JICAがAfDBの民間セクター向け投融資業務を通じて提供します。

アフリカ諸国における年平均経済成長率は、2011年には、「アラブの春」の影響で年間5.0パーセントから3.4パーセントまで減速したものの、その後は世界経済低迷の中で着実に回復してきました。2013年は世界経済全体の成長率が3パーセントの中、アフリカ大陸の成長率は4パーセントと堅調であり、このまま世界経済の緩やかな成長が続けば2014年には4.8パーセント、2015年には5〜6パーセントまで成長し、アラブの春以前の水準まで回復するとの見通しです。

一方で、ミレニアム開発目標の一つである貧困人口の割合の半減に向けて必要とされる7パーセントの経済成長率には及ばず、今後も持続的な経済成長が求められています。また、若年層を中心とした失業問題が年々深刻化しており、雇用の受け皿である民間セクター開発の促進が重要課題とされています。しかしながら、公的セクターは財源不足により民間セクター開発に必要なインフラ整備等に必要な予算を確保できず、また中小零細企業は金融機関からの支援を受けることが難しい状況にあります。このような背景の下、昨年6月の第5回アフリカ開発会議(TICAD V)で採択された「横浜行動計画(2013-2017)」(注3)では、インフラや農業の優先分野において貿易・投資を促進するとともに、民間セクターの積極的な関与を促進し、成長の原動力を強化することが合意されました。

本事業は、2007年、2008年、2011年、2013年の4度にわたり円借款が供与された後も、いまだ資金ニーズが膨大な民間セクターを支援するため、第5次融資の供与を行うものです。過去4回の融資では、インフラ整備や中小零細企業向けに地場銀行を通じての融資、日本の企業が建設等を受注したガス火力発電所の拡張事業への支援等、農業開発案件など産業開発のみにとどまらず、雇用創出の面からも高い成果を挙げてきました。


注1:日本政府は2005年のG8グレンイーグルズ・サミットの際にAfDBと共にEPSAを立ち上げ、10億ドルの円借款供与を表明しました。2012年のG8キャンプデービッド・サミットにおいて、アフリカにおける民間投資の活性化が引き続き重要な課題であることを受け、新たに5年間で10億ドルの円借款を供与することを決定しました。

また、2014年1月に安倍内閣総理大臣がエチオピアでのアフリカ政策スピーチにおいて、同期間での円借款供与を10億ドルから20億ドルに倍増することを表明しています。

注2:EPSAは融資および技術支援を通して実施するプログラムで、JICAは融資部分を実施しています。融資方法には、1)政府および政府機関等に対するアフリカ開発銀行/基金との協調融資促進ファシリティ(ACFA)、および2)EPSAの下での民間セクター支援融資(本事業)の2つがあります。

1.借款金額および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブの下での民間セクター支援融資(V) 30,690 0.55% 40 10 (対象外)

2.事業実施主体
アフリカ開発銀行 民間セクター局(OPSM:Private Sector Department)
住所:Immeuble du Centre de Commerce International d’Abidjan (CCIA),
Avenue Jean-Paul II 01 BP 1387- Abidjan 01 Côte d'Ivoire
TEL: (225) 2026-1285