パキスタンでのポリオ撲滅事業をDACが表彰

−ビル・メリンダゲイツ財団と連携した革新的な取り組みを評価−

2014年10月10日

パキスタン・イスラム共和国向け円借款「ポリオ撲滅事業」が、経済開発協力機構の開発援助委員会(OECD/DAC)により今年新設されたDAC賞で、優秀な取り組みを行った案件として表彰されました。日本政府は、10月7日(現地時間)にパリで行われたOECD/DACのシニアレベル会合において表彰されました。

DAC賞は、開発途上国で広く適用できる革新的な取り組みを表彰するために、今年新しく設けられたものです。今回、初のDAC賞で、他の9件とともに、ファイナリストとして選出されました。

今回入賞した「ポリオ撲滅事業」(2011年8月借款契約調印)は、ポリオ・ワクチンの調達とその投与のためのポリオ・キャンペーン実施を通じ、パキスタンの5歳未満児に対するポリオ・ワクチン接種を促進することにより、同国におけるポリオの早期撲滅に寄与するものです。本事業では、ビル・メリンダゲイツ財団(以下、ゲイツ財団)との連携により、事業の目標が達成されれば、パキスタン政府のJICAに対する円借款の返済をゲイツ財団が肩代わりする「ローン・コンバージョン」という手法を採用しました。2014年4月には、事業を実施した成果が認められ、ゲイツ財団による円借款の代理返済が決定しています。

パキスタンでは、パキスタン政府や日本を含む関係ドナーが協力し、同国におけるポリオの新規発生件数は、2012年には58件へと大きく減少しました。しかしながら、ポリオ・キャンペーンへの妨害や治安の悪化が原因で、今年は10月までに新規発生件数が200件を超え、深刻な状況に陥っています。ポリオの撲滅を達成するためには、パキスタン政府自身が一層ポリオ対策を推進するのみならず、国際社会によるさらなる支援が必要な状況となっています。

今回の入賞では、日本が、ゲイツ財団およびパキスタン政府とともに、必ずしも高い関心を集めているとはいえないポリオの問題に焦点を当て、革新的で、成果発現を重視する手法を採用したことが評価されました。また、同様の事業がナイジェリアにおいても2014年5月に開始されたことに見られるように、この取り組みが他の多くの国や地域での適用可能なことも高い評価を受けたものです。