独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)との覚書締結

−ペルー国 休廃止鉱山の環境改善に日本の鉱害対策の知識・経験を生かす−

2014年12月26日

国際協力機構(JICA)は、12月26日、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)との間で「ペルー休廃止鉱山環境改善事業」の支援に関する覚書を締結しました。

この覚書は、日本国内およびペルーにおいて鉱害対策・休廃止鉱山対策を支援してきたJOGMECの豊富な専門知識と経験を、JICAが行う「ペルー休廃止鉱山環境改善事業」の協力準備調査に生かすものです。

ペルーは世界有数の鉱業国ですが、1990年代まで鉱害に対する法規制が存在しなかった等、鉱害対策が遅れており、坑廃水による河川汚染等の環境問題が深刻な社会問題になっています。すでに操業を停止している「休廃止鉱山(いわゆる鉱山跡)」については、操業時期が古いために鉱害対策を実施する義務を負うべき事業主が不明な鉱山も多く存在します。現在、そうした休廃止鉱山では何も対策がされないまま鉱害が放置されているケースが数多く存在しており、これ以上の環境問題の拡大をくい止めるため、ペルー政府は対応を迫られています。本「ペルー休廃止鉱山環境改善事業」は、ペルー政府が、事業主がいない休廃止鉱山の鉱害対策を実施するものです。この事業の形成を支援するため、JICAは、2015年3月より協力準備調査を実施予定です。

日本でも、明治時代から高度経済成長期にかけて鉱業が隆盛し、経済的恩恵をもたらした一方で、足尾鉱毒事件や、神岡鉱山の鉱害によるイタイイタイ病などの鉱害問題が発生したことは広く知られています。日本には約5,000ヵ所の休廃止鉱山が存在し、そのうち何らかの鉱害防止対策が必要とされた鉱山がかつて約450ヵ所ありました。これらの多くで対策が進んだ一方、現在でも97ヵ所において鉱害対策を実施しています。

JOGMECは、日本国内においてこれまで40年にわたり「鉱害防止支援事業」を推進し、大規模な坑廃水処理施設の維持管理を実施するなど、休廃止鉱山の管理を担う地方公共団体に対する鉱害対策技術支援等を通じて、日本の鉱害対策をけん引してきました。近年は、日本国内における経験を生かして、海外の鉱業国に対する支援を展開しています。JOGMECはペルーに対して、2009年4月から現在に至るまで約5年間にわたり「鉱害防止政策アドバイザー」を派遣し、継続的に同国の鉱害防止政策・鉱害対策技術の向上に向けた指導・助言をしています。

JICAとJOGMECが協力して支援を行うことで、日本の鉱害対策の知識・経験に基づいた、一層開発効果の高い支援の実現が期待されます。