ケニア共和国向け「モンバサ港開発事業フェーズ2」円借款契約の調印

−日本の技術を活用し、東アフリカ最大の国際港の建設を通じ域内貿易拡大を支援−

2015年3月10日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、3月9日、ケニア共和国の港湾都市であるモンバサ市にて、ケニア港湾公社との間で「モンバサ港開発事業フェーズ2」を対象として321億1,600万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。なお、本事業への円借款は、1963年にJICAがケニアに協力を開始して以降、最大規模の支援です。

本事業は、東アフリカ地域最大の商業港であるモンバサ港において、コンテナターミナルの建設と荷役機械の整備などを行い、取扱貨物の需要増加への対応および港湾運営の効率化を図ることにより、ケニアおよび近隣諸国を含めた地域全体の貿易促進と経済社会発展に寄与することを目的としています。

モンバサ港は、同国首都ナイロビの南東約500キロメートルのインド洋に面した海岸線に位置しており、コンテナ貨物、液体貨物、バルク貨物、一般貨物等を取り扱う同国唯一の国際貿易港です。また、同港は、南アフリカ、紅海および中東の主要港の中間地点に位置し、今日では、東アフリカ地域の最大の商業港として、ケニア国内の輸出入拠点としてだけではなく、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジなど、「北部回廊」でつながる後背内陸国の玄関港として機能しています。

モンバサ港における取扱貨物は、その大部分が燃料、鉄・鋼材製品、肥料、食料品のほか、日本や第三国からの日本車(中古車)の輸入貨物で占められていますが、近年はコンテナ化が進み、同港におけるコンテナ貨物取扱量は過去10年で約3倍に急増しています(30万TEU/年〈2002年〉→90万TEU/年〈2012年〉)。今後も需要は伸び続けることが予測され、2025年には260万TEUを超える需要が見込まれています。このような中、ケニア政府はコンテナターミナルの新設を計画し、JICAの支援(円借款「モンバサ港開発事業」(フェーズ1、2007年11月貸付契約調印)を得て、2016年3月の完工に向け、新コンテナターミナルの建設工事が進んでいます。しかし、建設中の新ターミナルの取り扱い能力(約58万TEU)を加えても、2016年にはその能力(130万TEU)を超える需要(132万TEU)が見込まれており、伸び続ける需要への対応は限界に近づく見込みであり、物流が停滞する恐れがあります。そのため、将来のコンテナ需要量に見合う対応が可能となるよう、コンテナ取扱能力の増強を図ることが急務になっています。

なお、急増するコンテナ需要に対応するため、現在ケニア政府は、コンテナターミナルの新設と併せ、オペレーションの効率化を図るため、新ターミナルの運営を民間委託する準備を進めています。港湾ターミナルの運営の民間委託については、ケニアで初めての事例となることから、内外から注目が集まっています。

また、本事業は、「本邦技術活用条件」(STEP)適用事業として実施されます。当該地域は軟弱地盤の上にターミナルを建設するという困難が伴うことから、施工にあたっては、日本企業が優位性を持つ特殊鋼材の使用や地盤改良技術が活用される予定です。現在実施中のフェーズ1でも同様の技術が活用されて建設が順調に進んでおり、日本企業の持つ同技術、施工管理がケニア政府に高く評価されています。

日本政府は、第5回アフリカ開発会議(TICAD V)の「横浜行動計画」において「インフラ整備・能力強化の促進」を支援分野の一つに挙げ、経済発展・産業開発に資する五大回廊支援を重点としています。本事業はその一つである「北部回廊」でつながる後背内陸国の玄関港の整備を行うものです。また、日本政府は、「都市計画/交通網/インフラ整備のための戦略的マスタープラン」を10ヵ所で策定すると表明しており、これに基づき、JICAは、モンバサ経済特区開発計画策定を進めているほか、モンバサおよび北部回廊におけるマスタープランの策定も支援する計画です。さらに、JICAは「モンバサ港周辺道路開発事業」(2012年6月円借款貸付契約調印)による周辺道路整備や国境の通関機能強化の技術支援を実施中です。こうした包括的な支援により、ケニアのみならず、東アフリカ地域における物流の活性化を促進し、同地域の経済発展に貢献します。

(参考)

1.借款金額および条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
モンバサ港開発事業フェーズ2 32,116 0.1 0.01 40 10 タイド

2.事業実施機関
ケニア港湾公社(Kenya Ports Authority)
住所:KENYA PORTS AUTHORITY
P.O. Box 95009-80104, MOMBASA, KENYA
TEL:+254-41-211-2999

3. 今後の事業実施スケジュール(予定)
(1) 事業の完成予定時期: 2019年6月(施設供用開始時をもって事業完成)
(2) 本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
調達パッケージ名:土木工事パッケージ1(Construction for Civil Work and Building 〈Package 1〉)
予定時期:2015年11月

4.JICA情報提供窓口
本事業に関する情報は、下記窓口にお問い合わせください。
国際協力機構ケニア事務所 情報窓口
(Contact Point for Infrastructure Sector, JICA Kenya Office)
住所:The Rahimtulla Tower, 10th & 11th, Upper Hill Road, Nairobi, Kenya
(P.O.Box 50572-00200, Nairobi, Kenya)
TEL:+254-20-2775000