イラク向け円借款契約の調印

−民生向上のための電力インフラ復旧−

2015年2月23日

調印式の様子

国際協力機構(JICA)は、2月23日、イラク政府との間で「ハルサ発電所改修事業」を対象として202億2,400万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。本件はイラクとの間で交わされる21件目の円借款貸付契約であり、イラク向け円借款の支援総額は4,900億円を超えました。

イラクでは、長年にわたる戦争と経済制裁により、発電所や送変電設備といった国内の電力インフラの破壊および老朽化が進行しました。2003年以降、徐々に復興が進んではいるものの、現在のイラクでは1万6,000から1万8,000 メガワット程度の電力需要に対して、約1万2,000 メガワット の電力供給能力しかなく、1日に10時間以上の停電も珍しくありません。十分かつ安定的な電力供給は喫緊の課題となっていました。

ハルサ発電所はイラク南部のバスラ県に位置しており、バスラ県全体の発電設備容量の25パーセントを占める県最大級の発電所です。また、送電線が電力需要の高いイラク首都および中部地域にも連系されていることから、バスラ県のみならず、イラク国内の電力供給において重要な発電所と位置付けられています。

同発電所は1982年に日本の支援を受けて日本企業によって建設され、日本人技術者から学んだイラク技術者によって、長年運営・維持管理されてきました。30年以上稼働してきた同発電所は、日本とイラクの象徴的な協力事業と認識されています。

本事業は、ハルサ火力発電所の4号機(定格容量200メガワット)を改修することにより、イラク国内の電力供給機能の回復に貢献することを目的としています。本件にかかる貸付金は、発電所改修にかかる費用(土木工事、資機材の調達など)やコンサルティング・サービス(入札補助、事業全体管理、施工監理)費用等に充当されます。

本事業により、イラク国内の電力の安定供給に貢献し、もって同国の社会開発および復興に不可欠な経済活動を活性化することが期待されています。

(参考)

1. 借款金額および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
ハルサ発電所改修事業 20,224 0.8 0.01 15 5 一般アンタイド

2. 事業実施機関
イラク電力省(MOE: Ministry of Electricity)
住所:MOE Building, Baghdad, Iraq

3. 今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期: 2018年10月(建設工事完了時をもって事業完了)
(2)コンサルティング・サービス:招請状送付済
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示
調達パッケージ名:EPC (Engineering, Procurement and Construction)
予定時期:未定