アジアの開発途上・フロンティア諸国における包摂的な高度成長の支援

−IMFとJICAがハイレベル会議を共催−

2015年2月18日

国際通貨基金 (IMF)と国際協力機構 (JICA) は、18日、東京にて、「アジアの開発途上・フロンティア諸国:包摂的な高度成長の支援」と題するハイレベル会議を共催しました。会議には、アジア諸国の閣僚や中央銀行総裁、政策立案者、研究者に加え、IMF、JICA及び国際開発金融機関の関係者が一堂に会しました。参加者は、あらゆる社会階層に成長の恩恵をもたらす、包摂的かつ持続的な成長、その上での新興国入りに向け、アジア諸国が抱える課題や政策上の優先事項について議論しました。

セミナー冒頭、JICAの田中明彦理事長は、アジア太平洋地域における今後の膨大な開発ニーズに対し、「官民双方から国内外のファイナンスを効果的・効率的に動員するとともに、格差縮小のための再分配策や社会サービス提供を可能にするためにも、財政・金融部門の健全性と発展は極めて重要」とした上で、「本会議は、包摂的かつ強靭な、質の高い急成長をどのように促進するかについて、最新の研究結果や多様な経験と実践を共有する貴重な機会」と述べました。

IMFの篠原尚之副専務理事は、アジアの開発途上・フロンティア諸国は、新興国を上回る力強い成長を見せており、「急速な成長により何百万という人々が貧困から抜け出したものの、まだ重大な課題が残っている」と述べました。また、同副専務理事は、IMFは、世界中の加盟国、特に低所得国への政策提言にあたって、経済政策の社会的影響に配慮していることを強調した上で、アジアの開発途上・フロンティア諸国への関与を強化しており、「IMFでは、包摂的成長の原動力に関する研究成果を実際的な政策助言に結びつけている。今回の会議はその方向に沿った新たな一歩」と述べました。

会議では、2つのテーマの下で4つのトピック(1)包摂的な成長(包摂的な成長と財政持続性の促進、中小企業開発の促進)及び(2)資本・金融市場の強化(ドル化か脱ドル化か、人口構造変化とインフラ需要に際し金融部門の果たす役割)について議論が行われました。

IMFの李昌鏞(イ・チャンヨン)アジア太平洋局長は、「アジアの開発途上・フロンティア諸国は、制度改善を進め、財政収入を増大させる取組みを強化し、インフラ投資を拡大するとともに、金融セクターの深化を進めて、中小企業の発展を支えるべきだ」と述べました。JICAの小寺清理事は、「財政政策による所得再分配は、包摂的な成長を実現するために重要だが、アジアの開発途上・フロンティア諸国にとっては政策の導入時期の見極めや行政能力の育成が課題となる」と指摘しました。

会議にはアジアの開発途上・フロンティア諸国から、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、ラオス、モルディブ、モンゴル、ミャンマー、ネパール、スリランカ、ベトナムの代表者が参加しました。

会議のプログラムと資料等は以下のウェブサイトをご参照ください。