東部・南部アフリカ地域の開発推進のため、東部・南部アフリカ貿易開発銀行(PTA銀行)・東部アフリカ開発銀行(EADB)と連携

−業務協力協定に基づき、ケニア、南アフリカで企業向け共同セミナーを開催−

2014年9月24日

国際協力機構(JICA)は、9月16日にケニアのナイロビ、および同18日に南アフリカのヨハネスブルグにおいて、日本企業や日本企業の現地パートナー企業を対象に、官民連携投融資セミナーを開催しました。同セミナーは、JICAがアフリカで連携するさまざまな金融機関の融資制度やサービスなどを紹介するもので、日本大使館、JETRO、アフリカ開発銀行、世界銀行グループの国際金融公社(International Finance Corporation:IFC)の協力の下、実施されました。

ケニアのセミナーでのパネルディスカッション

南アフリカのセミナーでの質疑応答の様子

16日のケニアでのセミナーでは、ケニアおよび東アフリカ地域で主に活動する金融機関や企業が事業内容を紹介するとともに、同地域において投資を促進するための課題や可能性、現地におけるパートナーシップ構築の重要性についてパネルディスカッションを実施しました。登壇した機関・企業は、アフリカ開発銀行、IFC、東部アフリカ開発銀行(East African Development Bank: EADB)(注1)、東部・南部アフリカ貿易開発銀行(The Eastern and Southern African Trade and Development Bank: PTA銀行)(注2)、African Guarantee Fund (AGF)、African Trade Insurance Agency (ATI)、Equity Bank、豊田通商イーストアフリカ、ケニア投資庁です。

18日の南アフリカでのセミナーでは、アフリカ開発銀行(African Development Bank: AfDB)、IFC、PTA銀行に加え、南部アフリカ開発銀行(Development Bank of Southern Africa: DBSA)が登壇し、南部アフリカを中心とした各機関の活動内容について説明しました。また、アフリカのインフラ開発における深刻な資金不足について議論され、民間資金を導入するためのPPP(官民連携パートナーシップ)制度や各機関の金融サービスの活用方法について具体的な説明が行われました。

両セミナーには、両国に進出する日本企業や現地のパートナー企業など、合計約120名が参加し、活発な意見交換が行われました。

ヴィヴィアン・イェーダEADB総裁(右)と乾英二JICAアフリカ部長(8月25日)

アドゥマス・タデッセPTA銀行総裁(右)と乾英二JICAアフリカ部長(8月26日)

JICAは両セミナー開催に先立ち、8月25日に、ウガンダの首都カンパラにおいて、東部アフリカ地域における経済社会開発を支援するため、EADBと業務協力協定に署名しました。また、翌日26日には、ケニアの首都ナイロビにおいて、東南部アフリカ市場共同体(COMESA)地域における経済社会開発を支援するため、PTA銀行と業務協力協定に署名しました。

今回の両地域銀行との業務協力協定は、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)で表明された「横浜行動計画(2013-2017)」(注3)における重点分野である「経済成長の促進」や「インフラ整備・能力強化の促進」を達成するためには、アフリカ大陸の各地域において多様な経験やネットワークを有する地域開発金融機関との連携強化が重要との考えの下、締結に至ったものです。本業務協力協定は、両銀行とJICAが情報共有などを促進し連携することで、各銀行の域内メンバー国における効果的な開発を進めるとともに、日本企業を含む民間セクターのアフリカの開発への参入も目指しています。

業務協力協定による具体的協力内容は(1)特に運輸・電力・水等の広域インフラ案件の形成を念頭に置いた情報交換(2)共同セミナーや調査の実施(3)インフラ整備、民間セクター開発、貧困削減等に関する案件の共同形成・実施(4)キャパシティビルディング(5)日系企業を含む民間部門の活動促進にかかる協力です。

JICAは、今回業務協力協定を締結したEADBおよびPTA銀行との連携を一層強化し、引き続きTICAD Vの「横浜行動計画(2013-2017)」に基づき、より開発効果の高いアフリカ支援を目指していきます。


(注1)EADBは1967年に設立。総資本金2.1億ドル(2012年時点)。株主は東アフリカ共同体(EAC)諸国が計86パーセントを保有し、残り14%をAfDB、オランダ開発金融会社(FMO)、ドイツ開発公社(DEG)、他民間金融機関が保有。主な目的は、EAC加盟国のうち4ヵ国(ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ)における社会経済開発および地域統合の促進。本社はウガンダの首都カンパラ。EADBは主東部アフリカ地域において工業、サービス、農業セクターの中小企業等に対する投融資や国境を越えたインフラの整備等に特化している。

(注2)PTA銀行は1985年設立の地域金融機関。主な目的は、東南部アフリカ市場共同体(COMESA)加盟18ヵ国の地域統合及び民間セクター開発。域内のアグリビジネス、保健サービス、観光、電力開発のための投融資を行っており、貿易金融やインフラ・プロジェクトのファイナンスに実績を有する。総資本金は13.7億ドル。同行の事業規模は、過去4年間、年間40パーセントの割合で拡大。出資比率は、COMESA加盟国のうち15ヵ国(ブルンジ、コモロ、ジブチ、エジプト、エリトリア、エチオピア、ケニア、マラウイ、モーリシャス、ルワンダ、セーシェル、スーダン、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ)およびCOMESA加盟国ではない東アフリカ2ヵ国(タンザニア、ソマリア)が約89パーセント、AfDBおよび中国が約11パーセント。本社はブルンジだが1994年以降、経営陣はケニア・ナイロビに常駐。ケニア支社が北部・東部アフリカを管轄し、ジンバブエ支社は南部アフリカを管轄している。 PTA銀行はCOMESA圏、EAC圏、南部アフリカ開発共同体(SADC)圏を含む三者間自由貿易圏 (TFTA)の中核的な貿易および開発金融機関になる予定で現在再構築中。

(注3)2013年5月に横浜で開催された第5回アフリカ開発会議(TICAD V)にて合意された、今後5年間でのTICADプロセスの下でのアフリカ支援を具体的に示したロードマップ。