タジキスタン共和国向け 無償資金協力贈与契約の締結

−タジキスタン-アフガニスタン国境地域における治安向上・安定化とクロスボーダーマーケット(市場)への参加を通じた生活環境の改善を支援−

2015年3月3日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、3月3日、国連開発計画(UNDP)との間で「タジキスタンのアフガニスタンとの国境の効果的な管理を通じた国境を越える協力促進計画(UNDP連携)」(The Project for Promoting Cross-border Cooperation through Effective Management of Tajikistan’s border with Afghanistan)」を対象として4億6,800万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)に締結しました。

本事業の目的は、タジキスタン共和国ゴルノ・バダフシャン自治州およびハトロン州内のアフガニスタン国境における国境管理施設と両国間のクロスボーダーマーケットの整備を行うものです。JICAがUNDPに資金を供与し、UNDPタジキスタン事務所による監理のもと、本事業が実施されます。

タジキスタンは、国土の93パーセントが山岳地帯であり、中央アジアのパミール高原に位置するアフガニスタン、ウズベキスタン、キルギス、中国と国境を接する内陸国です。中でも南部のアフガニスタンとの国境は、約1,344キロメートルにも及びます。

国境管理に関する問題のうち、特にこの地域を通る麻薬の密輸問題は深刻です。例えば、2010年にアフガニスタンから中央アジアに流入したヘロインのうち、約85%がタジキスタン経由だと推計されています。アフガニスタンからタジキスタンに密輸された麻薬は、中央アジア域内だけでなく、ロシアや欧州等に流出していると考えられます。

国境管理の強化が求められる一方で、国境周辺地域には、タジキスタンとアフガニスタン両国の商人が集まるクロスボーダーマーケット(市場)が定期的に開催されていて、重要な交易の場にもなっています。国境地域の生活環境向上と自律的な経済活動の促進のためにも、クロスボーダービジネスは重要で、そのための環境整備、特に女性住民の参加を促す必要があります。

本事業ではタジキスタンとアフガニスタンの政府とUNDPと連携し、国境管理の能力の強化および両国間のクロスボーダーマーケット(市場)の整備を行います。具体的には、タジキスタン-アフガニスタン間の国境管理施設の新規整備と改修(女性用の検査室や衛生設備の整備)、関連機材の供与や国境警備隊員のキャパシティー向上のためのセミナーの開催、女性も利用できるクロスボーダーマーケット(市場)の整備を支援します。

これらの事業内容を通じて、タジキスタン-アフガニスタン国境地域における治安向上・安定化、現地住民、特に女性住民にクロスボーダービジネスへの参加を促し、国境地域の生活環境向上、自律的な経済活動の促進を図ります。

なお、本件は、昨年7月にキルギスで行われた「中央アジア+日本」第5回外相会合において、アフガニスタン情勢を見据えた麻薬対策・国境管理について話し合いが行われ、わが国としてこの分野で各国と連携して取り組んでいく旨が確認されたのを受けて実施されるものです。

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